マント/カイロ読ロド/ドラルク視点
マント
今宵もヴァンパイアハンター・ロナルドに呼び出された真祖ドラルクは、洋館に住み着いた敵性吸血鬼の退治に、その強大な力と知恵を駆使し、解決へと導くのであった。
「ーーーていう書き出し、どう思う?」
「吸血シロアリの駆除だなんて誰も思いもしないだろうねぇ」
殺鬼剤をひたすら撒く退治人くんを、離れた場所で眺めながら雑談を交わす。
今日は来る前に二度死んでいることもあって、着いて早々「オメーはあっちで待機」と相方命令が下された。確かにうっかり一吹き浴びようものなら次はいつ復活出来るか分からないし、私の塵がシロアリ達の塵と混ざっても困るもんね。そう言うと何故だか退治人くんはゲッソリとした顔をして「あんなのは二度と御免だ」と答えた。恐らく先日の依頼の事を指しているのだろうが、最後の方の記憶が曖昧なのでいまいちピンと来ない。ただ清々しい気分だったのは覚えている。
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