「やぁ、珍しいね」
爛々と輝く対のタンザナイトに吸い込まれた。ミスタが寝て昼になっても起きないから、代わりに起きて散歩に出たらこれだ。コイツ、「俺」の知り合いなのか?ミスタ、おいミスタ、起きろって。……起きねーし。
「おう、オレのこと 知ってんのか?」
「んー、何となくね」
「あっそ」
関係ないだろうと思い、通り過ぎようとした。
「ミスタ、に伝言をお願いしたいんだけど」
「悪いな、生憎寝てるんだわ」
腕を掴まれたかと思ったら伝言かよ、トントンと胸を叩いて言って見せれば、そう、と言って離れていった。
「どこかで会ったっけな…」
気付けば、リアスの趣味ではないようなショップに入って、ノートを購入していた。名前も知らないやつの、記録を残すために。
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