学生フェルヒュー傍を通る生徒は、誰もが意外な組み合わせだと感じていた。
しかし実際のところ、彼らは親交を深めている部類になる。
「あともう一人欲しいところですねぇ」
黒鷲の学級の部屋の一角で、エーデルガルトとヒュ―ベルト、そしてシルヴァンが向かい合うように座っていた。
彼らの真ん中にあるのは盤面遊戯。
盤面遊戯の得意な彼らは、時折このように集まって腕を競いあっているのだ。
「そうね、それなりに腕の立つ人だと良いのだけれど」
「お二人相手に腕が立つって相当な条件なんですけど……あ! 丁度いいところに!」
そう言ってシルヴァンが呼び止めたのは、フェルディナントだった。
ヒュ―ベルトが露骨に嫌そうな顔をするが、シルヴァンは気にせず対戦の交渉を進める。
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