セックスしないと出られない部屋のナオ武♀③「そうだな……メシ食うか」
休憩しようというナオトの提案に、タケミチは素直に頷いた。このセックスしないと出られない部屋の外は常に暗く、時間の感覚を失くす。すでに夕飯の時間帯だった。
冷蔵庫の中を確認すると食材だけは豊富に揃えられている。試しにコンロのつまみを捻ると火が点く。ガスも通っていることが確認出来た。
「調理は問題なさそうです」
「うん。てか、オレんちの冷蔵庫にしては入ってるモンが高級食材なんだけど……この辺の設定もガバガバだな」
「たしかに。タケミチ君がこんな高級牛肉を買えるはずがないですよね」
ナオトの手にあるのは庶民には手が届かない霜降りの牛肉だ。他にもフランス産のバターや高そうな果物が入っている。この部屋がどういう仕組みで存在しているのか謎だが、創造主は気前がいい。あんな馬鹿げた招待状をポストに入れるくらいだからサービス精神があるのかもしれない。
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