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    aka_dori

    @aka_dori

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    aka_dori

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    旧スターレスのif話
    ボロボロリンドウくんがモブおじに抱かれて得たお金を、店の資金繰りに悩む黒曜に差し出す話。
    気持ち黒リン。モブリンは確実に存在している。
    本番はない。

    #腐ラスタ
    rotatorCuffStar
    #モブリン
    moblin
    #黒リン
    blackPhosphorus

    ボロボロリンドウと傾くお店店が、赤字らしい。
    赤字になったら、
    そのうちお店は存続できなくなる。
    そしたら、僕はどこに行けばいい?
    こんなに汚れた体でどこに行けるというのだろう。

    雨がビニール傘を叩く音が耳障りだが、
    それよりも事務所で黒曜が呟いた言葉の方が鼓膜を煩く叩いている。
    僕達には苦労を見せないようにしているけど、
    事態は相当深刻なようで聞き手に回っていたシンも
    眉間に深い皺を作っていた。

    ザーザーと降る雨が煩わしい。
    それに集中して近々対峙することになる現実から目を背けようとしてみるが、
    もうスターレス以外に居場所のない僕は
    そんな簡単に現実逃避を許されなかった。

    それに、僕だけでなく、真珠だって行き場所がなくなってしまう。
    きっと彼なら、どんな仕事でもこなせると思う。
    けど、ステージ上で歌って踊って輝くことは難しくなってしまうだろう。
    それはなんだか……嫌だなぁ……。

    そうやって頭の中でめぐる言葉ばかりに意識をやって歩いていたら、水溜りに足がはまってしまった。わっ、と驚いて声を出すと
    たまたま隣を歩いていたおじさんが
    僕の腰をそっと抱き寄せた。
    前を見て歩かないと危ないよ、と注意してくれるのではなく、イヤらしく僕の体を撫でる。
    欲望がたっぷりと詰まった手だ。

    そうだ!

    「ねぇ、僕とイイコトしませんか?」

    ✩✩✩✩✩

    おじさんは笑って、幸せそうに僕を貪った。
    アイドルだったときに数回、経験があったからか
    具合が良かったらしい。
    だから、約束のお金より
    ちょっと上乗せしてくれた。
    これがあれば、お店の存続に少しは貢献できるはず。体は痛かったけど、僕は急いで黒曜のいる場所へ走った。

    「こくよう、これで、足りますか?」

    傘をホテルに忘れちゃったから
    びちょびちょになった僕。
    廊下を濡らしながら事務所に入った
    僕に吃驚したのか黒曜は目を丸くして、
    中途半端に椅子から腰を浮かした。
    シンはもういなかったが、
    その方が都合がいい気がした。

    「おまえ……何やったんだ?」
    「ちょっとだけ、おじさんと……怒ってますか?」

    変な姿勢から立ち上がって近寄ってきた
    黒曜はいつの間にか吃驚の顔をやめて、
    壊れてしまいそうな苦しい表情に変わっていた。
    喜んで欲しかったのに、そんな顔をされたら悲しい。

    もらったばかりのお金をずい、と黒曜に差し出して
    もっとよく見えるようにしてあげたけど、
    赤い瞳が涙でゆらゆらして、そんな顔をさせたかったわけじゃないのに……と
    余計に悲しくなってしまった。

    「……リンドウはステージのことだけ考えてろ」

    僕だって、黒曜と一緒にお店を守れるのに。
    僕の体でできることならなんだってしたいのに。
    太く逞しい腕に抱き締められたら、
    何もできやしない。
    両手に置いた1万2402円。
    抱き締められた勢いで、小銭は溢れて
    デスクの下に転がっていった。

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    drasticparadigm

    DONE満ボ収穫祭にて公開させていただいたお話です。
    モブの「僕」とたくさんのねこりんぼちゃんたちがわちゃわちゃするお話を書きたかったのですが、わちゃわちゃ感皆無の「僕」×1臨ちゃんになってしまいました……。
    また、1臨ちゃんも猫になったり人間の姿になったりと忙しないですが、それでもよろしければご覧ください!
    僕とふしぎな猫のはなし あるところに、一人の若者がおりました。
     若者は家族と共に幸せに過ごしておりましたが、両親も、兄弟も、皆若くしてこの世を去ってしまうと、彼は古めかしい家で一人きり、寂しく日々を送ることとなったのです。
     ところがある時、彼の前に一匹のお客様が現れます。
     これより語られるは、そんな至極奇妙で不可思議な、出逢いの物語。
     果たして若者が幸せを掴むことができたのか否か、どうか貴方の目で確かめてくださいますよう──。



     寂しくないと言えば、嘘になる。僕は家族と一緒に過ごしたこの家が大好きで、すっかり古くなってしまった今でもここを離れる気はないけれど、それでも寂しさを覚える日は多い。僕を一人残して旅立ってしまった家族たちの部屋は今も当時のままになっていて、僕もその頃の思い出を失うことのないよう、時折彼らの部屋を訪れては懐かしい気持ちに浸った後、必ずと言っていいほど僕の心は寂しさで塗り潰されるのだった。
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