愛はここから、 昔は王と下僕で、今は恋人同士。それが今の黒川イザナと鶴蝶の2人の関係である。
二人が恋人同士と相成るまでそれはもうとんでもない紆余曲折があったのだが、こうして何とかお互い無事に恋人という、特別であり対等な関係を結ぶことが出来た。
イザナはそれ自体に不満等がある訳では無い。何せ自分で彼にオレにはオマエしかいないからと言った手前、その感情をもう隠そうなどと思わなかったし、どうせこれからもずっと二人で一緒に居るのだと考えていたので、紆余曲折の果ての鶴蝶からの愛の告白を即答で受け入れた。
そこまではいいのだ、そこまでは。問題点は別にある。
それは、鶴蝶が常日頃自分に向ける愛情表現、それにどうやって対応していいのかが分からないという点だった。
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