カクイザプチで出したい話胸に腹に銃撃を喰らって膝をついて倒れる筈だった、あの時の何倍もの傷を負わされてこのまま死ねると思っていた。
それでいい、寧ろ遅いくらいの幕下りだ、漸くイザナの元に行けると。
それでもイザナに救われた命を無意味に終わらせたくないという、気力だけでもう身体が動いていた。
「あぁああぁ!!」
仕留めたと油断していた連中の顔面に拳を叩き込み、続け様に腹へ蹴りを、仕上げにアスファルトに叩きつければ頭から流れでる血が滲みを作る。
胸ぐらを掴んで何度も拳を振り上げて、それでも倒れないならばと首をへし折った。
今際の際に奴らが見ていたのは血に飢えた化物のようになった自分の姿だろう。
恐らく息のあるものが自分だけになった頃に懐から片方だけのイザナのピアスがこぼれ落ちた。
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