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    killer×BB

    風邪の日雨が降っていた
    ザーッと雨の音が響き渡りその音で目が覚めた
    いつものように寝間着から私服に着替えリビングに向かいカレンダーを見ながら今日の予定を確認する
    といってもあまり出回らないから予定も特にはないんだが
    そういえば今日はkeithが遊びに来ると言っていたが大体の時間を聞いてなかった
    おそらくは昼辺りに来るとは思うが


    (killerは…まだ寝てるみたいだし寝かせておくか)


    そんな考えをしながら朝食を作り始める
    しばらくすると足音が聞こえた
    killerが起きてきた音だ


    (…にしては起きてくるのが遅いな…?)

    「…はよ…」

    「おはようってすごい声ガラガラだな?水飲む……!!お前もしかして…!」


    慌てて火を止めkillerの額に手をやる
    焼けるように熱い
    killerは気持ちいいのかゆっくり目を閉じていた
    足元もフラフラしていて危ない


    「熱があるな…とりあえずkillerソファに座って水飲んで。あ、飯…は、軽いやつにするか、食欲あるか?」


    killerは軽く首を横に振った
    一旦休ませるために腕を肩に回しkillerをソファに座らせる
    上から毛布を掛け水を取り出すために冷蔵庫を開ける
    コップに水を入れ机の上に置き飲むように言い聞かした
    その間に薬棚を調べて薬を探す


    「えっと、風邪薬は…お、あったあった」


    昔風邪を引いたときに使っていたのがまだ残っていてよかった
    そう思っていると後ろからkillerの手が伸びて来て後ろから抱き着かれた


    「あ、おいkiller。座っていないと駄目だろ?熱も高いっぽいし…立ってるのキツイだろ?」

    「…正直、しんどい」

    「そりゃそうだ。あ、あと体温計も…どこおいたかな…」


    動こうとすると抱きしめられている腕が少しだけ強まる
    ちらっと後ろを見るとkillerは背中にピッタリとくっついて離れようとしない
    いつもなら無理やり引き剥がして動くけど流石に熱で弱ってるやつにそうするのもどうかと思う


    「な、killer。どこにも行かないからちょっとだけ腕外してくれないか?」

    「………」

    「移動するだけだから、な?」


    そう言うとゆっくり離してくれた
    そのうちに摘める物と風邪薬を机に置いてソファに座る


    「ほら、killerこっち来い」

    「……ん」

    「俺の膝使っていいから、ちょっと寝ろ」


    そう言いながらポンポンっと優しく背中を叩いてやるとすっと眠りに入っていった
    それを見てソファにかけてあった毛布をkillerに掛け直し、スマホを手に取り電話をかける
    もちろん相手はkeithだ


    「あぁ、keith?…うん、俺、おはよう。なぁ悪いんだが俺の家に来る前にちょっと体温計買ってきてくれないか?今あるやつちょっと反応悪くて…え?いやいや、俺が風邪引いたんじゃなくてkillerがちょっと…な」


    向こうからあからさまに嫌そうな声がし苦笑いしてしまった


    「俺も手が離せなくて…うん、ありがとう。じゃあよろしく頼むな。彼女ちゃんにもよろしく言っといてくれ。あぁ、また後で」


    通話を切りテレビのリモコンを手に取り電源をつける
    すぐさま音量を最低限小さくして見る
    ニュース番組以外で何かしてないかとチャンネルを変えてみるが特に興味をそそられるものもなく
    テレビの動画サイトからヒーリングミュージックを探す
    外からの雨の音もいいがゆったりした音楽もたまにはいいだろう


    (まぁ、普段ラップバトルしかしないしな)


    俺は基本どんなジャンルの音楽も聞くけどkillerはどちらかというとおれたちとラップバトルするまではずっと普通の音楽しか聞いてこなかったらしい
    まぁラップ自体が好きか嫌いがはっきり別れるジャンルだろうし
    ラップでなくても歌い合う事はできる
    そんなことをぼーっと考えていたら家のチャイムが鳴った
    スマホを開けてkeithにメッセージを送る
    しばらくしたら不機嫌な顔をしながらズカズカとkeithが入ってきた
    その顔に苦笑いしながら声をかける


    「はは、おはようkeith、随分と不機嫌だな?」

    「せっかく兄ちゃんと出かけれると思ったのにどっかのクソ堕天使のせいで予定狂ったんだもん。今日GFも家族と出かけてるからいないし」


    そう言いながら反対側に座り俺にポスっともたれかかってきた
    そんな可愛い弟を見ながら優しく頭を撫でてやると少しばかり嬉しそうにしていた
    すると「あ」っと声を上げるとビニール袋から色々と取り出してくれた


    「これ、頼まれてた体温計。それとスポドリにゼリーとか…とりあえず軽めに食べれそうなやつ、それと兄ちゃんどうせ動けてないだろうからサンドウィッチとか色々持ってきた」

    「…!ありがとうkeith助かったよ!実は朝も作りかけでできてなかったんだ」

    「…道理で微妙にご飯の匂いがするわけだ」


    作りかけをそのままにしているからきっともう使い物にはならないだろう
    仕方ないが捨てるか別の何かと合わせるしかない
    keithから渡されたサンドウィッチの入れ物を開けてつまみ出す
    それを見てからkeithも自身が持ってきていたパンを頬張りだした


    「…食べてなかったのか?」

    「ん。どうするか迷ってたときに電話来たからせっかくなら朝も一緒に食べようかなって。あ、昼はそいつ叩き起こしてね。俺兄ちゃんのご飯食べたい」

    「一応病人なんだけど…まぁ薬飲ませるなら腹に何か入れなきゃだから起こすけどさ」


    病人のkillerに対してあまりにも無慈悲なkeithに苦笑いしてしまった
    体温計を取りこっそりとkillerの脇に挟ませる
    すぐにピピっと音がなり体温を見てみる

    「39℃近く…だいぶ高熱だな」

    「…隔離しなくていいの?」

    「そうしたいんだけどこいつ離れなくってさ…普段なら引き剥がすけど病人にそうするのもどうかと思って…。まぁ…恋人だからってのもあるけど…さ」


    ちらっとkeithの方を見ると明らかに嫌そうな顔をしていて思わず吹き出してしまった


    「はは!お前なんて顔してるんだ!すごい顔してるぞ?」

    「いやするでしょ。むしろ兄ちゃんもよくそんなやつ好きになれたよね…」

    「まぁあの後に色々あったからな…」


    まぁ実際色々あった
    killerはあの後自分を見直すために色々と見て回っていたらしい
    また天国に戻れることを思いながら
    だがそれもこいつの元の仲間によって無茶苦茶にされてしまったらしいが
    久しぶりに見かけたkillerはズタズタの状態で倒れていた
    それを見つけて慌てて家まで担いで帰ったのを今でもよく覚えている


    (そういえばあのときも確か傷口から菌が入って熱出してたんだっけか…)


    病院に行って見せるわけにもいかず仕方なく自室で看病したのを思い出す
    あの時もかなりの高熱を出してダウンしていた
    そんな昔を思い出しながらkillerの肩を優しく叩く
    そうするとこいつも少しは緩やかな表情になる
    それと同時に不貞腐れているkeithの頭をくしゃくしゃっと撫でてやると少し嬉しそうにする
    うん。家族の、弟の嬉しそうな顔を見るのはやっぱり嬉しい
    keithと話しているとテレビから昼を告げる音が鳴った


    「おっと、もう昼か。そろそろkillerも起こすかな…keithも手伝ってくれ。準備するから」

    「ん。わかった」

    「おい、killer起きろ。少しでも腹に何か入れて薬飲まないと…」

    「ん…んぅ?」


    ゆっくりと起き上がるkillerを支えながら身体を起こしてやる
    keithに頼んでkillerの服と下着一式を持ってきてもらい着替えてもらった
    着替えの途中にタオルで汗を拭いて身体を冷やさないようにする
    軽くマッサージをしてやると気持ちよさそうにしていた


    「さてっと…killerはスープにして…keith!パスタでいいか?」

    「兄ちゃんが作るものならなんでも!」

    「ok。じゃあミートパスタにでもするか」


    早速準備に取り掛かり下処理をする
    スープの野菜類は少し柔らかめにして食べやすいように
    その隣でパスタを茹でながらタイマーを合わす
    長い時間一人で自炊生活をしていたら身につくものというが慣れるにはだいぶ時間がかかった
    外を見ると雨は少しではあるが弱くなっていた
    空も朝よりは明るかった


    (夕方くらいには止みそうだな)


    そう考えているとリビングからkeithの声が響いた


    「あ!おい!大人しくしとけって兄ちゃんに言われただろう!!」

    「ん?どうしたkeith」


    ちらっと覗くとkillerがこちらにきてそのまま倒れ込むように抱き着いてきた
    余程弱っているらしい
    だが流石に今手を止めるわけにもいかない


    「killer、飯作ってるからソファに戻ってくれないか?」


    そういってもグリグリと胸元に頭を押し付け横に振る


    「killer」


    名前を呼び髪と鼻にキスをする


    「薬飲むためにも腹に何か入れないといけないから、な?だからもうちょっと待ってくれ。あと数分もあればできるから」

    「…ん」


    そういってkillerを椅子に座らせた
    それを見てからまたキッチンに戻り鍋の火を止める


    「スープはこれで大丈夫かな…あとは」


    パスタにソースを絡めて二人分を用意する
    うん中々いい出来だ


    「keith!できたから運ぶの手伝ってくれ」

    「はーい!」


    テーブルに飲み物と先程のパスタを置く
    killerの前にはスープを置いて自分も食べる用意をする


    『いただきます』


    keithは早速食いついていた
    表情を見る限り上手くできたみたいだ
    ちらっとkillerを見るとkillerはやはり口につけていない
    高熱のせいでやはり食欲がないらしい
    一度フォークを置きスプーンを持ちkillerの口元に持っていく


    「ほら、killer。一口だけでいいから」


    そう言うと渋々だったが口に含んでくれた
    少しだけホッとしkillerの頭を優しく撫でてやる


    「ん、ありがとうな。もう大丈夫だ」


    立ち上がり薬と水を持ってきてkillerに渡す
    薬を飲むのを確認してからパスタを口に放り込んだ


    「…新婚みたい」


    なんてkeithが言うから危うく飲みかけていた水を吹き出すところだった


    「は!?ゲッホゲホ、おま!keithなんて!?」

    「なんか新婚さんみたいだな〜って。兄ちゃん本当にそいつ好きなんだなーって」

    「まぁ、嫌いだったら一緒に暮らさないしな…」


    そんな事を言いながら昼飯を腹に流し込んだ


    昼が過ぎて少ししてからkeithは帰っていった
    ようやく少しだけ開放され今のうちにやれることをすべてやってリビングに戻る
    ソファではまたkillerがぐっすりと眠りに入っていた
    ホッとし、またkillerの着替えと汗拭き用のタオルを用意する
    頭の隅っこでは夜の献立を考えながら家事をさっさと済ます
    ようやく一段落し自室のベットを整え、こちら側にも薬やドリンクの用意をしているとパタパタと音が聞こえた
    ガチャっとドアが開き振り返るとポロポロと涙を流していたkillerが目に入った


    「killer?どうし…」


    killerは勢い良く抱き着いてきた
    背中を優しくなでるとポツポツと言葉を零し始めた


    「…………た」

    「ん?」

    「隣に、いてくれるって、いった」

    「あー…悪かったよ。ほら、とりあえず今やれること終わったから」


    ベットに座りkillerを横に寝転ばせる
    部屋にあった少しだけ古い体温計を取り出してkillerに測らせる
    音がなり体温を見る


    (昼間よりは下がってるけどまだ高いな…)


    険しい顔になっていたのかkillerから袖を引っ張られる
    killerの瞼に手を軽く乗せ寝るように促す
    しばらくするとまた寝息が聞こえてきた
    それを合図に瞼から手を退かして立ち上がる
    そっと寝室の窓を開けると雨はすっかり止んでいた
    雲の隙間からきれいな夕日の光が差し込んでいた


    (…killerの色だ)


    力強く、それでいて真っ直ぐだが不器用な優しさ
    そんな色
    今日のkillerは久しぶりに子供っぽい1面も見れて少し楽しかった
    まだ数時間残っているが可愛らしいところも見れて大満足だ


    「…まだちょっと寒いな」


    外の冷たい風を受けながら部屋に戻った
    まだkillerはベットでぐっすりと眠っていた
    暖房がちょうどよい温度で俺もウトウトしてきた
    そのまま椅子にもたれかかり目を閉じた


    次に目を覚ましたときには既にあたりが真っ暗になっていた
    部屋の電気はついてなく外からのネオンだけが差し込んでいた
    電気をつける前にベットを見る
    killerはまだ眠っていた
    だが隣においてあったゼリーとドリンクが減っている事から多分俺が寝ている間に飲み食いしたらしい
    昼間や朝に食欲がないと言っていたがなんとか食べてくれたらしい
    ついでに薬の箱もおいてあった
    中身を確認すると昼の分から減っているからやはり薬も飲んだのだ


    「よかった…」

    「何が良かったんだ」


    まさか寝ていると思っていたから急に声がして驚いた
    killerがゆっくりと起き上がる


    「身体全身ガチガチだ…」

    「まぁ1日眠りこけてたからな。解してやろうか?」

    「頼む…」


    上着を脱がして直で肌に触れる
    肩がガッチガチに固まっていたのがよくわかる
    グリグリっと刺激してやると「いてて」っと声を出した
    不意に羽にそっと触れる
    堕天する前はきっと綺麗な羽だったんだろう
    もう二度と見ることはないのだろうか
    もう片方は黒く焼け焦げ羽の骨部分が丸見えだった


    「……別に今更後悔してないさ」


    killerが小さく呟く
    その言葉にはっとし慌てて身体の汗を拭き取った
    一息つくと手を捕まれkillerの心臓に触れさせられた
    ドクドクっと心臓が動いている


    (生きてる…)


    目を閉じてその音に聞き入る
    一定のリズムにあわせて聞こえるkillerの心音に安心する
    どっと疲れが取れていった
    それと同時に自分がどれだけ気を張っていたのかがわかった


    「悪い。気を使わせたよな。また熱出すなんて思わなくて」

    「いや…大丈夫だ。それに、久しぶりにお前の可愛い一面見れて満足だしな」


    そう言うととんとんっと叩かれ顔を見る
    ふっと優しい顔をしていた
    気づいたときには自身の唇とkillerの唇が重なっていた


    「………んっ…」


    少しだけと思っていたらkillerからそのまま抱き寄せられベットに倒れ込む
    気が付けばいつの間にか押し倒されるような形になっていた
    慌ててkillerの身体を押し返した


    「なっ!おい!熱あるから駄目だろ…!」

    「んー?でも汗をかいたほうが良いんだろ?」

    「それとこれとは別。ほら、はやく降りろ」

    「ヤダ」


    何度押し返そうとしてもびくともしない


    (こいつっ!)


    本人は気にせずにいろんな場所にキスをしてくる
    ずっと寝ていたからその反動なのか?
    髪に、顔に、首筋に
    至るところに短いバードキス
    それだけでは満足しないのがこいつなわけで
    諦めて好きにさせていたら首筋にちくっと痛みを何度か感じた
    その度にkillerは満足そうな顔をしていた


    「あんまり、つけ過ぎないでくれよ…首元まである服着るのあんまり好きじゃないんだ」

    「…善処はする」

    「って言って今まで直ったことあるか?」

    「素直に諦めてくれ」

    「いや、お前が辞めてくれたら解決だろ」

    「じゃあ無理だな」

    「おい」


    黙れと言わんばかりに口を塞いできた
    それで許してしまうから結局は俺も同じなんだろうな
    腹部にkillerの指が触れ服を脱がされると思ったがそのままkillerは倒れ込んできた


    「あー…やっぱり駄目だ、身体重い…」

    「そりゃな…って服着ろ!絶対悪化させるやつだろ!」


    慌てて起き上がりkillerの着替えを手に取り本人に渡す
    なにかブツブツ言いながら着替えたのは無視する


    「そいや、お前飯食べたのか?」

    「あー…いや、でもいいや。なんかそんな気分じゃないし。それに…」


    軽くkillerにもたれかかる
    それを見たkillerが俺を抱き寄せそのままベットに横になる


    「どうせ、俺がいなきゃ寝ないだろ?だったら俺もこのまま寝るさ」

    「…ありがとう」

    「いいって。さ、ちょっと早いけどもう寝よう」

    「…おやすみ」

    「あぁ、おやすみ」


    killerが目を閉じるのを見て俺も眠りに入った
    明日には治ってるといいな


    次の日に鏡見た俺がキスマークをつけ過ぎだと怒ったり
    昼間から盛ろうとしたkillerに容赦なく殴ったり
    その夜に結局絆されて身体を重ねたりしたのはまた別の話












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