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    #ThekillerxBB

    killer×BB「やべ、降ってきちまった」


    雨が降るまでに仕事を終わらせたかったが警察への手続きに時間がかかってしまい結局雨が降ってきてしまった
    まだ降ってないから走れば大丈夫という考えも簡単に打破されてしまった
    慌てて走っているとどこからか猫の鳴き声が聞こえた
    走った道を引き返すとダンボールの中から声が聞こえてきた
    少し覗き込むと子猫がダンボールの中で避難していたのだ


    「……捨て猫…か?とりあえず連れて帰るか」


    そっとダンボールごと持ち運び家に戻る
    中でカリカリとひっかく音が聞こえるあたり一応元気らしい
    放っておいたらいけない気がした
    家に帰り風呂場まで連れていき体を洗う準備をする
    最近捨てられた様だがもし家の猫にダニノミがついてしまっては大変だし何より温かい(温めだが)お湯で洗ってあげないと風邪を引かせてしまう
    きちんと洗って乾かしてあげるのが一番だ


    「お前のためだから許してくれよ〜?」

    「…にゃ?」


    子猫と言っても少し大きめだから産まれて間もないというわけでもない
    体を軽く濡らしてから泡立てたシャンプーを体に擦りつけていく
    抵抗するかと思ったが意外とおとなしかった
    泡が立ってきたらシャワーで洗い流しドライタオルで水分を拭き取る
    ドライヤーもやるかと思ったがあまりにもシャーシャー言いまくるから辞めた
    後は自然乾燥でいいだろう
    片付けをしてから俺も軽くシャワーを浴びてバスルームから出た

    身体を洗われた猫は丁寧に毛づくろいをしていた
    それを観察しながらある事に気付いた
    よく見るとこの猫の目があの堕天使ことArmarosにそっくりなのだ
    片目は赤でもう片目が朱色
    まさかの十字の印が片目と片耳に入っている
    背中辺りには片翼の模様があった


    (まさかな?)


    Armarosは今仕事で何日か家を開けている
    そんなあいつが猫になって帰ってくるなんて馬鹿げたことするはずがないし(そもそも猫になれるなんて聞いたことないし)


    「…それは置いておいて、寝るか」


    流石に雨と仕事疲れで眠気が襲ってきたいたからベットルームに入りベットで横になる
    毛布を被るとすぐに眠りに入った


    朝になると妙に腹のあたりが温かく起きてみると昨日拾ったArmarosそっくりな猫が寝ていたのだ
    人懐っこそうには見えなかったが自身で良いと判断したら構ってくるのだろうか
    とりあえず今日は病院に連れて行くつもりだからこれはありがたい


    「…頑張ろうな」


    頭をなでると少しだけ目が開いたがまた閉じて寝始めた
    Armarosと違って呑気なやつだ


    「あ、名前決めてないな…」


    結局考えた結果
    Armarosに似てるから上の部分をとって"Ar"(アル)にした
    そっと抱えてみたがそれでも起きない
    その隙にペットキャリーに入れて病院に行く準備をする
    とりあえずバックに財布とスマホを入れ、ペットキャリーを持って家を飛び出した






    「…とんだ災難だったな…ハハ……」


    家に帰りキャリーから開放するとすぐに飛び出しソファの下に隠れた
    覗くと明らかに毛が逆立っているから多分怒ってる
    そりゃ起きたら知らない場所だし急に注射や毛を少し抜かれたりしたら誰だって嫌がるし怒るだろうけど
    そのせいで俺だけでなく獣医さんの手まで焼かせるとは
    おかげでどっと疲れた
    しかも爪を切るのを忘れていたから引っ掻かれた際に俺の顔に引っ掻き傷ができてしまった
    それを見た獣医さんに手当はしてもらったが


    「なぁ、悪かったってアル。包帯取ってやるから出てこいよ」


    するとシャーっと威嚇する声が聞こえてたから素直に諦めた
    こうなったら気が済むまでそっとしておくのが一番だ
    とりあえずは飯だけ置いて食べるかの確認だけをすればいい
    別の入れ物に子猫用のフードを側に置き俺も朝食の準備をする
    仕上げができた頃にトースターからチーンっと音がなりパンが焼けたことを教えてくれた
    タイミングバッチリだ


    「いただきます」


    パンに噛りつく
    うん今日も上手く焼けたな
    段々タイミングがわかってきたからあとはひたすら繰り返すだけだろう
    食べながら外を見る
    自分で作る飯は確かに美味い
    だけど、少しだけ
    寂しい


    「killer、いつ帰ってくんのかな……」


    ポツリと言葉が零れた




    後片付けをして部屋を掃除していたらいつの間にかアルがソファから出て家の猫と戯れていた
    どうやら機嫌は直ったらしい
    ご飯もしっかり食べていたから問題はないようだ


    (あとで猫増やしたの申請に行かないと…)


    確か多頭飼いは良かったが一応申請だけはやらなければいけなかったはず
    面倒くさいとも思うがこいつのためだ
    そう思っていたらチャイムがなった


    「?はーい」


    モニターを見るとkeithが立って出てくるのを待っていた
    ロックを解除して開けてやるとぱあっと顔を輝かせて入ってきた
    相変わらずわかりやすい


    「いらっしゃいkeith。どうしたんだ?」

    「たまたま近く通ったから来たんだ」


    それから部屋を見回してすぐに気付いたらしい


    「…?あの堕天使はいないんだ?」

    「仕事でしばらくな。いつ帰るかわからないらしくてさ」


    そう言うとkeithからジトーっとした目で見られた


    「な、なんだ?」

    「いや、わかりやすいな〜って。あーあ、あんな奴に兄貴だけは渡したくなかったのに」


    その意味がわかって顔に熱が集まる
    つまり顔でバレていたのだ
    あまりにも恥ずかしすぎる


    「あれ?猫増えた?」

    「あ、あぁ。拾ってきたんだ。killerにそっくりでさ」


    keithが観察してから触ろうとしたらシャーっと威嚇する声が聞こえた
    仕方なくアルを抱きかかえると大人しくなった
    さっきまでは俺にもシャーシャー威嚇していたくせに


    「兄貴に懐いてるじゃん」

    「今朝病院連れて行ったら引っかかれたけどな?こことか」

    「うわ、痛そう」


    そんなくだらない会話をして気が付いたらもう日も沈みかけていた


    「あ、もうこんな時間。帰らないと」

    「だな、母さん心配するだろうし。まっすぐ帰れよ?」

    「俺のこと何歳だと思ってんの?」

    「大学中退した19歳」

    「酷い!そうだけどさぁ!!」


    なんて馬鹿らしい会話を最後にしてからkeithは帰っていった
    するとアルが棚にある写真を眺めていた
    Armarosとの写真だ
    付き合い始めてから数日後に出先で撮ってもらったのだ


    「…隣のやつな、俺の大切な家族なんだ」


    アルを抱きかかえ写真を見ながらポツリポツリとつぶやく
    猫に言ってもわからないだろうに


    「最初はさ、喧嘩ばっかりでさ。でもちょっとずつあいつの心に触れていこうって決めてさ。あいつ結構ドジっていうか、幼いっていうか…」


    自分を知られるのを嫌がってたけど
    いつの間にか互いに惹かれて
    あいつの本当の心に、気持ちに触れて
    可愛いくらいに不器用で
    放っておけない
    平然な顔をしていても心のどこかで自分の大切なものが失われるのを怖がる


    (あいつだって生きてるんだ。当たり前だよな)


    人間だろうが、悪魔だろうが、天使だろうが関係ない
    そして何かを失う恐怖を覚えるのは当たり前
    生きているんだから
    それだけで十分


    「…こんな話しても、仕方ないな?さ!早く飯食って寝ようか!」


    ささっと夕食を済ませ風呂にも入りあとは寝るだけでベットに横になったが中々寝付けない
    どこか心がぽっかりと開いた気分だった
    時間を見たらいつの間にか夜中の2時を回っていた


    (…無理矢理にでも寝よう)


    目を静かに閉じて無理矢理眠りに入った
    けれど結局そんなに眠れなかった
    朝起きると明らかに酷い顔をしていた
    こんな顔をしていたらArmarosに笑われてしまう


    (killerに、笑われて……)


    笑いながら「なんて顔してるんだ」って
    それかちょっと訝しげに「何かあったか?」って
    そう、言ってくれる
    声が
    無い


    (いまは、がまん、しないと…)


    フラフラしながら部屋に戻ると毛布が膨らんでいた


    (あ、れ…?整えなかったっけ…?)


    ペラっとめくると思わず動きが止まった
    killerが全裸で寝ている
    いや、killerではないのだが
    耳に尻尾
    猫の耳と尻尾だ
    それをつけたやつが寝ている
    ドアは鍵が掛かっているからどろぼうなんて入ってこない
    ましてやベットルームで寝ていたのは俺を含め2匹の猫


    「……………what」


    何が起こったかまっっったく理解できないまま呆然としてしまった


    「……に、やぁ?」


    その声ではっと意識が戻ってきた
    にゃあという
    言葉は話せそうにない
    Armarosに似た姿


    「…アル??」

    「にゃ!」

    「oh…」


    間違いなくアルだ
    見た目はkillerに猫耳と尻尾が生えただけなのだが言葉が話せないとなると1人いや、1匹しかいない
    とりあえず人間での全裸はこっちも寒いからスポッと服を着せた
    その間にバタバタしていると猫用トイレを見つめていたから慌ててトイレに連れていき人間でのトイレの仕方を教えて出てくるまでにやる事をやる
    そこでふと思った


    (あれ、人間なら人間用のご飯食べていいのか??)


    いろんな事がぐるぐると周り軽く目眩がした
    その間にアルはトイレから出てきていた


    「にゃ、あ?」

    「あー…いや、大丈夫。てか、お前人間用のご飯食べていいの…?それともあれか?いやでも人間の舌で猫用の飯食べて美味いのか…??」


    うーんうーんと考えているとひっついてきて頬ずりをしてきた
    中身は猫のままらしい


    「わ!ふふ、わかったから。ちょっと食べてみるか?人間の飯」

    「にゃ!」

    「よーし。なら食べやすい物にするか!あと食べ終わったら言葉の練習しような」


    朝食をささっとしてしまいできるだけ冷ましてから食べさせた
    食器の使い方も1から教えてみたが案外飲み込みが早い
    もしかしたら言葉を覚えるのも早いかも?
    食べ終わったあとにソファに座りゆっくりと言葉の練習をした


    「あ、る」

    「そうそう。アル。ゆっくりで良いからな」

    「ある、あ、る、アル!」

    「んじゃ俺の名前もやってみるか」

    「ん!」


    尻尾がふりふりと動いていて可愛い
    相当嬉しいらしい
    因みに半日でほぼ言葉を覚えてしまい、あまりの飲み込みの良さに呆然としてしまった


    「…やっぱり猫って賢い生き物?」

    「?アル、かしこい?」

    「理解できるし喋れるし賢いよ、お前は」


    顎を撫でてやるとごろごろと喉をならした
    人間の姿でも喉鳴らせるんだな
    そこに関心してしまう


    (しばらくは賑やかそうだな)


    退屈しなくて済みそうだ
    そういえばアルの服を考えないといけない
    今はArmarosの服を着ているがArmarosが帰ってきたら流石に着る服がなくなってしまう
    だからと言って本人を外に出させるのもどうかと思う
    サイズだけ測って服を買いにいく事にした




    (流石に買いすぎたか…)


    Armarosやアルが着るのを想像しながら似合う物を買ったが次々にあれこれに目移りして買いすぎてしまった
    けれどこれだけあれば困ることはないだろう
    服屋からでて街を歩く
    すれ違う場所でカップルらしい人が何人かいた
    それを見て心臓が痛む
    Armarosが出てから結構な日数が経つ
    仕事だから仕方ないとわかっている
    だから今は我慢する時期なんだ
    それでも意外とクるものがあって


    「…帰ろう」


    すぐにその場を離れて家に帰った





    「ただいま」


    家に戻りリビングに買ってきた服をだしタグを切り外す
    多分サイズは大丈夫なはず


    「まいける、おかえり」

    「ん、ただいまアル」


    軽く頭をなでてやると嬉しそうに目を細める
    買ってきた服を手渡し着てもらう


    (うん、サイズも良さそうだし問題なさそうだな)


    少しだけホッとしソファに座る
    アルも隣に座る
    するとぎゅっと抱きしめてきた


    「あ…る?」

    「辛そうな顔、してたから」

    「……っ、ごめん、な…」


    我慢の限界だった
    気が緩んで涙が止まらなかった
    久しぶりに嗚咽混じりで泣いた気がした






























    「クソ、予定日程よりだいぶ過ぎちまった。あの野郎…」


    最初の予定ではかなり早く帰れる予定だったのに延ばしに延ばされ結局今日になってしまった
    なんなら更に延ばそうとしてきたからあまりの腹立たしさに銃を突き付けて帰ってきたのだ
    まぁだがこれでしばらくの間は依頼を受けないで済みそうだ
    というか次依頼されたら却下してやろうか
    延ばすにも程がある
    家のドアを開けると静かだった
    まぁ当たり前なんだが
    こんな夜中に帰ってくるなんて思いもしないだろうし
    ベットルームに向かいドアを開ける
    だが


    「…?BBはまだ寝てないのか?」


    それとベットの上に猫が増えているのがわかった
    そっと近づいて見ると耳に十字架の模様が入っていた
    背中には羽の模様
    少しだけ自分に似ている気がした


    (ま、いいか。それよりBBだ)


    コートを脱ぎながらリビングに向かう
    静かにドアを開けるとソファにもたれ掛かってMichaelが眠っていた
    顔を覗き込むとあまりにも酷い顔をしていた


    「…ごめんな」


    コートをMichaelにかけて起こさないようにゆっくり抱きしめる
    よく見ると目元が隈と腫れで酷い
    眠れなかっただけならいいがこれは眠れなかった以外にもあるだろう
    まぁ原因はわかる


    (あの依頼主、報酬貰ってからやっぱり殺るか?)


    断ればいい話だがMichaelの顔をみてあの依頼主に殺意が湧いてきた
    だが無意味な殺しはもうしないと約束したのだからすぐに考えを辞めた
    Michaelの背中を優しく叩きながらゆっくりとソファに寝転ぶ
    かけてあった薄めの毛布を自分とMichaelにかけ抱ききしめ直してから眠りについた



    次に目を覚ますと陽が登りきっていた
    だがMichaelはまだ起きていない
    隈が酷いからまだしばらくは起きないだろう
    ふと後ろを向くと2匹の猫がキャットタワーに登り昼寝をしていた
    俺に似た猫がちらっとこちらを見たがまたすぐに眠りに戻った
    そういえば昨日帰ってすぐにMichaelを抱きしめて眠ったからシャワーを浴びていない


    (けど、今こいつをほっとけないし)


    寂しい思いをさせたんだ
    だったらこいつの心を埋めてあげないといけない
    それが俺の今やるべきことなんだ
    背中をポンポンっと叩きながら自分もうとうとしていると「う…うぅん…」っとゆっくりとMichaelの目が開いてきた


    「おはよう、BB。よく眠れたか?」

    「……あ、れ…アル…?じゃ、ない…」

    「アルってのはあの猫か?俺は猫じゃねーぞ」

    「…killer?」

    「うん。ただいま」

    「き、らー…?っkiller、killer…!」

    「ごめんな、遅くなって。本当にごめん。寂しかったよな」


    Michaelを力強く抱きしめる
    すると向こうもぎゅっと抱きついてくれた
    やっぱり寂しい思いをしていたんだ
    お互い抱きしめたまま数分が立ち少し緩めてキスをする
    寂しさを埋めるようにひたすらに貪る
    求めていた温かさを感じる様に
    軽いキスからディープな物に
    離れる頃には互いの舌から銀の糸が繋がっていた


    「killer…」

    「なぁ、名前でよんでくれ…Michael」

    「…Armaros……」

    「Michael、俺のMichael…」

    「俺の、Armaros…」


    またぎゅっと抱きしめる
    しばらくしたらまたMichaelは眠ってしまった
    なんとか目元の隈や腫れが引いてくれたらいいが
    ふと人の気配を感じ振り向くともう1人俺が立っていた
    尻尾と耳が生えて
    服も着ていた
    すると俺を無視してMichaelの頭を撫でながらこういったのだ


    「良かったね。Michael。かぞく、帰ってきたよ」

    「…お前は…」

    「ここが、俺の新しい家。Michael、許してくれた」


    微妙な言葉遣いだが間違いなくさっきの猫だ
    やはり俺が仕事の間にMichaelが拾ってきて新しい家族としてこの猫、アルを迎えたらしい
    まぁこの家の主はMichaelだから俺がどうこういう権利はない


    「とりあえず俺シャワー浴びたいからちょっとBB見といてやってくれ」

    「わかった」

    「あ、手出したら許さないからな」

    「ださない」

    「よし」


    バスルームで軽くシャワーを浴びて下だけ履きながらリビングに戻る
    リビングに戻るとMichaelはまだ眠っていた
    その隣にちょこんとお利口にアルが座っていた
    確かに手は出すなとはいったがなにもそこまでお利口にならなくても…


    「おかえり」

    「……ん」


    Michaelの隣に座るとアルが退こうとしたから止めた


    「せっかくならいろよ。そのほうがこいつも嬉しいと思うし」


    驚いた顔をしていたがまたソファに座り直し今度はMichaelにもたれ掛かっていた
    たまに甘えた仕草をするがきっと愛情表現なんだろう
    俺とは全く違う
    愛情表現な下手な俺からしたら羨ましい限りだ


    (そもそもこいつと付き合う以前に愛情貰った記憶ないし)


    気が付けば一族のためだとか、良い天使になれるとか、そんなことばかりだった気がする
    それで褒められた覚えは少なくとも記憶に存在しない
    Michaelと付き合い始めてからは貰ってばかりだ
    幸せも、愛情も、愛おしさも
    全て
    初めてのキスも、添い寝も
    未だに忘れられないのはやはり初夜だが
    あんなに乱れたMichaelを見て高鳴りが止まらなかった
    もっと、もっと深いところまで…
    すべてがつながるあの感覚
    あれは忘れることはないだろうな


    「ん、んぅ…」

    「…?起きたか?」

    「……あ、る…まろす……?」

    「おはよ、よく眠れたか?」


    そっと額にキスをする
    安心しきった顔をしていて少し胸をなでおろす
    するとMichaelが立ち上がろうとするから慌てて止めた


    「顔色悪いから座ってろ」

    「昼作らないと」

    「俺がやるから」

    「だけど」

    「うるさい、黙らないとその口塞ぐぞ」


    それでも動こうとするMichaelをアルに「捕まえてろ」と頼みキッチンで軽く昼飯を作る
    Michaelは動くのを諦めてアルを撫でて構っていた
    まるで甘やかす親とそれに甘える子だ
    それを見ていると可愛らしいと同時に少し羨ましいという感情が入り交じる
    胸がモヤモヤする


    「…駄目だな…」

    「?何か言ったか?」

    「いや、飯できたから食べよう」

    「わかった」


    料理を並べてMichaelの前に座る
    アルはソファで横になり眠っている
    猫だから朝と夜だけでいいらしい
    久しぶりに自分で作った飯は美味かった
    仕事先では昼は外で済ませていたからきっちりとした物を食べるのは身体にも良いことだ
    Michaelの隈や腫れが引くまでは俺が作ろうと決めた
    昼を食べ終えMichaelを連れてベットルームに移動する
    ベットの上に座りMichaelを抱き寄せて軽く背中を叩く
    抱きしめられている本人は目を閉じてうとうとしている
    自分の体温が上がっているのと安心した環境で心が落ち着いているのだろう


    「…寝ていいんだぞ?今まで眠れてなかっただろ?無理するなよ」

    「…な、killer、ちょっと、いいか…?」

    「ん?どうした?」

    「その、できるなら…ぎゅって、もうちょっと、強く、抱きしめて…」


    言われた通りに少しだけ力を入れて抱きしめる
    身体が密着して温かい体温が直で感じる
    そのままベットに横になり薄い毛布をかけてやる


    「…な……きらー…」

    「…どうした?」

    「よるに、いっぱい、さわって…ほし…い……」

    「……っえ」


    そう言うだけ言ってMichaelは眠りに入った
    夜に触れてほしい
    つまりはそういう事でいいんだよな?
    正直俺もどうしても繋がりたかったから嬉しいお誘いではあるのだが


    「…優しくしないとな」

    (今日はペース考えないと)


    そんなことを頭の片隅でぼんやりと考えながら俺も眠りに入るために目を瞑る
    それを見つめていた2匹の猫もベットの上にのり
    二人と2匹が幸せな時間を過ごした







    数日後に俺がMichaelそっくりな猫を拾って連れ帰ったのは別の話



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