アイス(🍭🌻ver.)「あっちぃなぁ…」
棒付きキャンディとアイスを買いに出かけていたが帰る距離を考えると1歩もコンビニから出たくない。そう考えてしまう日下部だった。そうもいかないので仕方なくコンビニから出るとそこは灼熱の世界。
袋の中からアイスを取り出し、封を切り歯を当てる。片手で食べられるこのアイスは地方出張の時に偶然見かけた溶けにくい。最近では大手コンビニでも見かけるようになり、これなら家まで溶けずに済むと重宝するようになった。1口食べた時スマホが着信を告げる。画面を見ると日車の文字。
ー今任務終わったんだが良ければ飯に行きませんかー
着信だと任務中でもしものことがある。メールやメッセージなら後でも見れる。アイスの袋を咥えながら返信をする。
ーおぅお疲れ。大丈夫だ、今どこにいる?ー
ー日下部さんの家の近くですー
ーそうか、俺も今帰宅途中だー
どこで落ち合おうか?ポチポチと打ち込んでいると「日車」の表示になり着信に変わる。
「おっと…あぁ…お疲れ。今か?そうだな…」
待ち合わせかどこがいいだろう。候補を脳内にあげていく。
「「いた」」
スマホ越しの声ともう一つは後ろからの声。振り向くとスマホを仕舞おうとしている日車の姿があった。自分もスマホを仕舞いながら近寄っていく。
「随分と近くにいたんだな、お疲れさん」
「お疲れ。そうだな…ここで降ろしてもらったからな」
「そうなのか…わざわざ…おい、汗かいてるじゃないか。水分補給はどうした?」
「あー…さっき飲みきったな」
「そうだちょうどいい。あと半分あるからこれやる。美味いぞアイス」
「こんな暑い場所でのんびりアイス食べて大丈夫なのか…溶けるぞ」
「それがな、これは溶けにくいんだよ」
へぇと言いながら袋ごと貰い、一口食べる日車。口の中にバニラと甘さが拡がっていった。驚いて手の中のパッケージを見る。「美味いな」と呟くともう一口、ふた口とあっという間に口の中へ…
「…美味かった…これは…ハマりそうだ」
「そうだろう?普通のアイスは溶けてしまうがこれは溶けにくいから、あっちのコンビニから俺の家までは保つからよく買うんだ」
「へぇ…」
「おい、これゴミ袋だから入れろ?」
「ご馳走様でした」
「俺が作ったんじゃないんだがな…」
そう言いながら歩き出す。
ーさて今日は何を一緒に食べようかー
二人のメニューはまだ決まってない。
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「所で日車、仕事終わりにいちいち伺いたてるのもなんだから、ルームシェアぐらいするか?」