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    葛城丹都

    HQ北侑、WTとりヒュ、PRST鴨田
    pixiv:https://www.pixiv.net/users/7046909
    新刊頒布情報:https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19214525

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    葛城丹都

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    北侑本のカットしちゃったところ②
    「死るときに〜」の喧嘩したあとの侑と角名。
    うちの角名はこういう感じだなーってのがわかりやすい気がする。

    #北侑
    northUrge

    放課後の練習を終えた侑は、体育館外の水道で立ち尽くしていた。
    『何でバレー続けてるほうが「成功者」みたいな認識なん?』
    「八十歳なった時、俺より幸せやったって自信持って言えたんなら、そん時もっかい俺をバカにせえや」
     言い合った言葉を反芻して、顔に思いっきり水をかける。二月の水道水はひどく冷たくて顔が凍りそうだったけれど、侑はしばらくぽたぽたと水を滴らせたまま考えていた。
     ふと隣に誰か来た気配がする。そいつは五のことなんか気にかけず水を飲んで顔を軽く洗い、立ち去ろうとする。
    「おい、なんか言えや!」
    「えっ、やだよ面倒くさい」
     答えたのは角名だった。その表情の薄い顔面を睨んでいると、
    「先に顔拭きなよ」
     ともっともなことを言われ、顔に慎重にタオルを当てがった。
    「今日の生喧嘩俺もちょっと見てみたかったかも」
    「……今日のは治が悪い」
    「話聞く限り先に手出したの侑らしいけど」
    「あいつがいきなり変なこと言うからや」
    「出た、屁理屈」
     タオルで手を拭きながら、角名は苦笑する。
    「侑、バレー辞めるって選択肢がハナから頭になさそうだしね」
    「……お前はあるんか」
    「あるよ」
     角名は当たり前のように言う。侑は思わずかっと角名を睨んだが、
    「ちょっと、俺は殴んないでよ」
     と言われ、目線を反らした。
    「選択肢あるけどやってるし、当分辞めるつもりはないから、それでいいじゃん」
     侑はなんとなく釈然としない気持ちで話を聞いていた。
    「じゃあ、お前はなんで辞めんの?」
    「他に、バレー以上に好きなことも、やりたいこともないから」
     角名はけろりと言う。角名のこの熱さのない言葉を、侑はときどきうまくつかめない。
    「お前、バレーなかったら碌な人間にならなさそうやな」
    「バレーやってなくても、それなりに人生やってけるほうだとは思うけど」
     風がひゅう、と吹いて、汗ばんだ身体を凍えさせようとする。
    「無駄話やめて帰ろうよ」
    「先に話始めたん角名やろ」
    「また屁理屈」
     そう言い合いながら、二人は部室へと向かった。
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