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    sssawara

    @sssawara

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    お題:渋滞

    (感情が)

     とす、と体重がかかってきたのがわかって心臓が爆発した。もう何度目かの爆発だ。とっくに四散している気がしているのだが、幸い杉元は呼吸出来ているのでまだ生きている。いや、状況としては、一秒後には死んでいるかもしれない。
     昨日、尾形とはじめてキスをした。あれだけいけ好かないし隙あらば殺したいとすら思っていた男と、どういうわけかキスをすることになって、した。そうは言っても、そこに感情が無かったわけではなく、明確に杉元は、キスがしたいと思ってしたのだ。
     そして、あれからなんだか自分がおかしい。世界がガラリと変わった。なんというか、あの憎たらしい尾形が、かわ、
    「ウワーーーーーー!!!!!!」
    「うるせェ。他の客に迷惑だろうが」
     ならその指をやめろ!!離れろ!!まあ別にこうしてるのは悪くはな……いや悪い!!目の前の白石の顔を見ろ居た堪れない!!
     すすす、と胸のあたりをなぞってくる尾形の指をどうにもできないまま、杉元は言いたいことのひとつも言葉に出せずにせめてもと顔を仰け反らせる。するとそれが癪に触ったのか、至近距離にある尾形の眉間がぐっと寄せられてむすりと顰め面になった。それがまたかわ、……。
     イヤ、イヤイヤイヤ、かわいい!?かわいいって、誰が!?誰に!?こいつにかわいいなんて思ったことなウワアアーーーーギュッて抱きつくのやめてェいい匂いするーーーーーー!!
    「うるせえ、暑苦しい」
    「なッ、ならその手離してえっ?」
     出来る限り平静を装ってそれとなく抗議するものの、杉元の正論が気にいらないらしい。さらに眉間の皺が濃くなって、絡みついてくる腕にはもっとぎゅうと力が籠る。
     ドッ、ドッ、ドッ、ドッ。
     心臓の音が、さっきから未だかつて無いほどにうるさい。周囲の喧騒も白石の声も何もかも聞こえないほどだった。
     だが、ぽつりと呟いた尾形の声はよく聞こえた。
    「嫌だ」
    〝嫌だ〟。その子どものような物言いに、心臓が、また爆発した。
    「ッッッ、ッ、ォッ尾形お前酔ってるだろォ!?」
    「酔ってねえ」
    「いや酔ってる!!真っ赤じゃん酔ってるじゃん!!!!」
    「うるせえつってんだろ」
    「フガッ」
     鼻を摘むな!だっからそういうかわいいことをいちいちするんじゃねーーーーよ!!いやそもそもかわいくな……いわけでは無いけど!イヤかわいいっていうか!
     さっきから白石は白い目で見てくるし、それでもなんだかんだ尾形を引かはがすという簡単なことが出来ない。
     どうしようも無くなって、結果杉元はガバガバ呑んで、そして後にめちゃくちゃ吐いた。
     最後に見た景色は、アルコールのせいで普段よりも蕩けた目をする尾形だった。
     ああ、やっぱりかわいい顔してやがる、クソ。
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    sssawara

    DONEお題:鍋パーティー
    とりあえず今はぬくいので 白菜クタクタになってるぞ。月島、カニが煮えてるが食うか?はい、頂きます。杉元ビール切れちまった。お前も少しは働け。クーン。
    「あ、おかえり」
     尾形がリビングの入口で固まっていると、対面キッチンから缶ビールを手にした杉元がひょっこり顔を出した。
    「……今日なんかあったか」
    「いや、前から言ってただろ。今日は鍋パだって」
     ああ、そうだったか。そんな気がする。こちらの意思なぞ関係なく加入させられた、グループ名〝 お寿司有〼〟。そのメンバーである杉元と尾形以外のふたりと、少女の父の友人である男、仲良くも無いボンボンに、その世話役、では無いが不本意にもいつの間にかそうなってしまっている男。
     ふたりで物件を決めた時は十分広いなと思った十二畳のリビングが、広いどころか狭くすら感じる。いつも並んで座るソファは壁の方に追いやられて、リビングの中心に鎮座した炬燵を、皆がきゅうきゅうと身を縮こまらせ取り囲んでいた。救いなのは、その炬燵がファミリーサイズだったことだ。全身余すことなく暖かく包まれたいし、出来るだけこの中に入ったまま日常生活を済ませたい。ふたり暮しには必要の無い大きさの炬燵を、尾形がそう言って高給を振りかざし、杉元を黙らせて購入したブツである。
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    mitotte_kazu

    MAIKINGフラダンスを生で見る機会があって感動したので🦍🐇で書いたやつ。思いついたら続くかもしれない
    舞踏 トントントントン、とヴィエラの長い脚がリズムを刻むようにステップを踏む。一定のリズムで四拍子を刻みながら、すらりとしなやかな腕を広げたり、揺らめかせたりしていた。両手で大きな弧を描いたかと思えば滑らかに手首を揺らし、緩く何かを包むように両掌を揃え、翻しながら舞っている。頬杖を突きながら無言で見入っているルガディンに時折顔を向けながら、指先に視線を移したり目を伏せたりする。周囲の踊り子達に比べて場数や経験も足りていないため拙さは多少感じられるものの、それを差し引いても目を引く姿だった。

     きっかけはたまたま訪れたメリードズメイハネで伝統の舞踏が披露されていたところだった。話を聞くと観光サービスの一貫で時折行われているらしく、ヴィエラとルガディンは思わず感嘆を漏らす。近く行われる予定の祭典でのお披露目前に新人の踊り子達が人目に慣れるように、との理由で行われていた事だった。軽食と飲み物を待ちながら数曲を演者を変えつつ行われる公演を眺める。華やかな舞踏と音楽と共に届いた食事を堪能する。
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