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    uta

    らくがき

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    ココイヌ
    ココイヌと喉仏の話

    #ココイヌ
    cocoInu

    sexual scrap#2甘い気だるさに横たわっていると「水飲む?」と、ココがベッドから立ち上がった。俺が頷くより先にキャップを開けたミネラルウォーターを差し出すからそれを受け取り一口含む。すると、水はみるみるうちに身体中に巡っていく。少し飲んでそのままココに押し戻すと、ベッドに半分腰掛けたままごくごくと喉を鳴ら始めた。水が喉を通り落ちていく様子を眺め、ふとその喉仏が気になった。普段あまり意識しないココの喉仏は、凹凸がハッキリしておりその一部がひどく尖っている。昔からこんなに尖っていただろうか。
    「...どうした?」
    「…いや」
    毎日隣にいても、ふとした瞬間知らないココを見る。それは表情だったり、今みたいな身体のことだったり。自分ではない他人だから当然なわけだが、俺はいつもそんな小さな発見に幸せを思う。
    鋭利な喉仏の先端に手を伸ばすと、皮膚の硬さとやや温い温度を感じた。
    「触ってもいいか?」
    つ、つ、と指先を滑らせて凹凸を撫でると「もう触ってんじゃん」と擽ったそうにココが笑った。小刻みな振動を指の腹で感じながら「すげぇ尖ってる」と、俺は感じたままを口にする。
    「そう?あぁでも、イヌピーはそんなに出てねぇか。」
    伸びてきたココの手が俺の喉を触れるから、その気持ち悪さに身を引くと「なんで逃げんの」と不満そうな目がこちらを向く。
    「声変わりしてもイヌピーって声そんなに低くねぇし、そういうのって関係あんのかね?」
    「声変わり?ココ、俺の昔の声覚えてんのか?」
    意外過ぎた事実に瞬きすると「覚えてる」とココは言う。俺ですら、声変わりする前の自分の声なんて思い出せないというのに。
    「今よりちょっと高かった。ああでも今でもその声聞くこと出来るけどな、俺は。」
    やけに"俺は"を強調して言うから、引っかかった。おまけに暗がりでもわかるココのしたり顔。これはろくな事を考えてない時の顔だ。フフ、と喉仏がまた震えて俺は確信する。
    「!ちょっ、イヌピー?」
    急にココが焦ったのも無理はない。俺が喉仏をそっと押したからだ。多分ちょっと苦しい。そうわかっていながらそのまま自分の方へと引いて、じっ、とココを見た。何?と戸惑った余裕のないココの顔。それもまた俺の見る新しいココの顔、だ。
    (らしくねぇ顔)
    そう思って、喉仏近く目掛けて首を噛んだのは驚いたココの顔をもっと見たかったからだ。
    「ッ!」
    尖った喉仏のせいで上手く噛めなかったが、まぁいい。その身体のあちこちに俺がつけた痕が残っていると俺は知っている。
    「イヌピーさ、首噛みすぎ。」
    「ココが噛んでくれっていうから仕方ねぇ。」
    「言ってねぇよ。」
    鼻を鳴らしたココの吐息が顔に降りかかる。暗がりで睨み合ったところで「言ってねぇからな」と笑い出すのは、ココの方だ。
    「じゃあもう噛まねぇ。」
    「んーそれはダメ。」
    あ、と言う間もなく倒れ込んできたココのせいでベッドは二人分の重みで軋む。へばりつくココは存外重く、そのクセ退こうとする様子もない。
    「ココ重い。」
    「イヌピーなら受け止められんだろ。」
    「…。」
    無理、とは言わない。無理ではないから無理とは言わない。
    「ココはアレだ…色々重たいからな。」
    「それ、イヌピーにだけには言われたくねぇ。」
    もぞもぞと這い出でたココの顔は相変わらずすぐ側で、呼吸も視線も嫌という程わかる。ココの尖った喉仏がやわらかく俺の喉を突き刺す。
    「くっつきすぎてそのうち一個になりそう。」
    そう言うとココはからからと笑った。
    「キメラみてぇになるの?俺ら。」
    「キメラってなんだ?」
    「うーん…なんて言えば…」
    唸るココが暫くして「人間ではない何か」と結論付ける。人間ではない何か。またコイツは難しいことを言いやがる。
    「よくわかんねぇ」
    「よくわかんなくていーよ。」
    大したことじゃないから、とくっつくココはご機嫌に俺の口を塞いで俺たちはまた欲の渦に沈んでいく。二人でひとつが当たり前と知っているから、なんの問題もないの
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    mocha

    DONEお題「再会」です。
    梵天ココ×バイク屋イヌピー。

    ところで5/3スパコミ参加します。東4 か48bです。
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    再会とプロポーズ 九井一が逮捕されたことを聞いたのは、昔の仲間づてだった。
     長らく会っていなかった。龍宮寺堅とバイク屋を始めてからは、特に、そういった関係の人間と関わることもなくなっていた。ただ、九井の動向だけはどういうわけかときどき青宗の耳に入った。
     さすがにこまごまとした情報までは入ってこなかったが、ガサ入れが入ってしばらく身を隠しているらしいとか、派手な女を連れていたとか、そういう比較的どうでもいい近況はよく聞こえていた。
     だからどう、ということはない。周りが気を遣ってくれているのであろうことは分かっていたが、九井に会うつもりはなかった。
     子供の頃には、いつか大人になれば姉の面影も消えるだろうと思っていた自分の顔立ちだったが、まったくそんなことはなかった。二十も半ばを過ぎてすっかり大人になったというのに、髪を伸ばせば女のようにも見えるし、短くすれば赤音によく似た顔立ちがはっきりとわかる。そんな自分が九井の前に現れることは、古い傷をえぐることだ。わかっていたから、ずっと離れたままでいた。
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