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    uta

    らくがき

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    ココイヌ
    結局のところ、主導権は死守したいココの話

    #ココイヌ
    cocoInu

    下から見るか、上から見るか「ヤらせろ、ココ。」
    もう少し言い方あるよな、なんて言ってはいけない。この脅迫めいた誘い方はいわば確変大当たり的な状況。跨られてそのまま殴られそうな雰囲気にしか見えないが、これはイヌピーなりの誘いだ。
    「うん?いいよ。」
    イヌピーに見下ろされるのは悪い気がしない。見ていたスマホを放る間もなく強引に唇を噛みつかれた。焦らすとか、そういう小細工一切なしに口の中を貪られていると「食われそう」な感じがする。舌が絡むというより引っこ抜かられそうな力加減も、カチカチぶつかる歯も普通に考えれば下手くそなワケだが、俺を見下ろす細い目がそれを全部帳消しする。興奮と高揚を宿したイヌピーの好きなようにさせる、この贅沢。
    ーーーさて、次はどうするのだろうか。
    横槍をいれるのを我慢してマグロを演じるのも、悪くはない。
    俺の首元にあるネクタイを解いて、イヌピーはワイシャツのボタンを外していく。唇は触れたまま、でもボタンを外すことに気が削がれているのかだんだんと唇が遠ざかる。不器用なのに頑張るイヌピーを内心(頑張れ)と思っていることなんて、イヌピーは知りもしない。
    「っ、ココ」
    「ん?」
    「お前の服めんどくせぇ」
    服を持つ指先の馬鹿力に「破ンなよ」とつい口が出る。こんなことならイヌピーが脱がせやすい服にしとけばよかった。そう思いながらいそいそボタンを外し、ワイシャツを自分で脱ぎ、放る。これでいい?と視線で訊ねると、がしりと顎先を掴まれ再び口が塞がった。
    いつもより熱い手が、首筋を通って胸を通って背中に回る。俺の膝の上に跨り、腹に押し当たるイヌピーの"それ"は既に硬く、腰を上下に揺らしパンツ越しに俺の性器を刺激してくる。見下ろされるとよくわかる。興奮している俺を見てお前は興奮するんだろ、と多分そう言いたいのだ。確かに興奮しているイヌピーを見ていると、煽られる。でも、それだけで満足するかと言われたら足りない。
    ーーーこれあと何秒続く?
    ついそんなことを思ってしまった。端的に言えば、俺は半裸で下半身は服が擦れているだけなのだ。こっちも自分で脱ぐか?でも勝手にやったらキレそうだな。半開きに口を開けたままそんなことばかり考えていると、舌がピリついた。
    「お前今どうでもいいこと考えてんだろッ」
    反射で舌を引っ込めると同時に眼前のイヌピーに睨まれる。気を引くために舌を噛むその獰猛さも、集中しろと絡んでくるのも、イヌピー相手では全部が(可愛いな)になってしまう。だから、困るのだ。行き場のない両手も、愛情を込めて「イヌピー可愛い」と囁けないことも、明らかに焦りが見えてきた攻め方も手を出したら最後、攻守逆転させる自信しか俺にはないのだ。
    滅多にないイヌピーからの誘い。下手を打てばへそを曲げ「二度とやらねぇ」と言われかねない。チャンスとピンチが手を繋いでやって来なくてもいいだろ。
    「イヌピーのこと考えてるけど?」
    「はっ、嘘ばっか。」
    嘘じゃねぇんだが、そう言いかけた時乗っかっていたイヌピーがもぞもぞしだしずりずり降りていった。何をするんだと見上げていた視線を下に下げていくと、俺のパンツに手をかけジッパーを下ろしている。先の展開にいち早く反応したのは俺の雄棒で、その反応の素早さにイヌピーがニヤリと笑う。
    「…見すぎ」
    「いつもココだって見てるだろ。」
    「俺はいいの。」
    逐一反応を見られるのはさすがにちょっと恥ずかしい。得意満面なイヌピーが想像した通りに勃ち上がっている。ほぼ完璧な状態に思わず俺は唸った。
    「ふふっ」
    笑いかける吐息が浅く刺激する。
    「笑ってんな。こっからどーすんの?」
    枕に頭をすっぽり埋め、恥ずかしげもなくおっぴろげ俺は開き直った。さあどうぞと怠惰な風俗嬢みたいな俺に怒るどころか、イヌピーはひたすらに上機嫌だ。腰をくねらせ頭を垂らし、あんぐりと開いた口に先走ったのは俺の俺、だった。
    「ココのちんこが元気だ」
    どんな感想だこの野郎。やけにニコニコしているイヌピーにぐっと堪えて舌先を噛む。確かにすこぶる勃ちが良い。それがまた恥ずかしい。
    「んむ?」
    「咥えながら喋んな……マジで……」
    「ひもひい?」
    はむはむとマイペースに舐めて回すイヌピーは俺の話なんか聞いちゃいない。「んむ?」は「どうだ?」で「ひもひい?」は「気持ちいい?」だろう。いちいち聞かなくても見りゃわかるだろとわざと腰を浮かせ喉奥をつついた。えずいたイヌピーの目に涙が溜まり、口から零した唾液が濡らした。
    「っ、ココだって、いつもやるだろ」
    「何が」
    「俺にイイかどうかとか色々!」
    まだ噎せてるイヌピーに「あーなるほど」と納得の声が出た。この妙に焦らす感じとか、いちいち訊くところとか、全部俺の"真似というわけか。
    もぞもぞとイヌピーが下半身に潜って俺の両膝を持ち上げた瞬間、全身に電流が走ったような気がした。身体がひっくり返る手前で勢いよく足を閉じ、イヌピーの首をロックしていた。
    「おいココ?」
    「イヌピー今何するつもりだった?!」
    感覚の間違いでなければ、イヌピーは今俺の臀を舐めようとしていた。臀、というか穴というか。危うくチンぐり返しされるのを防いだ俺にイヌピーはムッとしている。
    「何ってココのケツ」
    「そこはダメだろ!」
    「なんで?たまにはいいだろ。」
    さわさわと足の付け根と臀の境を触れる手を身体を丸めて防ぐ。俺の腹筋はピクピクと震え、頭を支える首が痛い。
    「俺だってココのこと抱きたい。」
    「っ!」
    この状況で痛切に訴えてくるイヌピーに負けそうになる。主に俺の腹筋と首とメンタルが。目から顔の情報をいれてしまったら負けるからむぎゅっと目を閉じて口を閉じる。負けたら終わり。何と戦ってるのかもう意味がわからなかったが、イヌピーの指先がまだ誰も触れていない最もプライベートなところに指が宛てがわれた瞬間、目がかっ開いた。筋肉疲労しかけて腹筋を力ませ、勢いつけて上半身を起こし足でホールドしていたイヌピーごと地につけた。もはやセックスというよりプロレスだ。
    「ダメ。絶対ダメ。」
    「なっ!なんでだよ?!」
    さっきまで見上げていたばかりのイヌピーを見下ろすと、いつもと変わらないのにいつも以上に興奮する。己の変な性癖に気づいてしまった気がするが、今はどうでもいい。
    「それじゃあイヌピーを可愛がれねぇ。」
    「は……」
    「それはダメだろ。うん、ダメだ。」
    深く納得して、足を解く。イヌピーはただただムスッとしたまま「なんでだよ」と愚痴っているから、その口にやや昂りが収まった陰茎を見せる。
    「イヌピー、舐めて?」
    「ヤダ。」
    ふいっと顔を逸らすイヌピーに訴える。小首を傾げ、目尻を下げ、イヌピーがするようなあざとい顔で「ダメ?」と。
    「……ココお前……」
    「ン?イヌピーがよくやるやつ。」
    俺を見上げるイヌピーが口を尖らせむぅ、と唸る。アヒル口のまま舌を伸ばし咥えた瞬間喉が鳴った。確変大当たりよりいつも通りがいい。むぐむぐと舐め回すイヌピーを横目にそんなことを思った。
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