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    shiro_pigeon

    @shiro_pigeon
    五伏・乙棘小説を書いています。
    物書きの人。アイコンはメジカ様から頂きました♪

    pixiv→ https://www.pixiv.net/users/64940283

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    shiro_pigeon

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    同サークル、
    メジカちゃんの誕生日に書いた、
    五伏文化祭パロディです♪

    呪術関係ないです💦
    先輩×後輩
    文化祭の売り上げをかけて勝負する、
    青春ラブコメです🙇‍♀️

    #五伏
    fiveVolts
    #パロディ
    parody

    give me a smile俺には嫌いな後輩がいる。
    名前は伏黒恵。
    くっそ生意気な一年生で、大嫌い。
    中学時代はヤンキーだったくせに、
    馬鹿真面目で、この間だって…

    「五条先輩は性格が最悪です」

    あの口調、あの冷たい目…くっそ腹立つ!!
    それ以上にもっと腹が立つのが…

    「夏油先輩、文化祭の事で相談が…」
    「ん?何だい?」

    傑には素直で表情も柔らかい所。
    俺と傑の何が違うの!?
    穏やかな空間に苛立ちが増して、
    わざとダル絡みをしてみる。

    「おい、恵のクラスは文化祭で何する訳?」
    「…お好み焼きの屋台…ですけど」
    「はっ?じっみ!!地味だねぇ〜」
    「そうですか?…では、五条先輩達のクラスは何を?」

    俺が話しかけたら、
    急にテンションが下がる恵。
    やっぱり腹立つ。
    お好み焼きとか地味すぎるし、
    そんな所もマジ恵って感じ。
    まぁ…俺達のクラスは、
    まだ決まって無いけど…
    ってか、決めて良いか。
    よし!独断と偏見で決める!
    地味な出し物に対抗するには…

    「ホストクラブ」
    「は?」
    「俺達のクラスはド派手にホストクラブだよ」

    意気揚々と言い放った俺に、
    傑が頭を抱えたのが見えた。
    一瞬、呆けた恵の表情が、
    段々と険しくなる。

    「そんな、下品な出し物を?」
    「お好み焼きより、よっぽど売上になるでしょ?」
    「不潔です。お好み焼きの方が売れるに決まってる」
    「じゃあ、当日の売上…どっちが多く取れるか勝負!」
    「望む所です!」

    俺が吹っかけた喧嘩に、
    珍しく恵が乗ってきた。
    これは面白くなりそうだ…。
    そして、勝負には罰ゲームがつきもの。

    「負けた方はそうだな…好きな奴に告白ってどう?」
    「あ?そんな賭け…する訳ないだろ」
    「売上が取れる自信が無いって事ー?」
    「…っ」

    悔しそうな顔…ウケる。
    わざと意地悪な顔でニヤリと笑って…

    「じゃあ、文化祭が楽しみだね。恵ちゃん」

    と、耳元で囁いてやった。
    こいつ…チョロすぎ。
    恵の好きな奴を暴いて笑ってやる。
    高校最後の文化祭は、
    楽しい物になりそうだ。

    ◾️◾️◾️◾️◾️

    俺がホストクラブをやりたいと言えば、
    逆らうクラスメイトは居ない。
    「いいね」なんて笑って、楽しそうだ。
    ある二人を除いては…

    「最悪〜、私は展示で良かったのに」

    これは硝子。

    「流石にホストクラブはどうかと思うよ…悟」

    これは傑。

    二人にグチグチと言われたが、
    スムーズに準備は進み、
    文化祭当日になった。

    相変わらず恵は俺の事を、
    親の仇の如く睨みつけたり、
    生意気な口をきいたり…
    俺の何が悪いんだよ。
    文化祭で勝負に勝って、
    無理矢理にでも
    好きな奴に告白させてやる!

    「そんな風だから嫌われるんだよ」

    教室でぼやいた俺に、
    傑が諭すように言った。

    「向こうの態度が悪いんだもん!俺は悪くないもん!」
    「気持ちわる」

    ぷんぷん!とふざけて見せたら、
    サラリと酷いことを言われた。
    傑って本当に容赦ない。

    「悟は口も悪いし、怖そうというか…そうだ。一人称を【僕】に変えたらどうだい?」
    「オエッ!それこそ気持ちわるっ」
    「本当は好きな癖に」
    「は?」
    「何でも無いよ…さ、自由時間だ。文化祭を楽しもう」

    傑はそれから何も言わなかった。
    なんだよそれ。
    【僕】に変えたら恵は笑うの?
    傑と話してる時みたいに?
    【好き】って…何が?誰が?
    言いたい事は山ほどあったが、
    自分達の自由時間だ。
    さっそく恵のクラスに向かう事にした。

    ◾️◾️◾️◾️◾️

    「へぇ〜やるじゃないか」

    傑が賞賛の声を漏らす。
    それもそのはず…
    恵のクラスの屋台は長蛇の列。
    お好み焼きってこんなに人気なの?
    並ぶ人の間から、
    お好み焼きを作る恵が見えた。

    「…あ」

    恵…笑顔だ。
    隣にいるピンクの頭…悠仁か。
    二人で話してる時ってあんなに笑顔なの?
    ってか、恵って友達とか居たんだ。
    悠仁は確かに人懐っこいし、
    可愛いもんね。
    モヤモヤした俺を他所に傑が口を開く。

    「生姜のお好み焼きらしいよ」
    「生姜?」
    「恵君、生姜が好きなんだって」
    「へぇ」

    恵って生姜が好きなんだ…。
    ふーんそうなんだ。生姜ね…。
    なんて考えていたら、
    いつの間にか列の先頭になっていた。
    俺に気付いた恵が、
    一瞬にして眉を寄せる。

    「絶対に負けないからな!」

    お好み焼きのヘラを俺に向けて、
    言い放つ恵。
    こんのクソガキ!!
    良い度胸じゃねーか!
    しかもTシャツ…「生姜」って書いてある!
    ダッサ!!
    何そのダサいTシャツ!?
    ギャップが可愛い!!
    …ん?可愛い?

    「可愛くねーし!」
    「?…何の話しですか?長蛇の列を見て、頭がおかしくなりましたか?」
    「はっ!これくらいで良い気になってんの?」
    「その言葉は食べてから言って下さい」

    お好み焼きが入ったタッパーを
    押し付けられて、更にムカつく。
    マジ可愛くねー。

    「後で俺のクラスにも来いよ…差を見せつけてやるからさ」

    睨む恵に挑発的な言葉を吐いて、
    その場を去った。
    それでも胸のモヤモヤが治らない。
    そんな俺を見た傑が、
    「とりあえず、腹ごしらえをしよう」
    なんて、呑気なご提案。
    裏庭のベンチに座って、
    お好み焼きを食べる。

    「うっま」
    「うん!美味しい」

    恵が焼いたお好み焼きは、
    生姜がピリっと効いてフワフワで、
    悔しいが絶品だった。

    「悟は勝負に負けたら、どうするんだ?」
    「は?負けねーし」

    食べ終えた傑から、
    突拍子もない話題を振られる。
    俺が負ける訳ないじゃん!
    傑は頭を横に振りながら、
    溜息を吐いて…

    「もし負けたら、誰に告白するのかって意味」
    「え?」
    「そんな内容の罰ゲームだろ?」

    考えた事も無かった。
    もし俺が負けたら…誰かに告白?
    そんな相手…

    「いない…全くいない」
    「うーん…なら、目を閉じて」
    「はぁ?」
    「ほら、早く」
    「…分かったよ」

    意味の分からない指示に素直に従う。
    こう言う時の傑ってしつこいから。

    「…では悟、今すぐ会いたい人物を想像して?」
    「だから、いないって」
    「ちゃんと考えるんだ」

    考えるって言われてもなぁ。
    今すぐ、会いたい人物?
    ん?何か見える…見えてきた…
    ふわりと笑顔の恵が…

    「は!?ありえねーから!」
    「それが悟の好きな人です」

    ふざけんな!んな訳あるか!!
    俺は叫びながら教室に戻った。

    ◾️◾️◾️◾️◾️

    気を取り直して、
    自分のクラスの出し物に集中。
    何が何でも勝つ!
    ホストクラブは、
    十五分制のワンドリンクで五百円。
    お好み焼きは一個二百円だが、
    回転率が良い。
    こっちは回転率は悪いが、その代わり…

    「オプションでお菓子が二百円だけど、買うよね?」
    「うん!買うー!」
    「三百円で俺と写真が撮れるよ?」
    「うっそ!!超レア!撮るー!」

    ノリの良いギャルに、
    オプションをつけまくって、
    単価を上げる作戦。
    俺って、やっぱ天才。
    廊下はすごい行列だし…
    スーツに前髪を上げた姿も好評だ。
    これは勝負あったとニヤける。

    「五条、次のお客さん入るよー」
    「オーケー」

    硝子に言われて振り返った先には…

    「お、やっと来たね…恵」
    「…」

    しかめっ面の恵…それから、悠仁もいる。
    さすがに一人では来ないか。

    「結構、並んだでしょ?待たせてごめんね」
    「こちらこそ、お好み焼きが意外と大盛況で…並ばせてすみません」

    嫌味を嫌味で返されて、
    思わず舌打ちをする。

    「まーまー、二人とも!ってかスーツ姿の先輩、めっちゃ格好良いね!」

    とびきりの笑顔で俺を褒める悠仁。
    そうだよな…後輩ってこうだよな…

    「悠仁は可愛いね」
    「へ?」
    「誰かさんと違って、素直で可愛い!やっぱ後輩って良いよね〜!」
    「ちょ、先輩っやめてよ!」

    戯れる様に頭を抱えて撫でると、
    悠仁は抵抗しながらも、
    カラカラと笑う。
    そんな俺達を見た恵は、
    険しい顔を更に険しくさせた。

    「もう、帰ります」
    「待って!オプション付けて行けよ」
    「オプション?」
    「百円で愛の言葉を囁いてやる」
    「いりません」
    「はっ!腰抜け」
    「…誰が」
    「オプションも付けずに帰るとか、負けるのビビってるの?」

    少しからかったつもりが、
    恵は冷たい目を向けて、
    静かに百円玉をテーブルの上に置いた。
    こいつマジか…
    どんだけ負けず嫌いなんだよ。
    こうなったら…思い知らせてやる。
    ギロリと睨む可愛くない顔に、
    ぐっと近付くと、
    途端にびっくりした顔。
    なにそれ、面白い。
    俺は恵の顎に手を添えながら…

    「好きだよ…恵」

    そっと囁いてやった。
    どう?絶世の美男子でしょう?
    得意気に笑う俺だったが、
    恵の顔を見て固る。
    だって恵の顔…

    「え、真っ赤じゃん」
    「うるさい!帰ります」
    「ちょ、待ってよ伏黒っ」

    真っ赤な顔を指摘したら、
    更に真っ赤になって、
    教室から出て行ってしまった。
    その後を悠仁が追いかける。
    残された俺はポカン顔。

    「…何あれ」

    真っ赤な顔に泣きそうな表情…
    あんな恵、初めて見た。
    どうしよう…

    「かわいい…」

    胸が高鳴るって、多分こう言う事だ。

    ◾️◾️◾️◾️◾️

    文化祭の最後に、
    売り上げの順位が発表される。
    全校生徒が集まる校庭で、
    文化祭委員である後輩の伊地知が、
    弱々しく発表した。

    もちろん…俺のクラスの圧勝。

    ほらね。恵が俺に敵う訳ないじゃん。
    やった…勝った。
    …なのに何でこんな…苦しいんだろ?
    恵の好きな人って誰かな…
    よく一緒にいる野薔薇?
    でも女友達って感じだよね?
    じゃあ、二年の真希?
    あぁ…真希は遠縁だっけ?
    もしかしたら男だったりして…
    だったら悠仁かな?
    あいつ良い奴だもんね。
    二年の憂太の事も慕っているし…
    あ、でも傑って可能性も…

    考えれば考える程…心が重くなる。
    恵の罰ゲーム…やだな。
    聞きたく無いな。
    真っ赤な顔で泣きそうな表情が、
    頭から離れない。

    俺は逃げるように屋上に向かった。
    放課後の屋上には誰もいない。
    夕焼けを見ながら柵にもたれかかる。
    風と共に金木犀の香りがした。

    ガチャリ

    屋上のドアが開く音がして、
    あぁ…お前ってそう言う奴だよなと思う。
    負けたら責任をちゃんと負う奴。
    罰ゲームも男らしく受けるんだろ?
    馬鹿みたい…
    せっかく俺が逃げてやったのにさ。

    「…恵。よく俺のいる場所が分かったね」

    感情を隠したまま、
    屋上に来た恵にそう言ってやると、
    やっぱり不機嫌そうな表情。

    「約束は約束ですから…探しました」
    「ふーん、律儀だねぇ…で?誰に告白するの?」
    「それは」
    「あ、やっぱ無し」
    「は?」

    恵の口を塞ぐように、言葉を遮る。
    あー…無理、やっぱり聞きたくない。
    ってかさ、これって…

    俺…恵の事が好き?

    嘘、やっば…マジかよ。
    まさか俺…

    【恵の笑顔を独り占めしたかったの?】

    好きな子、虐めちゃう系?
    この場に傑が居たら、
    「ほら、言っただろ?」って
    笑われちゃうな。
    額に手を当てながら、
    空を見上げた俺を見て、
    何故か恵が悲しそうな顔をした。

    「聞くのも嫌ですか…?」
    「え」
    「そんなに俺が嫌いですか?」
    「恵?」
    「虎杖の方が可愛いから?俺…可愛く無いですもんね」

    いきなり自虐的になる恵に、
    頭が追いつかない。
    嫌いなのは、そっちでしょう?
    黙っている俺に痺れを切らせたのか、
    恵がすごい剣幕で…

    「心の整理がつきません!言わせて下さい!」
    「やだ!聞きたくない!」
    「何で…俺、何かしました!?」
    「いや…恵は悪くないよ。俺の問題っていうか」
    「どんな問題ですか!?」

    何でこんなに怒ってるの?
    訳分からないけど、可愛い顔!
    自覚すると更に可愛く見えてくる。
    生姜をたくさん食べさせてあげたい!
    ん?でも恵は?
    逆に俺の事は、どう見えているのか…

    『悟は口も悪いし、怖そうというか…そうだ。一人称を【僕】に変えたらどうだい?』

    思い浮かぶのは傑の言葉…。
    あぁ…クソカッコ悪い。
    でも、もう白状するしか無いでしょ。
    まだ何か言いたげな恵の両肩を、
    ゆっくり掴む。
    途端にビクリと揺れる身体。
    あー…すっげー緊張する。
    風の音さえ聞こえないくらい、
    自分の心臓の音がうるさい。

    「…恵」
    「は、はい…」
    「俺の…いや、僕の話しを聞いて?」
    「え…僕?」

    【僕】って…ウケるよね?
    恵のキョトンとした顔が、
    全てを物語っている。
    でもほら、
    …後悔する前に伝えちまえ。

    「僕は…恵の事が好きです」

    マジでダサい。
    でも、後悔なんて無い。
    言われた恵もマジでアホ面。
    良い表情するじゃん。可愛い。

    「…好きって俺を?」
    「うん。恵が好き」
    「嘘だ」
    「嘘じゃない」
    「何でっ!」

    恵は珍しく声を荒げて睨む。
    やっぱり睨まれるんだ…僕。

    「何で…先に言うんですか?」
    「へ?」
    「俺の罰ゲームですよ?」
    「え、そこ?」
    「でも…そう言う事です」
    「は」
    「だから…」

    一呼吸置いて言葉が続く。

    「だから…俺も好きです」

    伝えられた告白に、
    頭が真っ白になった。

    「え、恵が僕を…好き?」
    「…はい」
    「嘘だよね」
    「嘘じゃありません」

    力強く真っ直ぐ僕を見つめる瞳。
    可愛すぎる…え、好き。
    ってか、それが本当ならさ…

    「僕達、両思いじゃん!!」

    驚いて叫ぶと、
    恵は照れ臭そうに微笑んだ。

    fin
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