ヤマオカ メグミさんへ「なんだ、これ。」
自室の机の上に白い封筒が一通置かれていた。
宛先欄は滲んでいて読みとれず、郵便消印も付いていない。
自分の部屋は基本鍵をかけていて、合鍵を持っているのは依央利さんと家主であるふみやさんだけ。
きっと依央利さんが受け取ったかなにかして、この宛先が自分であるとわかったのだろう。
そう納得しながら封筒をひっくり返し、ペーパーナイフを差し込み開いた。
中には入っていたのは一枚の便箋だった。
拙い文字で、友達になって欲しいと綴っていた。
そしてその下に住所とやまおか あかねという名前が書かれていた。
そんな手紙を読み進めているうちにふと昔のことを思い出した。
理解がまだランドセルを背負っていた時、父親が買ってくれたのがあしながおじさんだった。
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