Recent Search
    Create an account to bookmark works.
    Sign Up, Sign In

    Bonzin0704

    @Bonzin0704

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 10

    Bonzin0704

    ☆quiet follow

    屋上には幽霊がいる

    主:おせりか
    副:ふみや、あまひこ
    ・学パロ
    ・年齢捏造
    ・色々と捏造
    ・死を仄めかす要素あり

    ____________________________________

    昔、約束をした。
    子供同士の拙い約束だった。

    屋上の幽霊 #1出会い出会い
    草薙理解は優秀な生徒である。
    そんな彼が屋上の点検と掃除を任されたのは2年に上がってすぐの頃だった。
    そして今日も最終下校のチャイムも鳴り終えた黄昏時の学校で教室を覗いて回る。
    一階の見回りを無事に終え、階段踊り場の川崎くんに会釈し、階段を登る。
    そして2階奥の自習室という名目の空き教室で眠る顔なじみを起こす。
    「起きてくださいっ!!ふみやさん!!ふーみーやーさーん!!最終下校時刻過ぎてますよ!!!」
    「ん。」
    ゆっくりと体を起こし、ぐっと背中を伸ばす。
    その様子は猫を思い浮かべてしまうほど呑気なものだった。
    「おはよう、理解。」
    ふわぁとあくびをこぼすのは昔からの腐れ縁である伊藤ふみや。
    ニコニコと楽しげに笑う姿に気が抜ける。
    「もう最終時刻すぎてますよ!早く帰ってください!」
    「そうだな…そろそろ帰るか。」
    「さっさと帰ってください!」
    荷物を持ったふみやは真っ直ぐ扉へと向かう。
    「理解、また明日学校で会おう。」
    いつからか交わされるようになった口約束。
    「えぇ。また明日学校で会いましょう。」
    ふみやは一度も振り返ることなく扉から出ていく。
    それでも不真面目なふみやが毎日学校に来れるようになった結果に笑みが溢れる。
    その浮かれた気持ちのまま、階段を登って屋上へと向かう。
    錆びた鍵穴を回し、重い扉を押してあげる。
    真っ赤な夕日が差し込む屋上には一人っ子いない。
    扉の開けて真っ先に見えるフェンスの先、明かりのつき始めた住宅街。

    理解はその景色が好きだったから、いつも日が沈むまでその様子を眺めていた

    あの時もそうだった

    「あのっ!すみません!」
    後ろから声が聞こえる。
    夢が覚めたような気分で振り向く。
    丸まった背中に、水色の髪。
    「…っ!!どこに隠れていたんだ!屋上は立ち入り禁止だぞ!危ないんだぞ!学年組番号を述べなさい!!!」
    「はじめまして!!僕、あなたに逢いにきたんです!」
    髪の隙間から見える瞳がギラギラとこちらを見つめてくる。その瞳から目を離せなくなる。
    その顔にどこか見覚えがある気がした。
    「君は…」
    そう尋ねようとする理解の前を強い風が吹く。
    思わず目を瞑る理解の耳に声が届く。
    「“また”あした!おんなじ時間!ここで待ってます!」
    目を開けた時、すっかり日の沈んだ屋上には自分しかいなかった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    👏👏👏👏👏💙👓💖💖💖
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works