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    rbbふみりか 第三章描きかけ

    第三章第三章第三章
    …ただいま電話に出ることができません。暫く経ってからおかけ直しください。

    無機質な音声案内に苛立ちながら草薙理解は依央利に電話をかけ続けていた。

     『明日の夜明け、全てを終わらせる。』

    なんていうふざけた予告を出しているピエロを病院の待合室でTV越しに眺め続けることなんてできなくて、外に駆け出してしまった。ズキズキと足の傷が鼓動に合わせて痛む。どうして私の体は一番動いて欲しい時に限ってこうなってしまうのか。
    爆破予告のせいで、街中に怒声や悲鳴が響く。
    何度かけても通話中にしかならない依央利さんは諦めてメッセージを送り、気づけば事務所にたどり着く。けれど焦りと興奮で手は震えていて、がちゃがちゃと金属音を立てるばかりで鍵が上手く開けられない。震える手に後ろから伸びた手が重なる。
    「理解。」
    聞き馴染んだその声でぐちゃぐちゃになっていた頭がすっと冷める。震えのおさまった手で鍵を開け、扉を開く。
    いつもと変わりない部屋は焦っていた理解の心を落ち着ける。
    「天彦さんに連絡しておきますから、ふみやさんは安全な場所に避難してください。」
    迷わずデスクの一番したの引き出しの鍵を開ける。
    「どうなるかわからないんです。」
    引き出しを占めるタッチパネル式の金庫を開ける。
    「安全な場所に逃げて」「理解!」
    肩に手が置かれる。
    「理解、約束したろ。」
    ふみやの温かい手に自分の手を重ね、
    「俺が守るって。」
    振り返り、床に押し倒す。。
    「いい加減にしろ。自分の立場をわきまえろ。」
    碌な抵抗もないふみやの襟を掴んで精一杯睨みつける。けれどふみやは変わらない笑みを浮かべたまま理解の頬を撫でる。
    「一年前、あの日に何があって、どうして警察官を辞めたのか。そろそろ教えてよ。お前のこと守りたいんだ。」
    「知る必要はありませんよ。それにあの日の約束の代償はもう十分払い終えたでしょ。」
    「え? これまでだけで払えてるって思ってたんだ。」
    笑みを深めていくふみやは楽しげに告げる。
    「俺は理解が知りたいこと、教えてあげられる。なぁ、理解。どうする?」
    「外道め。」
    「お互い様だろ。」
    くすくすと笑い出しそうなふみやは飽きもせずに理解の顔を撫でている。
    「…本当は知ってるんだろ。”伊藤”ふみや。」
    名前を出せば途端に目を爛々と輝かせながら、”伊藤”ふみやは理解の頭に手を回し、引き寄せる。まつげが触れ合う距離で青年は笑う。
    「お前の口から聞かせて。」
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