七マリ【アンタのキスから】友情ED 七ツ森ルート後
付き合って半年。今日はゆっくり部屋デート、二人きりで最高。
可愛い彼女が自分の部屋にいるってやっぱイイ。
相変わらず堪らなく好きなんだけど、二人の時間が少ないのが不満だ。
今日は部屋に来てるからいいけど、なぜか4人で会うことが多い。
おかしい。
俺は彼氏なんだからもう少し独占出来ないものかとここ最近ずっとやきもきしている。…しかも半年ともなればそれなりに欲も膨らむ。
マ「ねぇ、実くん!」
七「はいはい、なに?」
マ「今日行くんと連絡取っててね、次の予定どうするー?って話になったんだ。」
キタ、これだ。
アイツらとは卒業後もよく会って遊んだりしてるし、俺らが付き合うことになったのも2人が俺の背中を押してくれたからだ。
それはすげー感謝してる。してるけど………
七「………しばらくはまだ会わなくてもよくない?」
マ「え?」
思わずそう答えて、しまったと思ったけど、でも本当の気持ちに変わりはない。
付き合って半年、高校の時みたいに当たり前のように毎日は会えない。
だから余計に二人でいる時間を俺は大切だと思ってる。
でも、高校時代と変わらず四人で会うことが多い。
俺がこの子を独占する時間が少ないことがなぜこんなに少ないのか。
マ「二人と喧嘩でもしたの?」
少し心配そうな顔をされるがそうじゃない、わかってよ。
………鈍感なアンタにはわかんないか………
と少し諦めた気持ちを持ちつつ切り出す。
七「俺ら、付き合ってもう半年たつよな。」
マ「?うん。」
七「なのに、二人の時間、妙に少なくない?」
マ「!」
七「俺と二人の時間、そんなに嫌?」
彼女が嫌なんて言うわけないと分かってて意地悪な言い方を選んでしまう。
マ「嫌じゃないよ!私、そんな風に思わせてた?…ごめんね。」
こんな絵に描いたようにシュンとされると弱いのも変わらずだな。
七「あ、いや…俺もごめん…。でも、今の正直な気持ち。
アンタがさ、俺のことないがしろにしてるとは思わないけど、こう何回もダーホンやカザマ付きとなると、付き合ってるの俺なのになーなんて、情けないこと思っちゃうわけですよ。」
マ「うん。」
七「だから、その………出来ればもっと二人でいる時間が欲しいって思ってんだけど…俺は。」
マ「………。」
あれ?黙っ………
マ「あのね!!!」
七「おぉ!?」
久しぶりのデカい声だな、オイ。
マ「あの!…あの…うまく言えないんだけど、実くんといると、その、付き合ってるんだなって実感で…なんか緊張しちゃって………」
七「………………へ?」
ワレながら間抜けな声が出た。もう半年たつのに?
呆気に取られた俺に向かって急にガバッと身を乗り出したかと思うと
マ「っ!毎日会えなくなったから!
会いたいって思うことが増えてだけどいざ会うと急にどうしていいかわからなくなって!
行くんや玲太くんがいたら高校の時みたいな感じになるから変に緊張しなくていいって思っちゃって!!」
スッゲー、一息でこんなしゃべれるんだな。
俺は思わず吹き出してしまって、彼女は思った反応じゃなかったのかポカンとした顔になった後、顔を真っ赤にしてパニックになりかけている。
…相変わらず可愛らしいことで。
マ「あ、あの、幻滅…した!?うん、したよね!私変だよね?はぁぁぁぁぁ〜〜〜やっちゃったよ!」
一人で百面相しながら独り言駄々漏れな彼女がバカみたいに愛しくて思わず抱き寄せた。
マ「え?…み、実くん?」
七「あ〜ぁ、スキ。ほんと好き。アンタのそーゆーとこ、ホント可愛い。」
腕の中で困惑してるのも少し固くなってるのも分かった。
まだ俺らは、恋愛初心者なんだよな。
七「俺のつまんないヤキモチ、全部吹っ飛んだよ。ありがと。」
マ「どう、いたしまして?」
七「プッ!なにそれ!ハハッ!………うん、好き。大好き。」
フッと彼女の体の力が抜けたかと思うと俺の背中に手を回してきた。
マ「私も、実くんが好き。」
顔を下に向けてるせいで表情は見えないけど、耳が真っ赤。
ん〜これはヤバい。大満足すぎて色々ヤバい。
でもこれはチャンスだ。
七「俺のこと好きならさ、今日はアンタからキスしてよ?」
真っ赤な顔のまま、パッと顔を上げて俺を見上げる形になった。
「大困惑!」としか言い様のない表情に笑いそうになりながらも最高のシチュエーションすぎて堪んない。
マ「それは、まだ、難しいですが?」
なんとかといった返答だが、ここはチャンスを逃してなるものか。
七「付き合う前にあんだけペタペタ触ってきたのに?」
マ「うっ…」
七「手も繋いだし、カラオケじゃ密着ドキドキしてきたくせに?」
マ「あぁぁ…」
七「そもそも俺の告白にキスで応えてくれたのは忘れらんない思い出だし。」
マ「〜〜〜っ!」
七「俺ら付き合ってんだから彼女からのキスくらい普通でしょ?ほらほら♪」
楽しくなってきた。
次はどのことを掘り出してイジめてやろうかなと思っていたら不意に顔を両手で挟まれた。
七「!」
柔らかい何かが唇に当たってる、と認識してから………長かった。
…いや、長過ぎて俺が困惑してきた。
どうした?唇やわらけ〜幸せ〜でも長くない?
と、思ったら熱が急に離れていって思わず彼女を目で追う。
マ「…キスっていつ離れたらいいの?」
七「ブフッ!」
マ「笑わないでよ!?」
彼女はもう涙目状態だ。
嘘だろ、そんな展開?堪んない、ヤバすぎるでしょ。
何回も俺からキスしてんのに、いざ自分からしたらそうなる?
七「アハハッ!もう参った、参りました!まさか半年たってそんな反応見れるなんて…ハハッ!」
これはしばらく部屋デート決定。
マ「実くんがしてって言ったんでしょ!笑うならもう私からは当分しないから!」
七「当分?じゃあしばらく待てばキスしてくれるんだ?」
マ「〜〜〜っ!」
七「仕方ないな、じゃあその分俺からたくさんさせて頂きますか。」
今度は俺から彼女にキスしてそのまま彼女を押し倒す。
マ「みの…」
七「ね、今日は泊まっていくんでしょ。なら、もういい加減色々進めない?俺はもう、我慢出来そうにないんだけど?」
恋愛初心者から一歩踏み出すのは今日しかないと思った。
彼女はこれ以上ないくらい真っ赤になっている。でも
マ「よ、よろしく、お願いします…」
意味はちゃんとわかってるようだ。安心安心。
七「うん、じゃあまずはアンタからのキスの練習からね。もっとすごいこと、二人でするんだからさ。」
俺だって慣れてるわけじゃないけど。
でも今日は特別な日になるから、始まりはアンタからのキスがいい。俺らの始まりはあのキスからだったんだから。
◎End◎