勘違い 「暇だから遊びにきたぁ」と言いながらジェイドの部屋の扉をフロイドが無造作に開け、そのままジェイドのベッドにぼすんと飛び込む。机で授業の予習をしていたジェイドは、棒付きキャンディをくわえたままベッドに横たわるフロイドを「行儀が悪いですよ」と軽く窘めるが、そこからどかす気はないようですぐに机に顔を戻した。
ベッドに仰向けになりしばらく舌で飴を転がしていたフロイドだったが、「そういえばぁ、聞いた?」とジェイドに話しかける。
「小エビちゃん、三日後に元の世界に帰るんだって。」
その瞬間、ノートにペンを走らせていたジェイドの手がぴたりと止まった。
「……そうですか。監督生さんはさぞや喜んでいるでしょうね。お帰りのときには僕も笑顔で送り出して差し上げなくては。」
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