N-2 N-2
とある城の一室。げっそりと疲れ切った二人の吸血鬼がテーブルを挟んで座っている。一人はテーブルに突っ伏し、もう一人は椅子の背に身体を預けてなんとか姿勢を維持していた。
「ドラウスは良くやってる……いつもあの御方の遊びに付き合ってるんだから」
ノースディンは椅子の背にもたれて天井を見たまま言う。
「うう……ありがとう、ノース」
ドラウスはテーブルから顔を起こしてノースディンを見た。
「今回はどうなることかと思ったよ……ドラルクが采配を振るってくれて、助かった」
「あの子も頑張ったな」
弟子の前では絶対に言わない素直な感想。親友にして弟子の父親であるドラウスにだけは言ってもよかろう。もちろん、口止めはするのだが。
1482