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    kuroha_magokoro

    えーい真心ちゃんでーす!
    紺青。ちゃんだったり白昼夢。ちゃんだったりしますがそれはどうでもいいや。
    ついったでちまちま流してる1日1絵の保管庫用。
    内容はほぼほぼゆじか五か五悠か創作だと思われ。
    エロ……は苦手だからないけどグロ、にょた女装年齢操作推しカプはなんでもやらかすから地雷ある人は回れ右ね。
    支部垢あるからそっちに置いといても良かったんだけどちょっとハードル高かった。

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    kuroha_magokoro

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    なんか渋谷事変はあったけど死滅回遊はなくてなんだかんだ羂索倒してゆじが指20本飲んじゃった世界線!
    先生は封印解除ならず未だ箱の中でゆじが死刑されたとこ!!!

    この後呪詛師堕ちした先生がゆじの首抱えながら生き返らせる話!

    めっちゃ書き途中特i級i呪i物iパロ
     宵闇に紛れ、青年は逃げ惑う。その表情は異形となったあの日から幾度も季節を越え、随分と大人びていた。 
     絶望するでもなく、泣くでもなく、友と呼んでくれた人に助けを求めることも無く、もうすぐそばに迫った死を受け入れた顔をした青年。
     ただ終わる前に、奇跡でも起きないかと、もしかしたら最期に一目だけでもあの人に会えるのではないかと、荒唐無稽な夢を見て受け入れた死を少しだけ否定する。
    それが確率ゼロの馬鹿な選択だったとしても。
     あの人に褒めてもらったワザも、仲間と共に立った戦場で身につけた技術も、対峙した強敵との戦いで得た能力も、相手には一切使えない。

    なぜなら相手は人間で、自分を殺せと上層部に命令されて来た呪術師で、それは絶対的な正義であって、
    対して自分は、全盛期の力を取り戻した呪いの王なんてものを宿した諸悪の根源であるからして、自分が彼らに牙を向けば彼らは呪いが人間に牙を向いたと大義名分を掲げて自分を殺しにくるだけなのだから。
     別に追われるのは随分と前から同じようにされていて、その度に1度も傷つけることなく撒いて仲間に助けを求めていたが、
    もう疲れてしまった。

    『指を20本飲んだんだ。』

    『おぞましい呪いが人の皮を被りやがって。』

    『制御できているから殺す必要はない?いつ制御不能になるか分からないのにどうして生かしておく必要がある?』

    『自分のしでかした罪を忘れるなんて、さすが呪いの器だな。罪悪感なんてものは無いのか。』


    『『『『さっさと祓われて死んでくれ』』』』




    「殺してくれるはずのあの人はいないんだ。もう、終わりにしよう。」
    愛してたよ、先生。1度もいえなかったし、伝えるつもりもなかったけど。

    青年は知らなかった。かつて愛する人が己の先輩に伝えた言葉を。

    『愛ほど歪んだ呪いはない』

    全くその通り!

    青年は知らなかった。自分が酷く呪っていて、同じだけの呪いを返されていることを。
    だから、終幕を迎えるはずの物語は終われない。
    いつだって読者が望むのは、呪いが解けてハッピーエンドを迎えた主人公なのだから。







     追っ手は青年の心情になんて気づかない。呪いが何を考えていようが、祓ってしまえば同じだから。


    器が逃げ込んだ雑木林を駆けずり回る。木の枝が頬をなぞり、赤い線をえがく。あぁこんな些細な痛みも腹立たしい、全ては器のせいだ。こんなにも人に迷惑をかけるなんて。
    男は苛立っていた。早くこのおぞましい呪いを殺したいと願っていた。
     だから、不意に逃げ惑っていた青年が歩みを止めたときに真っ先に首を落とした。勢いに任せ刀を水平に滑らせて、その首を切断して。
    首から溢れ出した血飛沫が、男の頬を生暖かく濡らした。器が生きた証明は冷え固まり濁る。
    あっけなく落ちた首と崩れ落ちる体を確認して、呪いを込めたその刀で心臓を抉り出す。
     呪いの王の首を落とした男は歓喜に震えた。あの両面宿儺の器を殺したのだ。それは、最強、五条悟にも出来なかったこと。歴史に、呪術史に最も尊い名として刻まれるのは自分に間違いない!


     確かに、男の野望は叶えられた。酷く残酷で滑稽な形で。
     暗闇のせいで男は器の遺体が崩れ落ちていないことに気づかない。
     確かに、受肉した九相図兄弟の遺体は消えることなく残った。
     では両面宿儺の器、虎杖悠仁は?
    答えは否。二十にわたり猛毒を取り込んだ体はほとんど呪いと化し、虎杖悠仁の人でありたいという願いが繋ぎ止めていただけであって。
    とどのつまり、宿儺の器を祓ったのだからその遺体は消えるべきであって、そうならないと言うことは?

    両面宿儺は祓われていないということで。


     木々がざわめき その存在を主張する。

    落とした首が、わらいだす。

    笑いだす。

    嗤いだす?

    笑っている?

    本当に?

    クツクツと堪えるように小さく笑っていた声は次第に声量をあげ、おぞましいわらい声を響かせる。

    「おい!何してんだ逃げろ!」

    誰かの絶叫が轟いたその時にはもう手遅れで、男の視界は赤い塊で埋まった




    ぐちゃりぐちゃり
    それはなんだ?
    それは肉だ。
    なんの肉だ?
    人間の肉だ。
    どうして?
    理解しようとするのか?
    理解したくない、知りたくない嫌だ

    真っ白な頭で繰り広げる自問自答。
    これ以上考えてはいけない。すぐに思考をやめなければ。
    そう思うのに自分の頭は思うように止まってくれなくて

    誰の肉だ?
    同行していた呪術師のものだ。
    彼らは無事か?
    いいや自分以外の全てが肉片となった。
    ならなぜ自分は生きている?
    なぜ、なぜ?
    自分は何をした?
    器の首を落とした。
    器は死んだか?
    器は死んだ。
    ならわらっているのは?
    恐れていた両面宿儺、呪いの王。
    どうして両面宿儺が動いている?
    抑え込んでいた器が死んだから。
    器を殺したのは?
    紛れもない自分。

    「正解だ」

    落とした首が言う。
    酷く楽しそうに。

    どうして俺の考えていることがわかるんだ、なぜ、なぜ?呪いの王だから?怖い、怖い、こわい!

    「まぁ落ち着け。俺に人の心を読むような力はない。」

    だいたい口に出していたぞ。
    ため息混じりで呆れたようにこぼれる声。

    そんなんどうだっていい。
    なぜ自分は殺されない?
    俺は呪いの王を封じる最後の砦を壊した。それが生かされた理由ならなんだ、動けるようにした御礼に殺さないでいてやると、そういうことか?

    男は今初めていもしない神に感謝した。日頃の行いが良かったのだろうか。肉塊となった呪術師は可哀想だが、同時に招集された同業者なだけで、

    そんな甘い話、あるはずないだろう?



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