あらすじ:お酒を盛られ、五に契約書を書き直されて、実は主が変わってしまった次の日。五が出発の日。🌸まだ気付いてない←今ココ
「今日から五l条さんと一緒に行きなさい」
「いやぁ、お世話になったね。ありがとうございました。ほら行くよ」
「?なんで?」
「○○ちゃん、元気でね」
「??」
この黒い男、ごlじょーに手を握られて、夫婦に見送られて家出る。頭の中はハテナでいっぱいだ。持たされたリュックの中のお菓子が揺れた。
守護神だから性質上、わたしは主人とあまり離れられないようになっている。離れると磁石のように引き戻されるのだ。なのに契約主である夫婦と離れていってもその抑制力が働かない。何で?
たくさん考えて後ろに戻ろうと歩みを止めようとしても、逆に強い力で手を引かれるだけ。ごlじょーさんは全く足を止めないから、長い足につられて自然に不自然なリズムの小走りになる。歩きながら後ろを振り返って、遠くなっていく夫妻を見る。待って。わたしの、あるじ。守護霊の本能的な力が働かずとも、わたしはごlじょーさんの手を振り払い、咄嗟に2人の元へ走っていた。けれど数メートルで何かが目の前に現れ、拒まれる。見えないそれは、力を込めて指で触ると見えないクッションのように柔らかく、空間が揺らぐ。なんで。
「んぎぎ…!」
こうなればこいつを破って、とさらにグググっと力をかけたところで、くいっと体が後ろに引き寄せられるような引力を一瞬感じたと思うと、背の高くて黒い人に抱き上げられていた。
「ほら、行くよ」
「??あれれ?」
首まですっぽり覆う様に背中と太ももに手を回されて、自分のお腹がこの男の人の胸にぴったりくっついている。目線の先には、肩越しに遠ざって行く家と夫婦。もうあんなに小さい。
もしかして、主人変わった?
何も言わずにじっと彼を見上げる。あんた、一体何をした。目が合うと、彼の空を閉じ込めたような瞳は意味深に笑いかえすだけだった。
「なに?どうかした?」
謎の遮る力と、これだけ離れているのに主人の夫妻の元へ引き戻されないこと。それどころか今はこんなに離れることができる。それとこの人の顔。確信してしまった。
あの2人は、もう、きっと私のあるじではない。思うことは色々ある。
なんで。私のことを他の人にあげるなんて。私はいらない子だったのだろうか。
一瞬悲しくなったけれど、それは本当に一瞬だった。そうだ。私が選んだあの2人が信用してこの人に預けたのなら、きっと間違ってない。私はあの2人を信じているから。
「ううん、なんでもない」
あの2人に従って、私はこの人について行くしかないのだ。
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(帰国後)
「悟!大丈夫だった、かい、?…なに、その幼女」
「ん?僕の子」
「…悟、お前がどれほど女遊びしようが止めなかった私も悪いけど、まさか現地妻がいて、それも孕ませいたなんて…親友として信じられないよ。情けない」
「待って待って、違う違う!○○、災害級の悪魔!」
「えっ…えっ!?」
「あくまじゃないもん!ひどい!さいてい!」
「この変な前髪、僕の親友だからさ。○○、自己紹介して」
「○○です!すきなものはマドレーヌ!よろしく!」
「私は夏l油l傑。よろしくね…?それで、君は悟の何なんだい?」
場所を変えて、かくかくしかじか
(夢主は硝子ちゃんと遊んでる)
「え、じゃあお前、契約書ちょろまかして主人になったってことか?は?まって本気で言ってる?」
「うん、貸してって言ったらいいよって言うから砂消しで消して書き換えた」
「は???お前、自分がどれほど危ないことしたか分かってんのか???よく生きてるな?」
「まぁ気付かれたら命はなかったかもね、流石に。でも結果オーライだし、いいんじゃない?今更バレたところでもう契約主は僕。彼女も手出しはできないどころか、嫌でも僕の言うことに従うしかない。後の祭りさ」
「お前…ほんと最低だな…」
「だからあの子、大人しいでしょ?あの子も分かってるんだよ。もうどうしようもないって」
「はぁぁ…ほんと、はぁー…」