剣の人柱1
ここはスカイロフトの民が祈りを捧げる女神像の内部。
神聖な場所とされているここには一部の人間を除き、誰も立入ることが出来ない。
さぁこちらへと導かれて少女が連れられたのは、その中央の祭壇である。
そこには青白い光を放つ一本の剣と壁に埋め込まれた三つの石版があった。
「この剣の前にお立ち下さい。」
長身の女に呼ばれて蒼の少女が後に続く。少女が剣の前に立ったのを認めると、女が口を開いた。
「あなたは何もしなくていい。後はなるようになる…」
少女は何も言わない。ただ虚空を見つめるのみである。沈黙を肯定と捉えたのか、女は更に続けた。
「私は今からここを立ち去りますが…後は一人でも大丈夫ですね?」
しばらくの沈黙の後、こくりと頷く少女。
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