さよなら、初恋。【モブ×としこ】カツカツと足音がするなぁ、と思っていたら僕のいる教室の前でその足音が止まる。
僕は(あの人が来てくれればいいのにな)なんて思いながら、ガラリと開かれた扉の方を見て、静かに息を飲んだ。
「……残ってる生徒はっけーん。」
何をするでもなく、教室の椅子に座りぼうっと窓の外を見ていた僕に声がかかる。
「……としこ、先生……」
「残ってる生徒が居ないかの見回り兼鍵閉めしてたんだけど」
としこ先生は僕の顔を見るやいなや、再びカツカツと足音を立てながらこちらに向かってきて__
「悩み事あるなら聞くぜ?」
僕の真向かいの席に腰を下ろした
「……っ、」
としこ先生の、ブラウスに覆われているむちっとした肌に、無意識に生唾を飲み込む。
__ああ、としこ先生は純粋に心配して声をかけてくれているというのに__。
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