物心が付いた頃から周りには俺以外の人でも見えるヤツと、俺にしか見えないヤツとがいた。俺にしか見えないヤツ、というのは所謂ユーレイというもので、そういう連中はどことなく周りの人とは違った雰囲気を持っているのだが、そもそも着ている服が季節外れだったり時代が違っている事が多い。おっとうとおっかあも見えない側の人だったから、説明も上手くできず逃げ回るしかなかった俺の幼少期、これは弟のツキトが生まれて話し始める頃には変わっていった。
理由は知らないが俺よりもツキトの方がユーレイに纏わりつかれやすい体質だったのだ。
幼かったあいつはしょちゅうユーレイに絡まれては逃げ回り、その上ユーレイなど見えていない近所のガキ共がツキトをからかうものだから俺はユーレイとツキトの間に割って入っては啖呵を切り、それに怯んだらしいユーレイが消えるとその足で悪ガキ共と喧嘩した。
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