星王子であるカーンタロウは城を抜け出して街に出るのが好きだった。
堅苦しい城から出て賑やかな城下町を見るのは楽しいし、いずれは野望を叶える為に国を出たいと思っている。
その日も城を抜け出して街を散策していた。
何故だかわからないが、いつもだったら通り過ぎるような路地裏が今日は気になってしまい、覗いてみた。
そこには浮浪者や闇商人と思しき者がちらほらと見える。
ここは入ってはマズい、と感じたが、ただ一人、目について離れない者がいた。
赤茶色のクーフィーヤを頭に纏いイガールの代わりに赤い宝石が付いた金の装飾品を上から巻いている男性
近寄ってみると貴金属や宝石を置いている商人のようだった
その中にいくつか、見覚えのあるものがあった
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