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    Hyoki

    @hyoki_fgo

    推しカプ書くために尻叩きです

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    Hyoki

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    ソロぐだで書きたかったけど途中で諦めちゃったやつ
    ※現パロでございます

    読書感想文課題に読書感想文を出された。高校生にもなって感想文とは如何なものかと思ったが、課題になってしまっては仕方がない。しかし、普段あまり本を読まない立香からしたら予想以上の難関が迫っている。そう、選書だ。難しいものを選んだら読みにくい。長いのを選べば読むのに時間がかかる。

    「先輩、選書できそうですか?」
    「無理に決まってるよ〜!」

    ぐだぐだと机に伸びる。なるべく安めですぐに読めて読みやすくて面白いやつ。狙うはこの4ポイントが揃ってるやつだ。しかし、どんな店に行けばあるのか分からないし、だからといって一軒一軒回りたくない。

    「マシュ、いい店知らない?」
    「そうですね...ロマン古書店なら大丈夫だと思います」
    「ロマン古書店?なにそれ、聞いたことない」

    マシュ曰く、『イケメンの店長さんが居て選書の相談にも乗ってくれる秘密スポット』そうだ。これは行くしかない。イケメンの店員さんが居るのはポイントがかなり高いぞ。早速、放課後に行くことにした。イケメンを拝めて選書を手伝ってくれるだなんて一石二鳥じゃないか。


    「いらっしゃい、何かお探しかな?」
    「あ、あの!選書を手伝って貰いたくて来たんですけど......」

    マシュの言う通り......否、以上のイケメン店長だった。象牙色の長い髪は後ろでポニーテールにされており、肌は浅黒く焼けていて、琥珀色の瞳が私を貫き、柔らかい視線を向けている。古書を纏める大きな手には金色の指輪が全ての指に嵌められていた。既婚者、なのだろうか。

    「ああ、読書感想文かな?どんな本を探しているんだい?」
    「読みやすくて、安くて、すぐ読み終えられて面白いやつでお願いします!」
    「言うと思ったよ、ちょっと待っていてね」

    そう言って店長さんは古本の積み重なった店の奥へと消えていった。買う目的も目当ての本もバレているだなんて思ってもいなかったけれど、すぐに見つかってよかった。だが、その思いは店長さんが持ってきた分厚い本によってかき消された。すぐに読み終えられるものと言ったはずなのだが。

    「おいで、この中からジャンルを選んでご覧」
    「え、読みやすければ...」
    「私は目的が分かっても好みまでは把握出来ないからね、好きなジャンルを選んで欲しい」

    パラパラと捲ってはみるもののあまり本を読まないので好きなジャンルが分からない。しかし、困り果てた私に店長さんは声をかけてくれた。

    「小さい頃、どんな本を読んでいたの?」
    「絵本ですか?」
    「うん、絵本でも何でも」
    「シンデレラとかお姫様が出てくるようなファンタジーな本ですね」

    そう答えると店長さんは分厚い本を捲って近くの棚から手頃な本を取り出した。文庫本サイズで少しページが茶色くなってしまっているが、表紙には綺麗な星空が描かれている。上の方には大きな文字で「銀河鉄道の夜」と書かれており、下には誰もが知る「宮沢賢治」の名前。しかし、立香はふと思ったのだ。銀河鉄道の夜ってそこそこ長かったような気がすると。


    「あの......」
    「宮沢賢治は苦手?どの本を取るにも初めは日本の童話作家や絵本作家がいいと思ってね」
    「それ、長くないですか?」


    あまり長くないもの、と伝えたはずなのにそこそこ長いものを持ってこられてしまった。立香が不安そうに店長の手の中にある本と店長を交互に見つめていると店長はふわりと笑いながらこう言った。


    「大丈夫。銀河鉄道の夜と書いてはあるけれど他にも短編が一緒になっているだけだよ。それに、宮沢賢治の表現と書き方は比較的読みやすくて、気づけば作品の世界に入り込んでいる人が多い。普段本を読まなくてファンタジーものが好きな人にいつも勧めているんだ」


    試しに読んでご覧と言われて渡された本をパラパラとめくってみる。適当なところでピタリと手を止めればそこには「双子の星」とタイトルがあった。
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    Hyoki

    MOURNINGソロぐだを書きたかったやつ
    事故レイシフトしちゃった立香ちゃんがソロモンに歌を歌います
    ※ショタモンが出てきます
    ※SEKAI NO OWARIの『すべてが壊れた夜に』『深い森』『不死鳥』『花鳥風月』がイメージになってます
    花鳥風月小さい頃、よく聞いていた歌が脳内で何度も再生される。だいたいこの歌が再生されるのは自分が辛い、不安だと思った時だ。事故で何時かも分からない世界に飛ばされ、乾燥した大地の街に一人。知り合いなんている訳もなく、ただ何もわからないままとぼとぼ歩くしかない。人混みで埃立つ大路を抜け、小さな泉のある方へと歩みを進めた。ここなら人も少ないし状況整理が出来る。何たって寝床に着いて目を閉じたら急にこの世界に飛ばされていたのだ。まずは情報を集めなければいけない。
    立香は脳内に流れる歌を口遊ながら靴を脱いで泉に足を浸す。この国は暑い。カラリとした暑さから地中海周辺、特にその東の方だろうかなんて目安を付ける。今の立香にできることは情報収集しかない。しかし、騒然としているこの都市ではそれも難しかった。戦争中なのかはたまた国内で争いが起きているのか皆慌ただしく歩き回っていた。これでは情報収集どころではないと察知した立香は咄嗟に判断し、街外れの泉へとやってきたのだ。ふと街の方を振り返れば大きな宮殿のようなものが目につく。あれは、なんだろうか。
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    recommended works

    sakikuryo

    REHABILI高杉社長について書きたい咲紅さんはあの川の土手にいっせいに彼岸花が咲く頃、国道にかかるしろい歩道橋の上で認めざるを得なかった変容についての話をしてください。

    #さみしいなにかをかく #shindanmaker
    https://shindanmaker.com/595943
    社長+ぐだ謎の時空の謎のレイシフトだと思ってふわっと読むことを推奨
    社長+ぐだ
    ぐだの性別はふわっと不問

    ==
     股の下をくぐって大型車が何台も行き来するというのは、ことによると吹っ飛ばされそうな心許無さを感ずるものらしいが、その点、高杉は状況をいくらでも楽しむ度量があった。酔狂と言い換えてもいい。直接触れたわけでもないのに、アスファルトの振動が柱を伝って、片側二車線道路を大きく跨いだ歩行者用の橋を震わせる。
     歩道橋のさびた手摺を掴み、うわあ、と小さく呟いたマスターはと言えば、ワイバーンに追われている時よりも、ともすると、危機感めいたものを横顔に湛えている。おかしなやつだ。高杉はそう思って、しかしふと、よく知っているからこそ怖いこともあるのだろうと思い直した。ピストルを不用意にべたべた触るのはピストルが何なのか知らないからだ。絵巻の中の妖怪にできることだってたかが知れている。高杉にとっては呪いの類よりも刀のほうが、生々しく死を感じさせるものだったし、あるいは畳に敷かれた布団のほうがおぞましく生を鈍らせるものだった。自分より百年か二百年、後の世に生まれたマスターなら、巨大なイソギンチャク以上にお四トントラックが恐ろしいことだってあるのだろう。
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