コンコン、
「ピーター、まだ起きてるか？」
ノックの後、部屋の扉越しから少し控えめなハリーの声が聞こえてきた。
「まだ起きてるよ」
短く返事を返すと扉がゆっくり開き、部屋着姿のハリーが入ってきて僕は読んでいた本を畳む。
「その、今日も一緒に寝ていいか？」
少し眉を下げてお願いをするハリーが何だが小さな子供のようで思わず可愛いな、なんて思いながら持っていた本をベッドの横の机に置いた。
「もちろん、ほらおいで」
体を横にずらして空いたところをぽんぽんと軽く叩くと、ハリーはすぐに体をベッドに滑り込ませてきた。
2人分の重さになったマットレスはギシッと大きく音を立てながら揺れて、僕らを受け止める。
その音を聞きながら、安物のシングルタイプベッドに男2人はかなりギリギリだと改めて思う。
それこそお互いができる限りくっつかないと体半分が飛び出るか、最悪床に落ちるかくらいには狭い。
寝心地がいいかと聞かれれば微妙なところだが、それでもこうして時々やってくるハリーを自分のベッドへ受け入れるのは一緒に眠ることが案外悪くなく、むしろ心地よいとすら感じるからだ。
今だって背中を合わせて眠りにつこうとしているけれど、その背中から伝わってくるハリーの温もりに何故だか安心する自分がいた。

ってところまで書いて途中でやめた。