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    まお3

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    まお3

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    🔗(→)👟 リーマンパロ in Japan
    書きたいとこだけ。

     やらかした…
    完成させた資料を確認終わりに間違えて消してしまった。なんで完成した時点で一旦保存しなかったんだ俺…
    午後のミーティングで使う資料だから、あと一時間半で作り直すのは正直厳しい。
    バックアップは文章のみの下書きだから、イラスト付きの資料に比べたらプレゼンのし易さや分かり易さが全然違うし、できるところまではやらなければ。
    あ、あ、とかあーとか意味の無い音を出し、わたわたしつつも資料を作り直す。
    「サニー、大丈夫?体調悪いの?」
    「へ、あ、せんぱい」
    急に掛けられた声にびっくりして気の抜けた情けない声が出る。シュウ先輩は教育係として何かと俺を気にかけてくれる優しい人だから密かに憧れ尊敬してる。そんで推し。シュウ先輩に一目惚れしてからというもの、気付けば目で追ってて。仕事が出来るから周りの人から頼られるのは言わずもがな、常に周りを見てて気配りもめっちゃできるから推しになるまでに時間は掛からなかった。
    資料の進捗も尋ねられてヤバいと思いつつも素直に話す。
    「間違えて完成した資料消しちゃって。今作り直してます」
    「午後からのやつだよね、間に合いそう?良ければ僕も手伝うよ。一人より二人の方が早く終わるよね」
    「いえ、あの…すみません。お願いします」
    ああ〜絶対幻滅された。苦笑いしてるもん。それでも手伝ってくれるの先輩の評価にも響くからだよな。迷惑掛けちゃったな…
    ずっと落ち込んでもいられないので、気を取り直して先輩のPCにデータを送ってレイアウト等を話しながら資料を作成すると、あっという間に印刷・ホッチキス止めまで終わった。
    急なことにも関わらず、要点がすぐに分かるとても見やすい資料を作ってくれる先輩は流石だな。
    「先輩、迷惑掛けてすみません。本当に助かりました。ありがとうございます」
    「そんなに気にしなくていいよ。僕は当たり前のことをやっただけなんだから。後輩が困ってて、僕は手伝える状況だった。それだけだよ」
    にへらって笑って気を遣わせないようにしてくるの聖母すぎだろ。お礼どうしよ…
    「あ、先輩お昼外ですよね。一緒にどうですか?」

     先輩の了承を貰い、オフィスの裏通りを5分ほど歩くと広い塀が見えた。
    棟門をくぐると立派な日本庭園が見え、石畳を歩く。引き戸を引けば玄関から続きになった奥座敷があり、既に多くの客で賑わっているものの、衝立や店内に流れる琴の音色が趣深くてリラックスできる。通された席に着き、メニューを眺め先輩も決まったところで注文する。
    「あの、先輩ほんとに助かりました。改めてありがとうございます」
    「いやいや、ほんとに大丈夫だよ」
    「でも、先輩に迷惑掛けて尻拭いまでさせてしまって…正直、失望されたなって」
    「んはは、失望なんてしないよ。確かに、サニーでもやらかすことあるんだとは思ったけどね。初めてじゃない?変な表現だけどサニーも人間なんだなって、親近感湧いたよ。僕が初めてやらかした時みたいで思わず笑っちゃった」
    …不意に微笑まないで先輩、心臓に悪い。

    ————————————————————————
     
     家に帰りシャワーを浴びたあとベッドへ倒れ込んで今日を振り返る。ミーティングも上手くいったと思う。先輩のアドバイスのお陰で先方の反応というか感触も良かった気がするし、主任も良かったって言ってくれたし。でも、それを先輩に言えば君の実力だよって!は〜〜〜まじ褒めて伸ばすタイプだよな、先輩。ランチのときも可愛かった。食べる所作綺麗だし、一口小さいのも、食べるのゆっくりな割に量食べるからちょっと焦りながら会社に戻ったのもほんと…っていうか、あの薄い身体のどこに入ってんだろ。俺より食べてた気がする。俺がお会計したの知って慌ててたの可愛すぎたし、お礼だって言ってもなかなか納得してくれなかったからレシート捨てたって言ったら結構値が張ったでしょ?って申し訳無さそうに言った後に俯いてご飯美味しくて食べすぎたからってボソッと零したのばっちり聞こえてたよ?耳が微かに赤みがかってるのも見えてたよ?先輩可愛すぎない?今日だけで先輩の新たな一面見れて嬉しかったし、シュウ先輩はギャップ萌えで殺してくるタイプだって分かったから明日からも頑張れる。
     一人でこの気持ちを消化しきれなくて同僚のウキに飲み会で話せば、
    「はぁ、もう告白するなり何なりしろよ」なんて馬鹿なこと言われた。俺にとって先輩は推しだから告白なんて以ての外だが?可愛いと思うことが好きとイコールにはならないだろうし。そう、あくまで俺は推しとしてかわいい先輩が好き。推しとして、推しとして、ね。

      ———推し、だよな?
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