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    tooi94

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    ふぇいとパロのロナドラちゃん

    #ロナドラ
    Rona x Dra

    僕の考えた最強の英霊ロナドラちゃん魔術師の召喚に応じたのは、細い針金のような黒い吸血鬼を伴う、赤い衣裳の退治人だった。
    当たりだ、と魔術師は思う。
    それは子供たちが寝入り際にせがむ英雄譚で、どこの図書館にもある書籍の主人公だ。銃の名手と伝えられる。
    「貴方が俺のマスターか」
    僅かな緊張感をともなって退治人が問う横で、吸血鬼とその使い魔であるアルマジロは物珍しげに辺りを見回していた。
    魔術師が是と返す。

    退治人を扱うにはひとつ、条件が示された。退治人たちには二つ宝具を有しており、そのうちの一つは絶対に使用しないこと。
    「使ったら俺は自害するし、その前にアンタを殴る」
    退治人は素手で大型の敵性を殴り殺した逸話持ちた。それは絶対に避けねばなるまい。
    彼は頼もしく、そしてともに過ごす時間は実に楽しかった。物語に違わず退治人の暴力に敵はないし、吸血鬼はかよわく盾にもならず使い魔をまるで生き物のように愛でるが、知識深く、代を重ねて研鑽を積んだ魔術師が、敬うべき存在であることを心得ており、話し相手に申し分ない。
    何よりその身は竜である。
    炉心や眷属どころの話ではない、呼吸だけで莫大な魔力を生成する幻想種それそのもの。
    脆弱な吸血鬼の身に余る神秘だ。恩恵を受けているだろうに、退治人などにはその真価はわかるまい。
    彼らを引き当てたのは幸運だった。私ならば彼ら、彼の竜を正しく運用してやれる。

    魔術師の申し出を、しかし退治人は愚かにも拒否した。
    主人にすら、ほんの僅かでも竜あるいは真祖の秘蹟を開示したくないというのか。腹立たしさのままに魔術師は退治人を殴りつけたが、英霊らしく整った顔に傷などつけられるはずもなく、彼はただ僅か眉を下げる。
    なんだそれは憐憫か。これは私を哀れんだか。たかが過去の亡霊の癖に。
    振り上げた魔術師の拳を、しかし、ひんやりと冷たい指先が撫でるように包んだ。
    「マスター、魔術師殿、どうぞご寛容を。彼の思考はまだ未熟なのです。根源を望む崇高を理解できない幼児なのです」
    囁く吸血鬼の声音は魔術師の耳に馴染む。改めて退治人を見てみれば、体格こそは隆々と逞しくあれど、その顔はまだ幼いと言っていい。なるほど、先ほどのあれはこの若輩が、己の持ち物である吸血鬼を奪われることを危惧したのだろう。魔術師は嗤った。
    魔術師は吸血鬼に、つい先ほど退治人に向けた要請を語る。退治人と使い魔が少し騒いだが、当の吸血鬼に宥められてすぐに鎮まった。
    ああやはりこの吸血鬼は魔術師を理解する。素晴らしい。彼の肩越しに見える退治人が唇を噛むのが見え、魔術師は確かに優越を覚えた。
    「しかしマスター、この身はかの退治人のものなのです。どうか、賢明な判断を」
    そう言って淑やかに目を伏せる吸血鬼と、皮鳴りを隠しもしない退治人に、魔術師は一画目の令呪を使った。
    逆らうな。拒否するな。服従を。全て差し出せ。

    手始めに、魔術師は吸血鬼の小指を所望した。ほんの爪先だ。吸血鬼から離れて仕舞えばただの塵、それも少し距離を置けば消えて無くなるそれは、しかし竜の神秘である。
    魔術師はその僅かな塵を、自らの魔術回路の端に重ねた。驚くほどにそれは馴染み、ほんの僅かに不安のあった魔術師の魔力量を補って余るほどとなった。知識ばかりで使えなかったはずの魔術にも届いた。
    指の爪先だけでこれならば、腕は、脚は、目は、腑は、精は。
    提供者は吸血鬼の方であると言うのに、退治人には容認しかねるようで、しかし令呪に逆らえず苦痛に呻く姿が魔術師には可笑しかった。実に滑稽だ。
    魔術師とは魔術への探求者である。自由に扱える材料があれば研究に打ち込むのは当然だと言うのに。

    魔術師の戦争は順調に進んだ。
    退治人の火力は凄まじく、拳の一撫で敵の弓兵を倒した時などは思わず歓声を上げた。魔術師は後方に座し、ただ勝ちの報告を待てば良い。
    魔術師には根源に至る道筋が見えていた。

    残すはあと三騎となったところで、魔術師の計画に狂いが生じた。工房が襲撃された。
    2騎が退治人を抑え、もう1騎がその裏で動いていた。手を組まれたのだ。
    辛うじて駆けつけた退治人はすでに大きく損傷している。満身創痍になりながら退治人が連呼する吸血鬼は、魔術師がちょうどいくつもに腑分けしていたために役に立たない。
    俄に訪れた死の恐怖に慄く魔術師は、退治人の二つ目の宝具を思い出す。
    使えば、使う前に自害すると退治人は言った。
    魔術師は一つ令呪を使い、自害を禁じた。
    服従に、重ねてもう一画、宝具の使用を命じる。

    退治人の、あるいは、吸血鬼の宝具
    「真祖の心臓」

    Hai Acasa hai cu mine.
    詠唱は、吸血鬼の声で成される。

    気がつけば当たりは焼け野原だった。敵の影はなく、生命の反応もない。あれほど竜の残骸から離れまいと付き纏っていた使い魔の姿もない。
    ただ魔術師の目の前には、銀髪碧眼の、真っ黒なマントを纏う美しい吸血鬼がいた。
    その顔は退治人のものだ。
    魔術師は退治人を呼びつけようとして、失敗した。舌が乾いて張り付き動かせない。
    けれどその僅かな身じろぎだけで十分だったのか、退治人=吸血鬼が魔術師を見た。その目には、かつて見た人の良さそうな輝きも、善良そうな温度もない。

    「それ、俺のだ」

    一言。
    それだけで、寄り添っていたはずの竜の神秘はごっそりと、魔術回路を引き裂きながら剥がれた。凄まじい激痛に、魔術師は悲鳴をあげることもままならない。塵は退治人=吸血鬼が差し伸べる手に纏わり付き、しかし竜の姿は戻らないようだった。
    ほとほと、と、退治人=吸血鬼の青い目から涙が落ちる。

    Hai Acasa hai cu mine.
    Dragii mei,dragii mei.

    激痛に、魔術師の意識はいったん途絶える。
    次に覚醒した時、彼は薄暗い部屋に、塔にいた頃の同僚と、聖職者服に身を包んだ数人の前に横たえられていた。

    「君は責任を取らなければならない。あれを解き放ってしまった責任だ。
     弓兵? 何を言っている。それは君たちが倒してしただろう。
     彼らがそう名乗ったかね? 
     彼は狂戦士だ。今では竜の炉心を有する。魔力切れによる停止も見込めない。真祖の吸血鬼が巧みに隠していたのだろう。あるいはただただ君の思い込みに任せていたのだ。なるほど、君は彼に信用されていなかったのだね。記憶の共有すらなかった。残念だ。いや、過分な期待は劣等の君には申し訳なかったね。
     しかし君は一度彼の神秘をその身に取り込んだと自供してくれた。おかげで望みがある。
     災厄と化したかの英霊を止める手立ての参考にくらいは、きっとできるはずだ。
     さあ、まずは…確か、小指の先を切って削ったのだったかね?」


    ロくん:混沌・善(狂)・人:アーチャー適正持ちのバーサーカーだよ! 宝具は銀の弾丸て書いてシルバーバレットシャイニングウイングとかでもいい?! 対人の超強力宝具だよ!
    ドちゃん:混沌・悪・地:プリテンダー適正持ちなのでマスタ騙してたのはドちゃんだね!そもそも契約はロ君とマスタの間で行われる。

    ロナルドくんは会話できる狂戦士なので、途中まではなんとか軌道修正したいなと思ってたけど魔術師からドちゃん有効運用したい申し出の時点でヤダなって思ってる、ドちゃんは初めからマスタ嫌いなのでマスタにはご飯ふるまわなかったけどロ君と○にはなんか作って食わせてる(ストレス)
    宝具の真祖の心臓はそのままロ君にドちゃんの心臓預けるあれ、狂戦士が尽きない魔力精製回路持つしドちゃんの特性即時復活が適用されてるので殺しても体力1で蘇り次のターンで全回復する、人の話を全然聞かない、ドちゃんいなくてヤダヤダする5歳
    ドちゃんの詠唱「Hai acasa hai cu mine」は「一緒にお家に帰ろう」
    ドラルク本人はロ君を絶対に負けない状態にして安全確保して安心して心臓だけになるくせにおうちに帰ろうとかいうひどい。だからロくんは絶対に使わせたくない、ロくんだってドちゃと○と一緒におうち帰りたい。
    ドちゃんがいる間は二重召喚スキルとかで他適性の方が前に出てるので会話が成立するけど、94回殺しておうちに帰してあげるまで近づくものみなデュンてする逆転の姿なのは狂戦士特性に特化してそう ただの好み
    聖杯にお願いしてドちゃんとこ帰るとかでも良い
    人理脅かしそうだけど多分守護者の方、初めロくんだけ組み込まれかけたけどドちゃんは自分の居たいところに行くのでにっぴきでいれば多分大丈夫。ドちゃんの宝具使って世界を救ったあとはおそらく平行世界のΔロくんがなんか隊長さん居なくなっちゃう夢見てしばらく隊長さん放さない程度の影響ある
    理想は弓兵で宝具使用時に狂戦士とかだったけど二重召喚は四騎士に限定されてるので ロくん作家だからキャスター適性あるかもしれなかったけど暴力やはり暴力。
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    nemurinekomaru

    PROGRESSロナドラ♀里帰り出産の続きです。ノスのお城に着きました。
    ちょっと短めですが、続きのノス視点はそれなりに長めです。
    というかノスの名前のスペルが分からなくてちょっと困ってます。
    冷えた指先とチェリーボーイ Draluc ノースディンの城に着いた途端、あまりの冷気にまず足の先から砂になった。まだ形にもなっていないロナルド君との赤ちゃんにどんな影響が出てしまうのか分からず、根性でどうにか手足だけに留めていればしっかりと暖房の効いた部屋に連れていかれ、ベッドに上に降ろされた。まあ、幼い私が少しでも死ぬようなことがあれば同じように殊更丁寧に扱われていたので、少しの懐かしさを感じてしまう。
    「……少し、待っていなさい」
     普段よりずっと固い声がそう言って扉を開けて部屋から出て行ってしまった。扉が閉まるまでのほんの僅かな時間であったのに冷たい空気が廊下から流れ込んできてしまい、それに驚いて耳の先が少し砂になってしまった。
     私を置いていったあの人はとにかく不機嫌だったのだろう。部屋を出る前はとにかく無言で、私を寒さで死なせないために事前に用意していたらしい毛布で私を包んでから、真っ白いそれなりの大きさのテディベアを私に抱かせていったのだ。
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