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    tooi94

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    mffsロドちゃんがお互いを探して旅をする話

    #ロナドラ
    lonadora

    230902 mffsロド界隈のことをよくわかってない不届10バイヤーに購入されてしまったmffsロくん(白いし目がぱっちりしてるからこいつの方が売れるだろと思われたなど)、しかし二次受注や取寄せのおかげで思うようには売れず。
    結果mfロくんはダンボールの中で誰に構われることもなく1匹ぼっち過ごしていた。
    でもmfロくんはどこかに番のmfドちゃんがいることを知っている。
    mfドちゃんはたいへん雑魚なmffsなので、たいへんつよつよなmfロくんがそばにいてあげないといけない。世界のルールである。
    よって、mfロくんは脱走することにした。周りには似たような境遇乍ら動けない奴らがたくさんいたので、mfロくんはそいつらの分もバイヤーをとっちめて通報してから脱走した。
    mfドちゃんを探して早く見つけてあげなくてはいけない。きっと寂しがってる。だってmfロくんは気がついた時にmfドちゃんが隣にいなくてとても寂しかったのだ。
    mfロくんはたくさん歩いた。いろんなところに行って、そこここでmfドちゃんを見つけたが、彼らはmfロくんのmfドちゃんではなかった。ちゃんと番となるmfロくんが側にいた。
    彼らは気がついた時からずっと一緒にいて、旅をするmfロくんが早くmfドちゃんに会えるようにと願ってくれた。
    旅するmfロくんはありがとうとお返事をした。けれども、ちょっと羨ましい。
    mfロくんはたくさん歩いた。真っ白だった毛並みはちょっとずつ汚れてくたびれていった。
    mfロくんには番のmfドちゃんがいる。世界のルールである。
    でも、自分だけ別だったらどうしよう。
    mfロくんはふとそんなことを思ってしまった。


    彼女は初めそのぬいを、ふわふわしたうさぎのぬいと思っていた。紫色の子は珍しいなぁと思ってうっかりポチッとしてしまった。カテゴリとかジャンルをあまり見ないタイプのうさぬいコレクターである。その子に羽がついていたことは、ポチったことを忘れた頃に手元に届いて気づいた。
    このこもしやウサギじゃないな。
    気づいたけれど、なんとなく他にない愛嬌のある顔と触り心地が気に入ってしまって、首を傾げ乍もそっとコレクション棚に並べようとした。
    「私を転売してくれ」
    と、ぬいが言った。彼女はビビり散らした。彼女はジャンル外のものなので、mffsロドちゃんたちが動いたり喋ったり番だったりする世界のルールを知らなかったのだ。
    mfドちゃんは常識外の出来事に怯える彼女のために、丁寧に紅茶を煎れてくれた。それはとてもイイ匂いだった。落ち着く。
    落ち着いたので、転売は良くないと話した。あんまり落ち着いてないのかも知れなかった。
    「言い方が悪かったね、私を君のようなぬいの愛好家に譲ってくれないだろうか」
    mfドちゃんは語る。
    mfドちゃんには番がいるのだという。番のmfロくんに会いたい。しかしこのままウサぬいコレクターの彼女の元にいても望みは薄いだろう。だから他のぬいを愛好する人々のところを渡り歩けば、いつか番のmfロくんを購入した人のもとへ辿り着けるのではないかと思ったのだと言う。
    彼女は感銘を受けた。単品で購入してしまったことを悔やみmfドちゃんに詫びた。
    もちろん彼女には優良なコレクター仲間がいたが、彼等にはすぐに渡さず情報収集だけを求めて、一旦mfドちゃんを手元に置いたままmfロくんを探すことにした。見つからない。
    あんまり頼りたくなかったけれど、転売が多く出回っているアプリで検索をかけた。いつくかヒットしたが、みな販売停止となっていた。摘発されたとか。それは良い。
    しかし手詰まりだ。
    彼女は少ないながら太い伝手を辿り、mffsロドちゃんのジャンルの有識者を得てその知識を吸収し世界のルールを知ってまた泣いたが(曰く、私が愛する2人を引き裂いたなんて)、mfドちゃんのmfロくんだけを所有している人にはとうとう出会えなかった。
    「気を落とさないでお嬢さん、国内は確かにダメそうだがならば海外だ、さあ私を○カリとかヌフオクとかに出して、きっと高値で売れるよ」
    mfドちゃんは美味しいクッキーと紅茶をだして元気づけるみたいに酷いことを言う。人の心がない。有識者曰く、もとが人ではないのでそういうこともある、しかし初めからmfロくんがそばにいるmfドちゃんは、安心感からかふわふわしているので、彼女のところのmfドちゃんがこのようにドライであるのはmfロくん不在故の弊害なのだろう。
    彼女はぬいのコレクターである。コレクターという形であるが、棚に並んだぬいたちは全て手入れしているし愛してる。故に、転売などはとんでもない。
    しかし確かにこのままここにいても、mfドちゃんはmfロくんに出会えないかもしれない。
    「君は理解があって強力的で、得体の知れないぬいにも優しく接してくれる素敵な人だから私は幸いに暮らしているけれど、ロくんはきっと私がいないと寂しくて泣いちゃうから」
    どうか私を旅に出しておくれと言うmfドちゃんに、彼女は泣く泣く頷いた。

    彼女は遠方の友人にmfドちゃんを預けた。友人はねこぬいのコレクターだ。mfドちゃんの番であるmfロくんの形状に近い。彼女と同様、ねこぬいと間違えてうっかり購入してしまっていて、mfロくんが友人のところにいれば良かったのだがそうは上手くいかない。
    mfドちゃんはそれから友人のまた友人、さらにその先へと渡り旅をして、今では今夜のW杯の対戦国にいるのだと言う。本ぬいからラインが来た。いやそこには流石にいないだろ。

    ある日、彼女は同僚にリモートで話しかけられた。
    ぬいくわしいよね、動くぬいとかってわかるかな、服を着ていたから迷子のペットかと思って保護したんだけど、生き物ではないしなんか警戒されるしどうしたらいいのかわかんなくって、と、途方に暮れた様子で、次いでカメラを部屋の隅へと向けた。
    煤茶けた色の上着をつけた、灰色の猫か犬かわからない、確かにぬいらしきものがしゃーってしていた。
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