告白にはお誂え向きな夜 仕事の合間や終わりに、彼と食事と取る回数が以前より増えたな、と思ったとき。
いつも冷えていた心が、じんわりと熱を持ったのに気づいた。
好物を口に運んで、わずかに緩んだ彼の表情を見たとき。
体中の血液が、一気に沸騰した。
僕は…彼が好きなのか、と気づいたとき。
殺伐としていたはずの僕の世界は、鮮やかな花弁に彩られた。
これが全部、たった今、ほんの一瞬の間に起きた出来事だ。
「どうした、さっきからぼーっとして」
レイシオが、食事中の手を置いて、怪訝そうな顔をしている。
心拍数が徐々に上がっているのを感じる。突然のことに、思考がまとまらないままどうにか返答をする。
「あ…ああ、えっと…、あれを見てて、つい」
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