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    満尾。

    @1fu410ge1

    呪術廻戦 伏黒×狗巻(伏棘)のカプ小説置き場

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    満尾。

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    #伏棘版ワンウィークドロライ
    第55回「夢」

    https://twitter.com/1fu410ge1/status/1554664830690537472?s=21&t=555_eWKXksCfPh8T5apBLg
    ひらいてあかぶーで突発的に思いついた伏棘大学生パロディです!

    #伏棘
    voluptuous

    それは本当に、ただの思いつきだった↑のリンクはTwitterにあげた、書きたいところだけを書いたものです❣️
    また今回も続き物…ですが、↑の2人みたいなラブラブカップルを目指します💪
    楽しんでいただければ幸いです!

    ⚠︎先輩は普通に喋ります。
    ⚠︎原作の先輩とは異なった、大人しくて静かな性格をしてます。
    ⚠︎︎ほんのちょっと五乙を含みます。
    (今回はほぼ絡みないです)



    「きゃー!!五条教授と伏黒くんよ!」
    「あの2人がただそこにいるだけで幸せな気持ちになる…」

    顔を赤くした学生達に見向きもせずに、2人はキラキラとしたオーラをまといながら歩いている。
    本人たちはさほど気にしていない様子だ。

    「……かっこいいなぁ、」

    ポツリと呟いた俺の一言は、誰にも届かずに溶けていった。

    1年生の伏黒恵くん。生物学科の教授である五条悟教授と、昔からの顔見知りで親しいんだとか。
    彼は教育学科だけれど、よく五条教授と一緒にいるのを見かける。
    五条教授が暇つぶしに伏黒くんのところに冷やかしに行ってるという方が正しいか…
    たまに美容学科の釘崎さんとも一緒にいて、まさかカップル??なんて噂も流れたが、釘崎さん本人が全力で否定していたらしい。
    伏黒くんは、来るもの拒まずだと言う噂もあり、根も葉もない話だけれど伏黒くんが入学した当初はその話で持ち切りだった。
    男の子とも付き合ったことがある、らしい…まぁ本当に噂だから、全部信じてる訳じゃないけど…

    「あ、棘ちゃーん!」

    不意に名前を呼ばれて、ビクリと体が震える。
    振り返ると、先程まで伏黒くんと一緒にいたはずの五条教授が俺に声をかけてきた。

    「ご、五条教授…」
    「声ちっさ!相変わらずだねぇ、棘。」
    「…何か用ですか?」
    「あぁ、この間纏めてくれた資料ってどこに置いてあったっけ、忘れちゃってさぁ。」
    「……準備室入って、左側の、1番上の戸棚のどこかに…」
    「あ、なんだ、そこまで分かってるなら机の上に出しといてくれると助かるなー!この間鍵渡したでしょ?」
    「…渡した、じゃなくて押し付けた、ですよね?」
    「細かいことはいーの!!」

    じゃあ、頼んだからね!!と五条教授は颯爽と歩いて行ってしまった。
    全く、人使いが荒い人だ。
    元々同級生の憂太が五条教授の助手みたいなことをやってたけど、海外に留学するため憂太がいない期間だけ俺が担当することになってしまった。憂太の頼みじゃなかったら絶対に断ってた。
    良くもまぁ憂太はあの人の人使いの荒さについていけてるなとつくづく思う。
    余程五条教授に憧れを抱いているんだなぁ…。
    ため息を一つ吐いて中庭に出る。
    時刻は昼時のピークを過ぎた為、いつもお昼を買う出張販売のパン屋はがらんとしていた。
    しかしそこに、あの伏黒恵くんがいたのだ。
    店員さんと談笑している。
    …どうしよう、

    「あ!こんちわ!」

    いつものように声をかけられてしまって店員のお兄さんに会釈する。

    ちょうど会話も終わったのか、伏黒くんはその場から離れていってしまった。
    パン屋の袋も手からぶら下げていた。…何買ったんだろう。

    「メガネのお兄さん、今日もツナマヨで大丈夫?」

    そう言うと取り置きしていたのか、別のところからツナマヨサラダのコッペパンを出してくれた。

    その呼び方は正直どうかと常々思ってる。だってメガネをかけてる人なんてこの世に何人いると思ってるんだろう。
    だけどお兄さんはそのあだ名を俺にしか使っていないようで、会う度にメガネのお兄さんと声をかけてくれた。

    「はい。……あの、わざわざ取り置きしなくても大丈夫です。」
    「なんで!お兄さんいつもこれ買っていくでしょ、はい!」
    「…ありがとうございます、」

    お礼を言うと嬉しそうに頷いた。

    「それだけで本当に足りる?まだパンあるよ?」
    「や、大丈夫です、じゃあ、」
    「うん!毎度ありがとうございます!」

    ぺこりと頭を下げる。お兄さんは元気な声で手を振ってくれた。

    「…うーん、やっぱり少ないよなぁ。あのままじゃ五条さんの言ってた通り痩せちゃうなぁ…もっと食べてもらうために、新商品作らなきゃな!」

    むん!と気合いを入れていた店員のお兄さんに気づかずに、俺はそのまま校舎に入っていった。










    虎杖からいつものように生姜焼きサンドイッチを買って、講堂の1番後ろの席に座る。
    パソコンを置いて、電源を入れて立ち上げた。その間にガサガサとサンドイッチを取り出して、1口食べる。
    うん、やっぱりあいつが作るパンは美味いな。

    キーボードをタイピングして、レポートを進める。食べ進めて行くと、あっという間に食べ終わってしまった。

    「あ、伏黒くんだ!」

    何食べてるのー?と顔も名前も知らない女子が話しかけてきた。

    「……別に、なんでもいいだろ、」
    「もー、冷たいなー。あ、ねぇねぇ、私分かんないところがあるから教えて欲しいんだけど、」
    「先公に聞けば?」
    「えー、伏黒くんに教えて欲しいの!」

    めんどくさくなって、パタン、とパソコンを閉じた。

    「え、もう終わり?」
    「お前がうるさいから別のところに行く。」

    なにそれひどーい!と文句を言う女子を無視して講堂を出ていった。



    中学や高校はそんなに騒がれることはなかった、でも原因は確実にあの人。
    五条さんが大学でこんなに女子達に注目を浴びてる人だとは思わなかった。
    大勢人がいる前で、五条さんが俺に話しかけるから。火に油を注いだみたいに騒がしくなってしまった。

    毎日毎日知らない人に話しかけられてはスルーしている日々を過ごしている。
    講堂だったらそのまま授業も受けられて移動も楽だと思ったがやっぱりダメだ。

    ガラ、とドアを開けると古い紙の匂いが鼻腔をくすぐる。
    …うん、やっぱりここは落ち着く。

    あんまり人が寄り付かない図書室。窓際の一角、そこが俺の好きな席だった。
    暖かい日差しが心地よく差し込み、換気の為に窓を少し開けると気持ちのいい風が入ってくる。
    イヤホンをしてる人も居るが、ここの全く音がない方が俺は集中ができた。

    しばらくレポートを進めていたら、左斜め前に色素の薄い物が視界に入ってくる。
    ふと視線を向けると、それはさっき虎杖のパン屋で見かけた、アイボリーの髪に、薄い赤色のアンダーリムのメガネをかけた人だった。

    その人は俺に目もくれず、席に座ってノートやら何かを出して作業を進めた。
    カリカリとシャーペンで書く音が響く。
    でも何故か、それが心地よく感じて全く不快には思わなかった。












    「棘ちゃんさぁ、ちゃんとご飯食べてる?」
    「………はい。」
    「ほんとかなぁ?全然ガリガリじゃん、僕心配だよ?」

    無視するとさらにめんどくさくなるから適当に返事を返したけど結局めんどくさくなってしまった。
    うるさいな、別にいいだろ、

    「…あの、五条教授サボってますよね?」
    「えー!サボってないよ!ほら、ちゃんとみんなの提出物確認してるでしょ?」

    どら焼き食べながら言うセリフじゃないんだよなぁ。
    まぁ零さずにしてるからそこは多めに見るか…
    諦めて、資料で使った本を本棚に仕舞い始めた。
    さっさと終わらせて早く帰ろう。

    「そうそう!"すくなベーカリー"の新商品食べた?」
    「あぁ、ちくわツナトーストサンドですか?あれ美味しいですよね。」

    安定のように店員のお兄さんが1つ取っといてくれてあって、有難く買わせて貰った。
    輪切りのちくわにキャベツも入ってて、とても美味しかったなぁ。
    いつものコッペパンより明らかに量があったけど、食べ切ってしまった。

    「でしょでしょ!あれ僕もレシピ考えるの手伝ったんだよね!」

    棘ちゃんにいっぱい食べて欲しくて!と五条教授は嬉しそうにそう言った。

    「…え?五条教授、あの店員さんと知り合いですか?」
    「え、知り合いっていうか…腐れ縁?教え子?みたいな」
    「へぇ…五条教授って本当に人脈広いですよね。」
    「そうだよー、みんなからモテちゃってもう大変。」
    「………でも、大切な人、いますよね?」

    いつからだったか、五条教授の首には銀色のシンプルな指輪がついたネックレスを付けている。
    普段は隠してるみたいだけどさっき提出物を見るまでは指輪を眺めてニヤニヤしていた。

    「あ、やっぱり棘ちゃんにはバレちゃったかー。」
    「バレちゃったっていうか…もはや見せつけられてるっていうか…」
    「え、気になる?」
    「………気には、なりますけど、」
    「えーーー、しょうがないなーー、見せてあげるよ、あの子の超絶可愛い写真♡」

    五条教授俺の肩にガシッと腕を回して逃げられないようにしてからニコニコしながらスマホを操作している。
    え、別に、そんな自慢話どうでもい…

    「……なにやってるんすか、五条さん。」
    「あ、恵ぃ。」

    ガラガラ、と急に準備室のドアを開けて入ってきたのはあの伏黒恵くんだった。
    やっほー、と五条さんは俺の肩を組んだまま伏黒くんに挨拶をする。

    「……それセクハラですよ。」
    「セクハラ?なに言ってんの?」

    これは僕のお気に入り。と五条教授にグリグリと頭を撫でられる。
    やめろー、髪がボサボサになる…!!

    「…………じゃあ言いつけま」
    「ちょ!それはダメ!!確かにヤキモチ妬いた姿はとっても見たいけど…!!」

    伏黒くんがそう言うと五条教授はしょうがないなぁ…なんて言いながらボサボサになった俺の髪を撫でて戻していく。

    「…あんたも、嫌だったらやめろって言った方がいいですよ。」
    「…は、はい…」
    「珍しー、恵の方から話しかけるなんて。」

    五条さんが俺から手を離した瞬間にその場から逃げてまた仕事を始めた。

    「なんですかその言い方。俺が誰にも話しかけないみたいな言い方やめてくださいよ。」

    これ返します、ありがとうございました。
    と、伏黒くんは1冊の本を五条教授に渡す。

    「はいはーい。だって実際そうでしょ?さっきも講堂で話しかけられててシカトしてたじゃん。」
    「シカトしないと後でめんどくさい事になるんで。」
    「それでめんどくさくなったら野薔薇に助けて貰うんでしょ?」
    「…そうですよ、」
    「野薔薇言ってたよー、"もううんざり"だって。」
    「それは俺もです。そもそもあんた、俺と話す時近いんですよ。」
    「なにそれ、僕のせいだって言いたいの?」

    そうです。だから何とかしてください。と伏黒くんはため息を吐きながら訴える。
    ……伏黒くんも苦労してるんだな…、そりゃあ女の子が放って置くわけないよね…

    「じゃあ恋人でも作ったら?恋愛はいいよー!そうしたらもう誰も寄り付かないんじゃない?」
    「はぁ…あんたじゃないんだし、無理ですよ。…うるさい人は姉貴と釘崎で十分です。」
    「ふぅん、じゃあ恵は静かな人がいいんだ?」
    「…なんでそうなるんですか。」
    「え、だってそう言うことでしょ!」

    ねぇねぇそうでしょ??と五条教授はしつこく伏黒くんに問い詰める。
    すると、面倒くさそうに「あー、はいはい、そうですよ。」と答えていた。

    よし、片付け終わった。じゃあ帰ろうかな。
    と振り返って荷物を片付け始める。

    「あ、」
    「…え?」

    俺と視線が合って、五条教授はなにか思いついたような顔をする。

    「いるじゃん、ちょうどいい子。」
    「は?それってどういう…」
    「棘ちゃん、恵の恋人になってあげてよ!」

    本当に何言ってんだこの人は。
    せっかく荷物を入れていたリュックをひっくり返してしまって荷物が床に落ちる。

    「は、え、いや……え?」
    「棘ちゃんだって恋人いないでしょ?ここで僕の手伝いしてくれるくらいだもん。ね、そうでしょ?」

    この人だいぶ失礼なことを言っているのを自分で自覚していないのだろうか。

    「きゅ、急にそんなこと言われても困ります…!!」
    「うんうん、恋愛って急展開が美味しいところだよね。」
    「…あんた本当に突拍子のないこと言いますよね、」

    伏黒くんは呆れながら俺の落とした荷物を拾ってくれた。

    「あ…ごめんなさい、」
    「……そこは、"ありがとう"の方が嬉しいんですけど。」
    「あ、う、うん……あり、がとう…」
    「お、恵は満更でもない感じ?」
    「何言ってんですか、ただ荷物を拾っただけ…」
    「いーじゃん、1歩前進だね!!」

    じゃあ今から一緒に帰って、2人で親睦を深めて来るように!!

    と五条教授は俺たちの背中を押してピシャリと準備室から締め出されてしまった。
    何も言えず、その場に立ち尽くす。

    「…………」
    「…あの、」
    「は、はい…?!」

    声がちょっと裏返った、恥ずかしい、穴があったら今すぐに入りたい。

    「…あの人言いたい放題で本当にすみません…」
    「いや、気にしてないから…大丈夫、」
    「……でも、あなたが嫌じゃなければ、なんですけど、」
    「え…」
    「俺の恋人の役、やってもらえませんか?」

    神様仏様。これは夢でしょうか?
    夢だったら今すぐに起きたいんですけど…
    五条教授のとんでも発言から始まってしまった、偽物の恋人。
    果たして上手く、務めることができるのでしょうか…?
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