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    miNa1423

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    miNa1423

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    オモチリと依頼されて書いたもの。
    オモチリの予定だったのですが、チリオモなのかしら?チリ→オモの中途半端な話。
    トップがちょっと嫉妬。チリちゃんの愛情が重たい気がする。
    二人の設定とか適当に作ったのでこまかいことはきにしないで下さい。

    貴方しか見えない「オモダカさん、好きです」
    日付も変わった冷たい夜、ようやく帰れると二人で片付けているときに、それは突然放たれた言葉だった。
    普段はトップと呼ぶチリが、久々に名を呼んだ。
    彼女に最後に名を呼ばれたのはいつだったろうか、パルデアに連れてきてから、順応性が高く空気の読める彼女はいつしか私をトップと呼んでいた。
    思考が変なところに飛んでいたと気づいてオモダカはチリを見つめ返す。
    予期していなかったことに、どう答えるべきか、考えているうちにチリは待ちきれなくなったのだろう、人好きのする笑顔を向けて言った。
    「ええんや、また、気が向いたときにでも返事聞かせて」
    「…チリ」
    「さ、はよかえりましょ。明日も仕事や」
    いつもより明るい声で、部屋を出て行ったチリに声をかけられなかった。



    それから一ヶ月。
    避けられてしまっているのか、ただの業務の都合なのかはっきりとは分からないが、二人きりになることもなく、返事を伝える事もできず、今に至る。
    何事もなかったかのように業務を坦々と続ける中、リーグに新しい社員をひとり迎え入れた。他社で働いていた男性をオモダカ自身が引き抜いた形だ。ポケモンバトルに関してはそれほど目立った功績は見られないが、人との接し方や業務への向き合い方が真摯な姿は好感が持てるので、リーグに良い影響をもたらしているとオモダカ自身も気に掛けていた。
    ここ最近、チリがその男性と一緒にいるのをよく見かけた。
    早く馴染めるように声を掛けているのだろうと最初は思っていた。それが、業務だけでなく食事や二人で出かける姿も見受けられた。
    オモダカはそれを見る度、あの夜に伝えられた言葉は何だったのだろうと、胸が傷んだ。



    「最近、――――さんと仲が良いんですね」
    「え?」
    目を見開いたチリがオモダカを見て固まった。久々に一緒の仕事をすることになり、オモダカの執務室で資料を開いていた時だった。
    「先日もお二人で出かけて行くのを拝見いたしましたし、今日のランチもお二人で」
    オモダカの口から言う予定もない言葉がするすると出てきた。
    「ち、ちゃいますって、」
    「別に悪いことをしてるわけでもないので、そんなに否定しなくてもいいのでは?お互いいい大人ですし」
    冷たい声、自分でようやく嫉妬していることに気づいた。
    「本当に違いますって、・・・・・・あれは」
    とそこまで言って、チリは固まった。
    「言いとうない」
    目元に手を当てて、悩むチリにオモダカは目を細めた。
    「それならば、」
    いわなくてもいいといおうとすれば、ぐっと肩をつかまれた。そして、必死で悲痛な表情に何も言えなくなった。
    「言いとうないけど、・・・自分に勘違いされるのだけは耐えられんわ」
    グッと顔を寄せられ、その端整な顔立ちが近くなる。吐息が触れるほどの距離でチリは言った。
    「あいつ、自分に気ぃあったんや」
    「は?」
    チリの言っている言葉が理解できず首をかしげる。
    「ほらぁ、やっぱり気づいとらんし!!」
    チリが苦虫をかみつぶしたような顔を見せる。
    「前の会社で潰れそうなっとったんをすくい上げてくれた上に、慣れてきましたか?なんて毎日笑顔で声かけてくれる、そりゃ、惚れるにきまっとるやん。端から見たら口説いとるようにしか見えんけど、ぜったいオモダカさん、なぁんにも考えてへん」
    「はぁ」
    オモダカ自身、彼に対して特別な感情はない。いち早くリーグに慣れ、力を発揮してほしいとぐらいにしか思っていなかった。
    「・・・あいつ、自分のこと本気で好きになりかけとったから、経理課の子紹介した」
    これがチリの言いたくないことだったのだろうか。
    眉間にしわを寄せ端正な顔をゆがませてつぶやいた言葉だった。
    「2年、2年やで・・・」
    ぐでりと顔を落とすチリ。2年で思い浮かんだのは一つだった。
    チリと出会ってから、もう2年も経っていた。強いトレーナーがいると噂になっていたのを引き連れ四天王に引き入れた。それだけの予定だったが、チリ自らリーグの職員として働きたいと申し出があり、いつしか与える役割も仕事も大きなものになり、チリは無くてはならない存在になっていた。
    「アンタに追いつきたいって、これまで感覚で戦とったのを必死こいてバトル戦術勉強したし、育成方法だって変えた。他の地方行って、バトル教えてくれって頭下げたこともある」
    はは、と乾いた笑いを浮かべてチリは続けた。
    「それに靴だって自分と同じメーカーや、月給まるまる使って買えん靴なんて初めて買うたわ!!服もあんたの好きなブランド・・・気づいとる?」
    「・・・・・・いいえ」
    正確には気づいている部分もあった、でも、チリがその意図を持ってしていたことには気づきもしなかった。
    「器ちぃさいし、やることダサいし、・・・こんなことで、必死になってこれまで築いてきたもん、捨てとぉなかった・・・」
    肩をつかまれていた手が背中に回り、何かを探すようにさすられる。
    「あの日から、出会ったあの日からアンタしかみえへん」

    「疑わんといて、なんて言う立場じゃないのもわかっとる。ちょっとバトルが強いから拾われた、ただの部下や」

    「だけどチリちゃんの心は、オモダカさんのもんや」

    オモダカさんが好きです、そう言われて抱きしめ返すことしかできなかった。

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