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    miNa1423

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    miNa1423

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    以前書いたオモチリなのかチリオモなのか分からないキスフレネタの続き。
    トップに翻弄されているチリちゃんが書きたくて書いた気がする。

    オモチリ キスフレ2あのときの、甘美なしびれが忘れられなかった。
    指先の感触と、あの声に脳も瞳も焼き尽くされた。

    おかげで、どんなに綺麗な子や可愛い子を見ても何も感じなくなってしまった。好みの子から声を掛けられれば、それなりに良い思いをさせてもらっていたが、今はその気にすらならない。むしろ、立場上作り笑いを向けなければならないのでやめてほしいと思ったぐらいだ。
    それなのに、当の本人は相も変わらず何もなかったかのように、お仕事に夢中になっている。どんな視線を向けても、柔らかく微笑み返され、ただただこちらの気持ちばかりが募っていくばかりだった。

    今日も、大した理由もなく荷物持ちとしてオモダカについて回っていた。もちろん、トップからのチリに友好関係を広げてほしい、人との交渉術を学んでほしいという意図は理解している。業務を完璧にこなしていることが、オモダカという人の隣に立つ第一条件だからこそ、外向けの笑顔を作り、所作に気を配り、相手の望む言葉を吐く。
    オモダカの隣にいるには、よほどの天才、ポピーやアオキのような存在以外には、努力で勝ち取るしかない。
    概ね、チリの仕事ぶりに満足しているオモダカは、休憩と称してチリをカフェに誘った。人通りの多いテラス席に座ると、オモダカはコーヒーを頼むと、チリに好きな物を頼むように伝え、自分はスマホロトムを出して、仕事をし始めた。
    「・・・・・・・・・」
    整った顔立ちが真剣なまなざしでスマホの画面に向けられている。星の光のような瞳も無機質な光を反射しているだけで、チリに向けられることはない。薄い唇も固く結ばれたまま。
    以前のように気軽に一歩踏み込んで、触れてしまえばいいはずなのに、その一歩を踏み出すこともできず、
    ガマンできなくなって、手を伸ばした。
    テーブルに投げ出されていた手に触れる。グローブ越しの手はチリにされるがまま、
    あの時、オモダカが触れたように一瞬だけ触れてみるが、オモダカの反応はない。悔しさを感じつつも、ゆっくりと手を重ね、体温を伝えるようにそっと握る。長い指を堪能するように指を沿わせ、そのまま絡ませても抵抗はされなかった。
    「っ!!」
    何の反応もなかった手が握り返されたとき、今までにない高揚感に思わず口元を上げてしまった。
    「チリのそういう真面目なところ好きですよ」
    仕事に夢中になっていると思っていた相手が、いつの間にかこちらを向いて笑っていた。チリは急に恥ずかしくなり、そっぽを向く。
    「強引だと言ったことを気にしているのでしょう、ごめんなさい、そこまで気にされることだとは思いませんで」
    「あぁ!そういうことやなくて」
    腹が立つので、無理矢理顔をのぞき込んでそっと唇に触れる。ムードもなくて、強引なキス。
    たしなめられるかと思ったが、一枚も二枚も上手な相手はただクスクスと笑うだけだった。
    「しかし、お遊びはほどほどになさい、貴方のプライベートまで口を出す気はありませんが、遊びが過ぎるとせっかく仕事で積み上げてきた物を失ってしまうこともあります」
    「遊びなんてできるわけないやろ、・・・あんなキスしといて」
    こんなこと言いたかったわけじゃない。しかし、言ってしまった物は取り返せないので、このまま勢いで、押すほかなかった。それも、オモダカの手のひらの上で踊らされているような物だ。
    「総大将以外にちょっかいもかけとらんよ」
    「先日呼び出されていませんでしたか、営業の方に」
    「不可抗力ぐらいは見逃してや、ちゃんと丁寧にお断りさせてもらいました。つーか、なんでそんなこと知ってはるんですか」
    「貴方の“ファン”の方がいろいろと教えてくださるので」
    過去に少し遊んだ女性が職場内にも幾人かいる。その中にはオモダカに近しい人もいた。
    「・・・仕事に打ち込んどるんは、知っているんとちゃいますか」
    「確かに、その余裕はないようですね」
    頼まれた仕事は、何があってもその日のうちに片付けたし、トップが必要な情報は事前に下調べし手助けした、組織が上手く回るように他の人の仕事も手伝っている。おかげで、午前様も当たり前の生活だ。
    そんなことより、オモダカが頷いたと言うことは、認められたと言うことだろうか。
    「キ、キスさせてもらえんやろか?」
    ずいぶんと情けない声だった。数々の女性をたらし込んでいたチリの台詞とは思えない。それでも、あの時感じた脳を揺さぶるしびれがほしくてたまらなかった。
    「まぁ、丁寧にもお伺いを立てて下さっているんですね」
    そういうと、耳元に唇が寄せられる、前回と同じしびれがまだ何も言われていないのに、広がっていった。ここまでキス一つに期待してしまうことになるとは、以前のチリなら考えられないことだった。
    場所を考えなさい、と耳元でささやかれて、ようやくここが町中だと思い至った。
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    モンハン(ライズ)クロスオーバーカブユウ。
    太刀使いカブさんと新妻受付嬢ゆちゃん。R18です。
    地雷ない人向け。いろいろ荒い
    早朝、中庭から水を使う音がする。伏していた床からはたと起きて、ユウリは障子の先を見やった。朝の光がしらしらと障子紙を照らし、部屋は薄明るい。着崩れた浴衣の襟元を整えながら立ち上がり、裾を払って障子を開け縁側に出た。
    雨は昨晩まで続いていた。庭木の一つ一つに名残りの雫が宿って、燦然と朝日を反射している。
    庭の右手には井戸があった。見れば夫の姿もそこにある。裸の背が清水に濡れている。伺う端から夫は、汲んだばかりの井戸水をがばと被った。
    肩のあたりから湯気が昇るようだ。ひどく張り詰めているのが分かった。早々、狩りに出るつもりなのだ。ユウリは声をかけず、黙ってその一連の動作を見守る。二度、三度、夫は繰り返し水を浴び、最後に深く長いため息をついて
    「使うかな」
    背を向けたまま低く言った。
    「ごめんなさい」
    ユウリは身を縮める。
    ほつれた襟足の毛を慌てて整えながら、
    「邪魔するつもりでは」
    「…大丈夫だよ」
    カブはたちあがり、水気を拭ってからこちらにやってくる。
    「起こしてしまったかな」
    首にかけた手拭いを掴みながら、微笑んだ。
    「いえ、その」
    「無理はしなくていい」
    ユウリは、思い切って尋ねた。 4055

    TokageIppai

    DONEカブユウというかカブ←←←ユウなバレンタイン小話。つきあってない。
    男女カプはじめて書いた……お口に合えばどうぞよろしくお願いいたします。
    ※ユウリちゃんの言動がキモオタのそれです
    カブさんにバレンタインチョコを渡しに行くユウリちゃんの話 バレンタイン。それは冬の終わり、大切な人にチョコレートを贈るイベントである。もとはカントーだかどこかで始まった風習らしいが、ここガラルでも徐々に──主に若者達の間で──浸透してきている。私もマリィと一緒にチョコを作って、ホップとビートにプレゼントした。ホップは勉強の合間に食べるぞ! とすごく喜んでくれたし、ビートも彼らしい憎まれ口を叩きながらもちゃんと受け取ってくれた。ジムチャレンジが終わってそれぞれの道に進んだあとも、こうして彼らとの付き合いが続いているのは本当に嬉しい。
     ところで私にはもう一人、チョコレートを渡したい相手がいる。エンジンシティのジムリーダー、カブさんだ。
     カブさんへの気持ちが恋なのか、と聞かれると、正直よく分からない。そういう関係になるにはあまりにも生きてきた時間の長さが違いすぎるし、想像しようとしてもうまくできないのだ。そもそもこんな子どもに言い寄られて本気にするほど、常識にとらわれていないタイプの人だとも思えない。そういうところも含めて好きなのだ。
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    miNa1423

    CAN’T MAKEカブユウ前提で、ユウリさんが振られる話。過去に書いた話を加筆修正したもの。
    この後、カブさんからはっきり別れようと言われボロボロになるユウリさんまで書いたものの、どうやっても修復できず、保留行き。
    フラれ話「ガラルにはいないかもしれないけど、世界には君より強い人がいるかもしれないね」
    ちょっとした雑談だった。
    彼の故郷ホウエンのポケモンから話が広がっただけ。
    その話をしてから、何となく頭に残っていた。

    私よりも強いトレーナーがどこかにいると、

    ダンデさんを打ち破り、私自身もダンデさんと同じように長期間チャンピオンの座に立っている。もちろん、悔しい思いをしたこともあるし、完全に力を出し切ったバトルができたかと言えば違う。まだまだ改善の余地はあるのは私自身がわかっている。
    それでも、私はチャンピオンの座に立っているということは、
    私が負けることはない、と私に思わせていた。

    きっと、それがおごりだったのだろう。


    ワイルドエリアの奥、人が来ないような場所に自分以外の存在をみることになるとは思わなかった。その人は、赤い帽子にラフな格好をした、私よりも少し年上な男の人だった。黒い髪にすっとした顔立ちがなぜだか彼を思い越してしまう。
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