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    おおかみ🐺

    @wolf65inu

    文字書いてるイヌ科。
    3L大好きでとても雑食なためよく王道とは逆のcp食ってたりするしリバも美味しく食べる。
    基本地雷無し。

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    おおかみ🐺

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    もしもウタがエレジアに置いていかれたこと自体が夢だったらっていうifです。
    昔アニメ見てたけどほぼにわかみたいなものなので、みんなの口調おかしくても気にしないでいただけると…助かります。
    まだ映画見てないよって人は若干のネタバレを含むので回れ右がオススメです。
    反応よかったら支部に載せようかな。

    もしも…。ごうごうと燃える炎が、ウタの瞳に赤く紅く映る。
    「シャンクスー!!!!!」
    ゴードンに海に落ちないようにと捕まれ、それでも置いていくなと叫び喚いて涙を流し続ける。
    「どうして!!どうしてー!!!」
    シャンクスたちがこちらに背を向け、酒を掲げ海を進んでいく。
    海軍が逃げる海賊を追いかけ大砲を打つ。
    後ろのエレジアが燃える炎の熱さと眩しさ、海の向こうの暗闇に溶けていく船たち。
    これほどの絶望を、ウタは知らない。
    これほどの虚しさを、ウタは知らない。
    これほどの怒りを、ウタは知らない。
    これほど悲しさを、ウタは知りたくなかった。
    「シャンクス!!!!!」
    手を伸ばしてハッと気がつく。
    見覚えのある天井、嗅ぎなれた大好きな人達と船の匂い。
    「はぁ……はぁ…」
    起き上がり、胸に手を当ててキョロキョロと部屋を見回す。
    「ここ、は…」
    見慣れた自分の部屋。
    あれは夢だったのだと確認した途端、涙がぼろぼろと流れ声を上げた。
    「ぅああぁぁぁ…」
    「ウタ?!」
    「どうした!大丈夫か!」
    ドタバタと音をたてて、バン!とドアを開けてくるシャンクスと船員たち。
    それを見て安心したウタがベッドから降り、シャンクスに抱きついた。
    「シャ…ぐず…ゆめ……嫌な夢…」
    「夢を見たのか?大丈夫だ、俺たちはここにいる」
    「ゔん」
    ふにゃ、と気の抜けた笑顔を見せるウタに全員安堵する。
    なかなか泣かないウタがここまで泣くのだ、かなり酷い夢をみたのかもしれない。
    「ウタ、思い出したくないだろうが、あとで夢の内容を教えてくれるか?」
    「え…」
    「無理にとは言わないが、話した方がスッキリするだろうしなにかしら安心するだろ?」
    話した悪夢は二度と訪れないとも言うし。
    誰かが言ったこの一言でウタも少しだけ安心できたのか、ぽつりぽつりと話しだす。
    エレジアという島のこと、その島が炎に包まれる中自分だけが置いていかれるということ。
    夢の内容を思い出しだしてまたぼろぼろと流れる涙を、シャンクスは指で優しく拭ってやる。
    「エレジアか…丁度ウタにいいと思って行こうとしていた島だ…」
    「?! やだ!行きたくない!」
    ウタの言葉にシャンクスは頷く。
    「あぁ、だから行かない。かわりにまたルフィに会いに行こう」
    「いいの…?」
    「いいも悪いもあるか。お前が嫌な場所には行かないさ」
    安心させるようにゆっくりゆっくり、頭を撫でてやる。
    最後にギュッと抱きしめ、抱き上げた。
    「外の空気を吸いに行こう。そのあと飯でも食おうか」
    「うん」
    きゅっとシャンクスの服を握りしめる。
    船員たちにウタの朝食を用意させるよう言い渡し、シャンクスとベックマンが一緒に甲板へと出る。
    海風が外に出た3人を歓迎するように、優しく朝の光とともに吹く。
    ウタの背をとん、とんとあやすようにし、ゆっくりゆらゆらと歩いていく。
    普段なら「子供扱いしないで!」と怒ってくるのだが、そんな余裕すら無さそうだった。
    「少しは落ち着いたか?」
    「うん」
    「水飲むか?」
    「のむ」
    ベックマンが手に持っていたコップを手渡す。
    こくりくこくりと飲み干すところを見ると、相当喉が乾いていたらしい。
    空になったコップをベックマンが受け取る。
    「まだ飯は時間かかるだろうから、少し目を瞑ってな」
    「やだ」
    「別に置いていったりしないさ、このままそばにいる」
    「ほんとう?」
    「本当だ」
    シャンクスの体温と鼓動に安心したのか、うつらうつらしていたウタはすぐに二度寝をし始める。
    「どう思う?」
    「2つ目の悪魔の実を食べた記憶はない。けれど、すぐ目の前のエレジアを前に見たとなると…」
    少しの沈黙に首を振るベックマン。
    「ただの予知夢しちゃ具体的で、島の名前やら人の名前が出た。…あそこには余り関わらないほうがいいだろう」
    シャンクスはそれにひとつ頷き、まだ甲板にいると伝える。
    「わかった、飯が出来たらだれかしらに呼ばせよう」
    「ああ」
    離れていくその背中を見送る。
    手すりに身を預けて、海を眺める。
    はるか彼方、薄ぼんやりと見えるエレジアの影を睨んだ。
    ぼんやりと、陽炎のような黒い霞がゆらゆらと揺れている。
    「悪いが、この子はやらん。もし手を出そうとするなら…」
    殺気を飛ばされた霞が一瞬、怯んだように見えた。
    どこからとも無く、舌打ちがひとつ聞こえたような気がした。
    静かになると、うみねこたちが何事も無かったかのように鳴き始めた。

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