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    おおかみ🐺

    @wolf65inu

    文字書いてるイヌ科。
    3L大好きでとても雑食なためよく王道とは逆のcp食ってたりするしリバも美味しく食べる。
    基本地雷無し。

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    おおかみ🐺

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    双子とスズキが付き合う日の話、の途中まで。
    ちょっと俺自身色々忘れそうだから尻叩きと進捗ってことで投稿させてもらう

    ()【今日3人で出掛けないか】
    メールが来たが、3人で出掛けるなんていつもの事ではないか。とウルとルフは首を傾げた。
    いつものロビー前で待ち合わせ。
    バトルは潜らなそうだったから少しだけオシャレをして。
    スズキの腹具合と、どこに行くのかと過程を付けてお金を持って。
    2人向き合い頷き合って家を出た。
    先に着いたらしい2人はロビーすぐ前、スパイキーとは逆の位置に腰をおちつける。
    連絡を貰ってすぐ準備して出たからか、待ち合わせの時間よりもかなり早くついてしまった。
    今日の天気やなにが今売っていてお得とかを、ナマコフォンで確認する。
    今日の天気は快晴、お買い得商品や特売などは特に欲しいものではなかった。
    他に何があるかと確認していると、周囲が少しざわつき始めた。
    このちょっとしたざわつきが、スズキが来た合図になる。
    「ごめん、またせた」
    「ううん全然!」
    「俺らも今来たところだから気にするな」
    立ち上がり、2人がスズキを挟むように立つ。
    それをみてスズキに興味を無くすのがほとんど。
    スズキは分かりずらく、ほっとしたように肩の力を抜いた。
    それを見た双子も肩の力を抜き、歩幅を合わせて歩き出す。
    「そういや、どこ行くんだ?」
    「ただ出掛けないかって来たから、適当にお金だけ引っ掴んできたけど」
    ルフが答えて、ナマコフォンの時計を確認。
    現在時刻11時より少し前。
    昼時にしては少し早くなるため、軽くどこか見てからにするかと歩き出す。
    ブキチのところで普段触らない武器を持ってみたり、パルコの店で目新たしい物がないか見たり。
    そうしてる間に昼時で、いつも世話になっている軽食屋に入る。
    「お、御三方いらっしゃい」
    カウンター内からイカがにこりと笑う。
    少し強面のせいでよく勘違いされるんだと本人談だが、とても優しいイカだ。
    「こんにちは〜店長」
    「いつもの席貰うぞ」
    「どうぞ」
    慣れた様子で店の奥の方へと歩き出す。
    その途中でスズキと店長がお互い目を合わせると、軽く会釈し合う。
    「いつも通りでいいかい?」
    「…はい」
    こくりとひとつ頷き、店長もそれに笑顔で頷く。
    双子はそんな2人を微笑ましく見やる。
    壁際のカウンター席に、スズキを間に入れて3人で座る。
    厨房カウンターから、調理をするいい音が聞こえてきた。
    「相変わらずいい匂いと音だね」
    「雰囲気も落ち着くよなぁ」
    双子の会話に頷くスズキ。
    ここは知る人ぞ知る食堂だった。
    カフェの隣にあるからわかりやすいはずなのに、これと言った看板が無いせいで何も無い場所だと勘違いされている。
    「もったいないよねぇ」
    「もっとわかりやすくしないのか?」
    ルフが呟き、ウルが店長に疑問を投げた。
    とんだ失礼な質問だったが、店長は調理してる手を止めずに口を開く。
    「儲かってなくってもバトル潜って稼いだりするから、これといって苦労はしてないよ」
    と、双子の言葉も気にせず答えた。
    この店長はイカの特徴が濃いらしく、とても楽観的に見えた。
    「はい、まずはこれ食べてあとの物待っててくださいね」
    厨房カウンターの上に置かれた皿を、ウルが取りに行く。
    「お、美味そうなおにぎり」
    「たくさん食べてくれ」
    5個ほど皿に乗ったおにぎり。
    そのうちひとつが倍以上大きく作られていて、ひと目でスズキ用だと分かる。
    初めてスズキの食べる量を見た店長は、しばらく動かなかったのを思い出した。
    「よくその体に入るものだな…」
    と思わず口にしていたくらいだった。
    それを見てから何か作る度に量が多いか、大きさが倍以上あるものを作ってくれることになった。
    余分な材料費がかかっただろうからと金を多く渡そうとしたら、拒否されたのもいい思い出だ。
    ことり、と置かれた皿を見たスズキが目を輝かせる。
    これを見る瞬間が、双子はとても好きだった。
    いつも通り自分用にと作られたおにぎりを手に取り、がぶっとかぶりつく。
    程よい塩っけが口に広がり、ふかふかな米は噛めば噛むほど甘くなっていく。
    パリっとした海苔も邪魔しないほどに味が付いていて、それも相まってとても美味しい。
    食べ進めていくと、明太子が入っていた。
    焼いたのか、少し噛みごたえが違った。
    米と併せて食べると止まらなくなる。
    夢中になって食べていたが、両脇からの視線が痛い。
    「食べないのか?」
    「いやぁ、本当に美味しそうに食べるなぁて」
    「俺のも食うか?」
    何故か餌付けのようになった。
    双子は、スズキが本当に美味しそうに食べる姿が好きだった。
    見てると幸せになる。
    ……量を見るとたまに胸焼けっぽくなるが。
    そんなことがあり、双子は食べる前にスズキを見ていることが多かった。
    「幸せ空間のところ悪いが、次ができたぞ」
    両手で抱えられた大皿に乗った野菜と海鮮を使った炒め物が、カウンターに置かれる。
    箸も3膳一緒に置かれている。
    ウルがまた立ち上がって、取りに行く。
    「小皿貰うぞ」
    「どうぞー」
    カウンター端に重ねてある小皿を2枚取り、片手で器用に炒め物の皿を持って席に戻る。
    大皿と小皿をそれぞれ置いて、ふとスズキをみると、口の端に米粒を付けていた。
    「最後におにぎり頬張ったか?」
    「どうしてだ?」
    「ついてる」
    言ってついていた米粒を取ると、自分の口にぱくり。
    それを見たスズキがわなわなと震える。
    「おま……っはぁ…よくやるな」
    「慣れてるしな」
    ぺろりとウルが上唇を舐める。
    なんてことないと言った様子のウルに、目を逸らす。
    「そうか」
    そんな様子を横目に見ながら、ウルが小皿に分けて取ってルフに渡す。
    自分の分も分けると、残り全てをスズキに渡す。
    「毎回思うんだが、2人は本当にそれでいいのか?」
    『いいんだよ』
    2人揃って言われると、何も言えなくなってしまう
    箸を手に取って炒め物を頬張る。
    味付けが濃すぎず、野菜にも海鮮の旨みが乗っていてとても美味しい。
    はぐはぐと思わず頬張ってしまう。
    膨らんだ頬を見て、何を思ったのかルフがつんつんとそれをつつく。
    「ん、なんだ?」
    「いや、ごめんね。なんかつい触りたくなって」
    「ふーん」
    特段気に来た様子もなく、食べることに集中し始めるスズキ。
    この時のスズキの顔は子供らしく、とても可愛いと思っていることを言ったら怒るだろうか。
    双子は確実に怒られるな、と二人して小さく笑う。
    「白米欲しい」
    唐突にぽつりと呟くスズキに、にやりと笑う店長。
    「そう言うと思ってほら、大盛り」
    少し大きめの茶碗山盛りに盛られた白米が、天井からのライトで輝いて見える。
    ウルが立ち上がり、大盛りの茶碗をスズキに渡す。
    「ありがとう」
    「どういたしまして」
    「たくさん食べてくれよ」
    ニカッと太陽のような笑顔の店長。
    この笑顔が好きでここを選ぶ節はある。
    「本当にいい店だよ」
    「だね」
    「いきなり褒めても、デザートしか出ないぞ」
    冷凍庫から取り出したのは、色とりどりのアイスらしき物が入った四角い入れ物たち。
    照明が反射して、きらきらと眩しく見える。
    「わぁ、綺麗だね」
    呟くルフに、うんうんと頷くスズキ。
    「なにかのアイス?」
    「シャーベットアイスだ」
    1皿ずつ色が違い、それが5皿あった。
    「この緑がメロンだろ、赤いのがイチゴ、青いのがソーダ、黄色いのがレモン、紫色がブドウ」
    「ひとつだけ果物じゃないのが混ざってたね」
    「涼しげでいいだろ?」
    大きめのスプーンでそれぞれのアイスを3人分取り分け、皿に盛っていく。
    アイスを盛り付けるには大きめの皿に、5色のアイスをそれぞれ盛り付けていく。
    「スズキのはそれ、食べ終わってからな」
    店長がそう言うと、スズキは激しく頷いて食べ始める。
    双子がそれぞれ皿とスプーンを受け取り、アイスを掬って口に運ぶ。
    ウルはメロンを、ルフはレモンを。
    メロンは果物の甘さが、レモンは酸っぱさが鮮明に口の中に広がる。
    『うっま』
    双子がこれはいい、とアイスなのに噛み締めるように食べ進める。
    その様子を見たスズキはソワソワしながら、残りのご飯を口に運んでいく。
    「焦らないでもゆっくり食べるんだぞ、お前の分は冷凍庫入れとくから」
    スズキの様子を見ながら、店長がアイスを冷凍庫にしまっていく。
    口いっぱいになった顔で頷くスズキ。
    そんな様子に双子が笑う。
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