今日のキスは、なんの味?俺がベッドでゴロゴロしている間、シメオンは、ベッドの脇にもたれていつものように本を読んでいる。
それは、いつもの光景ではあるのだが、一つだけ、違うことがある。
シメオンの口から、カラコロと軽快な音色が聞こえてくるのだ。
「ん?シメオン、なんか食べてる?」
俺は、ベッドから、シメオンの肩口に顎を乗せ、シメオンにたずねる。
すると、音が止み、俺の方を向いたシメオンの顔が眼前に迫る。
「うん、飴玉。たまに食べたくなるよね」
「わかるー。口寂しい時ちょうどいいよね」
べぇっと出したシメオンの舌の上には、しましまの柄が入った丸い飴玉がちょこんと乗っかっていて、開いたシメオンの口からは、ソーダ味の甘い香りが漂い俺の鼻をくすぐる。
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