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    すすき

    ブラカイ(カ受)/カプ無

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    すすき

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    【ブラカイ/パラロ】
    ボスの口説き方とは🤔と考えてたら何故かぽやんぽやんのカインくんが出来ました。何故?
    ブラッドリーのこと大好きなのに全く自覚してないカインと自覚させようとするボスの話

    たぶんボスはいっぱい駆け引きとかするし押してダメなら引いてみろとかも使うことあると思うけど、その時にもカインのこと寂しがらせずにキスするかもって時にしないとかそういう方面だろうなって考えた気がする

    熱い指先が頬を撫でて、すべるように動いて項に触れる。ワインレッドの瞳が静かにカインを見つめて、ほんの少し近づいた。項を捕らえた手に力が入って引き寄せられる。あ、と思った時には瞼を閉じていた。唇に吐息が触れる——前に、鼻をつままれて目を開く。
    あんなに近付いていた距離があっという間に離れて、そこにいるのはいつも通りのブラッドリーだった。
    「キスしないのか?」
    「あ?」
    「えっ?」
    ブラッドリーが驚いたように目を丸くするが、たぶんカインの方がもっとびっくりしていた。口元に手をやっても飛び出た言葉が目に見えることはない。耳には入っていたけれど。
    「俺、今なんて言ったんだ?」
    本当に無意識だった。あ、しないのか、と思ったら言葉がぽろっと飛び出していた。自分でも気づかないうちに泥酔していたのかとも思ったが、テーブルに置かれたボトルの中身はまだ少し残っている。ブラッドリーが連れてきてくれたバルだけあって食事がおいしくて、そっちに夢中になっていてほとんど酒は飲んでいなかった。さすがにこの量でべろべろになるほど弱くはない。
    だったらどうして、という問いに答えは出なかった。だってここは、店の中だ。半個室とはいえ誰が入ってくるかもわからないのに、とそこまで考えて、何か違うなとストップをかけた。やっぱり酔ってるんだろうか。
    首をひねるカインの手の甲を、とん、と叩かれる。顔を上げれば、ブラッドリーが呆れたようにため息を吐いた。
    「何やってんだ」
    「何って……この酒、ものすごく強かったりとかしないよな?」
    「てめえで選んだモンも忘れてんのか」
    「そういうわけじゃないが……」
    確かにこの酒を選んだのはカインで、度数もそこまできつくなかった。これより強い酒だって飲んだことがある。その時だってそこまで泥酔したりしなかったのだから、今日だってたぶんほろ酔い程度のものだろう。いくら夜勤明けと言ったって。
    小さく唸って、いつもの癖で口元に手をあてようとして、できなかった。手の甲に置かれていただけのブラッドリーの指先が、するりと絡みついて引き留める。どきりと心臓が跳ねて、何でだと思う。
    「難しく考えんなよ。てめえにはシンプルな方が合ってる」
    「シンプルって」
    だって、そうしたらカインはブラッドリーとキスがしたかったことになってしまう。かわいがってくれてる上司なのに。そんな結論を出して困らせたくはなかった。
    咎めるように、絡みついた指に軽く力が入る。
    「俺は、一度も間違えんなとは教えてねえぞ」
    「でも……」
    「いいから、言ってみろ」
    穏やかな声に背中を押されて口を開く。
    「俺は、ボスと、キスしたい?」
    実際に声に出してみると何だかしっくりきて、そうだったのかと納得できたような気がした。ボスとキスしたかったのかと心の中で繰り返して、ちょっと待てとまたブレーキをかける。いくらカインがスキンシップ好きだといっても、ただの上司と部下でキスなんてするわけない。まさか、と回り始めた思考が、目を閉じろとブラッドリーに言われてふっとんだ。何だか今日は思考がうまくまとまらない。
    カイン、と名前を呼ばれて、瞼を下ろした。項に手を添えられて、気配が近付いてくる。触れる、と思った瞬間に頬をやさしく撫でられて、目を開いたときには繋がれていた手さえ離れていくところだった。
    「明日になったらよく考えとけよ」
    「今日じゃ、だめなのか?」
    「そういう趣味はねえからな」
    どういう意味だと聞きたかったけれど、ブラッドリーはこれ以上何も教えてはくれなさそうだった。
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    すすき

    DOODLE【ブラカイ/パラロ】
    ボスにキスしたいなって思うカインと、カインをかわいがりたいボスの話。
    誕生日ボイスがめちゃくちゃなブラカイで強すぎてしんで、何かもういちゃいちゃしてくれないと割に合わないなって思って書いました。
    いつものいちゃいちゃです
    あ、キスしたいなとふと思った。
    カインにとっては唐突なことではなかったが、うまそうにグラスを傾けるのを邪魔するのは少し気が引けた。今日はとっておきだと言っていたから。でもちょっとだけ、頬や額にならと考えて、それだと満足できないだろうなという結論に至って小さくため息を吐く。ほんの些細な吐息に気づいて、どうしたと聞いてくる視線に、やっぱり好きだなと思う。
    「なあ、ボス。……キスしていいか?」
    結局黙ったままではいられなくて、手元のグラスを置いた。ブラッドリーが楽しそうに喉を鳴らす。
    「さっきから考えてたのはそれか?」
    気づいてたのかとも言えずに頷くしかない。自分でもちょっと挙動不審だったかもと思う。
    テーブルの上のボトルはまだ残りがある。ブラッドリーがカインも好きだろうと選んでくれた酒なのは知っている。いつも飲んでる安いエールみたいに一気飲みして楽しむようなものじゃないのも分かってる。グラスに口をつけたままじゃキスはできないけれど、二人きりでゆっくり酒を飲んで話す時間も大切だ。
    1972