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    kouran0114

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    kouran0114

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    銃独webオンリー用展示⑥
    ちょっとしたハプニングから進展する二人。両片想いでした。

    きっかけは些細なことから「うぁ……」
    全部のパーツの整った、綺麗な顔が眼前に広がっている。
    入間さんのアパートで飲んでいるときのことだった。バランスを崩した俺を支えるために伸ばされた腕。片想いしている相手の顔がこんなに近くにあることに耐えられるわけもなく、俺の心臓はばくばくと音を立てていた。腰に回された腕の力強さと伝わってくる熱がさらに羞恥を煽る。

    「大丈夫ですか……観音坂さん?」
    心配する声が聞こえるが、正直俺はそれどころではない。近くで動く唇に触れたらどんな感触がするんだろう、なんて考えてしまったときにはもう手遅れだった。
    完全にキャパオーバーした俺は、羞恥に耐えきれず目をぎゅっと閉じてしまう。目を閉じたことで入間さんの存在をさっきより感じてしまってさらに瞼が震えた。
    そのあとすぐに入間さんが息を飲む音が聞こえた気がして、急に目を閉じているのが不安になってくる。わからないまま目を開けないでいるとなにか柔らかいものが触れた。それがさっき考えてしまった妄想の感触と似ていて思わず目を開けてしまう。

    目の前に広がった光景に驚きで声が出なくなった。なぜなら目を閉じる直前よりその端正な顔が近づいていたからだ。閉じられた瞼から伸びる睫毛の長さまではっきりと見える。唇が、触れていた。
    実際は一瞬だったであろうそれは、俺にとっては長い時間のように思えた。ゆっくりと唇が離れていくのに合わせて開いた瞳は、俺を焼いてしまいそうに熱い。言葉もなく惚けていると、ぱっと腰を支えていた腕が離れて、近かった距離が少し遠ざかる。なんとも言えない表情をした入間さんを見て、珍しいなと思う反面、不思議に思ったところに思いがけない言葉をかけられた。

    「……すみません」
    「えっ」
    突然謝られた俺は思わず混乱して声をあげてしまった。いつも謝っているのは俺の方なのに、入間さんに言われると妙な感覚に陥る。うまく返事のできない俺をどう思ったのか、彼はそのまま続けて口を開いた。
    「貴方のことも考えず、軽率なことをしてしまいました。同意もなしにするなんて、許されることではないでしょう」
    真面目な表情でそう言う入間さんも、心なしか動揺しているように思えた。なんだかこんな状況だというのに、珍しい彼の表情を見られて嬉しい気持ちもあって少しだけ申し訳ない。
    俺は、期待してもいいのだろうか。入間さんも俺と同じ気持ちだって、自惚れてもいいのだろうか。
    「本当にすみません。……このことは、事故だと思って忘れてください」
    ぐるぐると考えている間に距離を置かれそうになって、思わず腕を引く。驚いたように見開かれた入間さんの目が、俺の目を捉えた。顔から始まって、体まで熱くなるのがわかる。
    どうしよう。どうしよう。どうしたらいい?そんな自分の頭の中とは裏腹に、視線が絡み合った瞬間からどうするのかは決まっていたかのように体が勝手に動いた。

    「……っ、ん」
    「……!……っ、」
    唇に柔らかい感触。入間さんの腕を引いて振り向いたところに唇を触れさせた。目は閉じているから彼がどんな表情をしているのかわからなくて、唇を離しながらそっと目を開ける。ほんのり赤く見える頰をぼんやりと見つめていると、微かに開いていた唇が言葉を紡いだ。
    「……そんなことをされてしまうと、勘違いしてしまいそうなんですが」
    「ち、違います!勘違いじゃ、ない、ので……その……」
    小さくなっていく声を拾ったのか、一瞬息を詰まらせた入間さんは俯こうとする俺の顔を見ようとするけどそれに耐え切れなくてぎゅっ、と目を閉じた。
    自分の鼓動がさっきより大きく聞こえてくる。高鳴る胸を押さえ込むことは、もうできなくて。

    「観音坂さん」
    「……っ」
    頰に優しく添えられた手で顔を上げさせられる。吐息の近さで距離を詰められたことに気づいた頃には、唇はすでに重ねられていて。初めては彼から。二度目は俺から。これで三度目のキス。
    触れ合わせた唇から、好きだって気持ちが伝わってくるようで、触れるだけのキスに酔いしれる。唇が離れて次にお互いを瞳に映したら今にも溢れそうなこの気持ちを伝えようと、縋るように愛しい人のシャツを握った。
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