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    Hokke_is_SAIKOU

    @Hokke_is_SAIKOU

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    支部のを再掲

    CP全くないシェアハウス系です

    #Luxiem
    luxurious

    Devil of the Voice「何回言ったらわかるんだMysta!!」


    家中に低い怒声が響いた。

    「Vox?なんかすごい怒ってるね、彼。」
    「多分あの二人でしょ。いつも通り手助けに行こう、Ike。」

    聞いたことの無い怒声と罵声の嵐へ、ShuとIkeは飛び込んで行った。



    「Daddyはしつこいよ!!ごめんって言ってるじゃん!!」

    案の定、怒りの矛先はMystaに向けられていた。


    「 …Shu、Ike!助けて!!」
    泣きそうな顔をしてこっそり近づいてきたのはLucaだった。

    「ah.Luca?ゆっくり説明できる?僕達よく分かってないから…」
    落ち着かせるようにゆっくり、静かに説明を頼むと、小さく深呼吸をしたLucaは経緯を話し始めた。


    ①MystaがLucaといつものジョークでゲラゲラと笑って
    ②ティーカップを持ったVoxが傍を通り過ぎようとした。
    ③Mystaが『あ、聞いてよ、Daddy!またLucaが……』と袖を少し引いた。
    ④ティーカップが指先から滑り落ちて……


    「ガシャンだ!」

    手を大きく広げ、爆発したかのような素振りをする。Luca、君ほんとに困ってるんだよね?

    だがこんな説明でも、第三者である2人が出した結論は等しくて。


    「こーれは…Mystaくんだなぁ。」
    「そうだねShu。Mysta、ファイト〜」


    第三者として見届けることに決めた2人の目は、どこか遠くを見つめていた。


    でもでも、とLucaは袖を引き話を続ける。

    「オレも、悪いとこあったから『ごめん』って言ったんだけど…特に機嫌が悪かったらしくてさ。」


    確かにVoxがここまで怒るのは珍しい。
    何時もなら「……まぁ新しく買い直すか。次は無いからな。」と言って喧嘩が収束するのに。

    激高の理由を探そうとShuが口論の仲裁に入ろうとした、ちょうどその時だった。


    「あぁぁもう限界だ!!!Mysta!」


    Voxの怒りは頂点に達したようで、声を荒立てていた。


    そしてShuは気づいた。


    彼の声に魔力が籠っていることに。



    「Vox!言っちゃダメだ!」の言葉は手遅れで。




    『Mysta、お前のその減らず口は、二度と聞きたくない!!糸で縫い付けてやりたいくらいだ!!』


    途端。

    「へー!それはこっちの…〜!〜〜〜?!」


    突如出現した赤い糸が、ギザギザとMystaの口を縫い合わせ、ピッタリと閉ざしてしまった。



    VoxAkuma。
    その名が表すは『声の悪魔』という本性。
    彼の声は万物を魅了し、一声『従え』と言えば生きとし生けるものは皆自然と頭を垂れる。
    だがこれは彼が力を行使した時のみ。

    普段は力を使わないと決めていた彼は、怒りのあまり自然と魔力を込めてしまった。




    「Vox!オレとMystaが悪かったから、反省してるから!頼むからこの糸解いてくれ!」
    Lucaは自らの非を必死に叫び訴えて。


    「な、何これ?待ってMysta!暴れちゃダメだよ!」
    Ikeは閉ざされた口に驚愕し暴れるMystaをとにかく宥めて。


    Shuは自身の力を使って糸を解こうとするが、Voxの場合は呪いではなく唯の魔力。
    力が及ぶはずもなくて。


    Mystaは鼻から呼吸が出来ているようだが、混乱した彼なら強引に開こうとして流血しかねない。

    「Vox!早く解いてあげて!」
    Shuは呆然と立ちつくすVoxへ叫んだ。


    「あ、あぁ、『糸よ。Mystaの口を今すぐ解け。』」


    直ぐにMystaの口は自由を取り戻し、はぁはぁと息を整えた。

    あぁ、良かったとLucaとIkeが胸を撫で下ろす。

    一方でShuだけは、静かに肩を震わす男を見つめていた。
    目は泳ぎ、身体は呼吸に合わせて歪み、2つの筋張った手で必死に口を抑えていたその男を。



    その男の美しい瞳から涙が1滴頬を伝ったとき、悪魔は沈むようにとぷん、と影に溶けた。








    俺は、自分の力で、仲間を、家族を傷つけてしまったのか。


    自身の力の脅威に触れ、自らの家族を傷つけてしまった悪魔は、静かに嘆き苦しんだ。


    「……嗚呼、この声が悪いのか。」


    1つの結論を導き、苦笑すると古の友人に教わった『呪い』を発動させる。


    鋭い爪を喉にまとわりつく紐に引っ掛け、呪文を唱える。




    「汝҈̯͕̤͍̙̬̥̠͚̤̗̪̠͕͖̪̘̙̤̒͊̀̀͊͊̏̐̉͋̈̔̿̐͂̇̊̋͒̑ノ̴̘̩͎̜̘̯̣̱̤̠͓͖̠͍̫͙͕̎͋̍͐͒͐̇̎̊̋̀̿̈̐͂̅͋͒̀͆̅͛̄̾ͅ聲҈̳̬̝̠̰͈̖̱͍̱̙̖̗̭̘͇̲̠̈̒͋͊̅̈͋̄̽͐͆̿̍̄̅̚ͅͅ、҉̞̠̟̦̣̥̠̜̱̰͎̞͇̣̭̲̆̍͐̑̆̓̀̓̀͑̔̂̈́̍̐̆̐͒̄͊ͅ人҈̗͖͔̫͇͓̬̞̣͓̖̖͖̥͇̗͆́̎͆̀͒͂̃͂̈̔̋̚ノ̵͔̬̲̬̫͇͎͕͈̦̪̳͉̠͓͕̜͍͕̔̋͆͊̐̇̿̋̌̓͆̏̒͋͗為̷͖͇͔̪͕̳̞̳̙̟͔̟̪͕̘͓̀̒̂̂̄̀̄̿͊̔͂̏̉͐̌̓̒̅͊́不̴̰̣̭̟͚̜̭̦̥̞̖̋͑̋̊̌̈́͌̌̋̒̐̂̚ͅ成̶̰̬͍͕̬̤̰͖̱̬̝̳̩͍̐̾̓̽̒̀͗̅̇̓̋͂͑͋̇͌͒̈́。̵͍͉̥̗̝͕͍͎̯̱̤̃̀̃̒̿̌͐̓̃̆̍͊̾͒̄̔̔̍ͅͅ鎖̴͔̗̳̠̭̦̩̪͚͇̜̣̭͍̭͔̥̣̟̣̩̳̿͛̆̊̈́́́̍͌̿̽̎͛́͂͂̔̏纏҉̝͓̤̘̱̬͎̰̰̝̟̝̦͎̬̣̏̏̅̋͊̈́̑̎̉͌̍́、҈̩̘͖̖͕̗̰̲̭͙͉͔͇̫̯̣̩̭̘͇͚̫͗̾́̿̆̅̾͐̊̅̈́̿̽̉̈́̀̈́͑̃̅̍燃̶̙̫̙͇͖̘̲̲͓̙̫͔̥̫̝̐͊̐͐̃͂̉̀̀̆͐͋焦̷̣̩͚̠͓̮͓̦̞̳͓͓̗̥̟̰̳̦͔̰̩̆͐̎̇̄́̉̾̒͂͒̓̽̅̄̇͊̌̒̓̚。̴͚͓͓̦͇̞̰͚͕͙̖͚͉̖̣͓͍͔̂͆́͂̆̿̋̈́͒͗̄͊̉̅̀ͅ」











    コンコン。

    Voxの部屋の扉が叩かれる。


    おじゃましまーす、と入って来たのはShuだった。


    ベッドの上にあぐらをかき、項垂れた男の背後に立って軽い尋問が始まった。


    「最近さ、自分の力ちゃんと制御できてないでしょ。」
    「……」


    沈黙は肯定だよ、とため息をつくと背中はひとつ頷く。



    「……ねぇ!何とか言ったらどうなの?!」

    Shuが痺れを切らして喋らない男の肩を掴み、顔を向けさせたとき。


    「……えっ?」


    男の喉にはいつも巻かれていた赤い紐がタトゥーのように刻まれ、Voxが口を開こうとする度に赤くぼんやりと光を点した。


    Shuは古に見た模様を思い出す。
    人の行動や言動を封じる縛術。
    解呪するには術者が解くことが必須条件。
    他者では呪いが伝播する可能性がある危険なものた。



    「Vox……!君、自分自身に呪いをかけたな?!」


    心配よりも、呪術師の目の前で「呪い」を扱ったことに怒りが隠せず、胸ぐらを掴んで引き寄せる。





    ーーこれで、お前達を傷つけなくて済むんだ。



    Voxの顔は、これでいいんだと言わんばかりに穏やかだった。
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