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    riri_ko09

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    riri_ko09

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    ※旅の仲間if
    主人公は☆4のオリジナル男キャラ。
    旅人(&パイモン)、女性キャラ2人、リオセスリ、主人公のパーティで旅をしている。

    基本、メインストーリーに沿ってナタまで攻略済、各キャラはそれぞれの国でスカウトした。現在、次の国に行くまでレベル上げや任務などをこなしているところ、という設定。

    俺リオ1 出会い編今、猛烈に悩んでいる事がある…。

    1週間前、行方不明の兄を探して旅をしている蛍さんという女性の旅の仲間に、紆余曲折あって加入することになった。
    俺自身の話をしても特に面白くないと思うので、この部分は割愛したい。

    旅の仲間は、蛍さんと他に女性2人(この2人に関してはまた改めて…)そして俺を含む男性2人で構成されているのだが、この俺以外の唯一の男が大問題なのである。

    とにかく、図体がでかくてこわい!!
    黒髪に黒を基調とした重そうな衣装を身につけ、武器を使わず己の拳のみで戦う漢の中の漢という雰囲気を漂わせている彼の名前はリオセスリさんというらしい。
    変わった名前だ。フォンテーヌの人だそうだが、自分のことはあまり話さないのでそれ以上のことはわからない。
    自分のことはほとんど話さないが無口という訳でもなく、低く重苦しい声で皮肉めいた物言いをする。話の内容も高尚で難解だ。ただの脳筋という訳でもなく頭もいいのだろう。だが、それがまたマフィアなどの悪の組織のボスを彷彿とさせ怖さに箔をつけている。
    俺は戦うことはあまり得意では無いが、それ以外の事はそつなくこなせ、今までの人生の苦難もそれなりに乗り越えてきた。
    だが、こんな恐ろしい人物と行動を共にするのは少し勇気がいるのだった。

    そんなこんなで一部の仲間(厳密に言えば1人である)と馴染めないまま一週間がすぎたのだ。
    俺は今、皆が戦闘後疲れた体を休めている場所から少し離れた場所で今日の昼飯用の食材を集めている。何事もそつなくこなせる事だけが自慢の俺は自分から料理係をかってでたのだ。

    料理だけでなく、俺の仲間を強くできるスキルが重宝され、蛍さんや他の仲間たちの役に立てていると自負しているが…。
    リオセスリさんは自分で自分を強化できるため、正直戦闘で俺が彼のためにできることは特にない。
    人生経験上、唯一の同性の仲間である彼と仲良くなっておくに越したことはないと思うのだが、恐らく彼は俺にはなんの興味もないのだろう。
    実際、最初の挨拶以降まだ個人的に話したこともなかった。

    そんなことを考えていた昼下がり…。
    自分で思っているよりもこの件が深刻なのか思考は完全に目の前の出来事から切り離されていた。
    だから、気づけなかった。
    スライムが俺に対して突進してきていることに。
    さすがの俺でもスライムぐらいならひとりで倒せる。が、片手に食材を抱えつつぼーっとしていた今の俺はすぐに反応することが出来なかった。
    焦って思わずバランスを崩し尻もちをついてしまう。打ちどころが悪くすぐに起き上がれない。

    やばい!と思ったその時、
    「おっと、危ない」
    スライムと俺の間に大きな影が飛び込んできた。ひらひらとたなびく黒い
    コート。
    「…リオセスリさん…!」
    彼は冷静に敵を見定め、目にも止まらない速さで拳を振りかざすとあっという間に粉砕してしまった。

    「怪我はないかい?」
    「…すみません、うっかりしていて…」
    たかがスライム如きに遅れをとり面倒をかけてしまって、申し訳ない気持ちでいっぱいだった。
    彼の確固たる強さに対してあまりに弱すぎる自分。自分では頑張っているつもりでも、現状戦闘で目立った活躍もなく使えない俺に怒っているかも…という気持ちも沸き起こり、伺うようにちらと盗み見る。
    そんな俺をよそに、
    「なんて事はないさ。〇〇くんがいつもサポートで頑張ってくれている事に感謝している。戦闘に関しては、得意な者に頼るといい。特に俺は、力が有り余っているからな」
    そういうと、にこっと俺に微笑みかけ、手を差し出してくれた。

    ……めちゃくちゃイケメンすぎる!!良い人すぎる!!
    落ち着いたバリトンでそんなふうに言われると、感謝こそすれ、自分を卑下する気持ちがおさまり、自分の得意な分野で頑張ろう!と前向きな気持ちになるのだった。
    凄いカリスマだな、物言いからして何か重要なポジションの人なんだろうか…などと思いつつ、差し出してくれた手を握り返す。
    がっしりした手に包まれ身体を起こした反動で、彼の顔がぐっと近付いた。
    否が応にもついまじまじと見てしまうことになる。

    …………まって、この人、めちゃくちゃ顔、かわいくない??!
    垂れ気味のアイスブルーの瞳は思いのほか大きくぱっちりとしていて…。俺を助け起こそうと俯いている今、長いまつ毛が白い肌に影を落とし…。
    黒く太くつり上がった眉は大変男らしいのだが、他のパーツと合わせると、なんとも言えない…、そう、彼の厳つい雰囲気とは真反対の幼げな印象を与えて来る。平たくいうならものすごく童顔だ…。

    いつも恐ろしくてなるべく直視しないようにしていたので、やたら黒くごつい大男だと思っていたが…。
    顔だけ見るとそこら辺の女性顔負けのかわいらしさで脳がバグる。
    しかも、めちゃくちゃ優しい紳士だなんて!

    「それじゃ、戻ろうか」
    「本当にありがとうございました…」
    「お互いの利益のために、唯一の同性同士、常日頃から仲良くしておくのは大事、だろ?」

    俺がいつも思っている事を見透かしたかのような台詞を目尻を下げてにやっと笑いながら言い放つと、彼は黒いコートを翻し先を歩きはじめた。
    今までの俺だったらこの皮肉めいた物言いに恐怖を覚えるところだが…、今は何故だかこれまでに感じたことのない胸の高鳴りを覚えるのだった……。



    あの日見た彼の顔が頭から離れない。
    ……これが今、俺が猛烈に悩んでいる事である…。


    to be continued





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