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    riri_ko09

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    続き

    俺リオ4 キミの知らないこと編………俺はもう迷わない、と心に決めた。


    新しい仲間(俺だ)が加入したので、これを機に全体的な戦力の底上げに力を入れたいということで、ここのところ毎日冒険者協会の依頼を皆でこなしている。

    今日はスメールの砂漠を走り回っている…。
    暑いし喉渇くし突然でかいサソリが出てくるし上には謎の鳥が飛んでるし…。暖かい地域出身の俺でも砂漠はきつい…。

    しかし、今、俺の心は意味わからないぐらい高揚していた。
    サポートに徹していればいい俺と違って、この暑い中で激しい戦闘をこなさなければならないリオセスリさんもさすがに少しお疲れなのかもしれない。
    ダッシュする際に時折、「んっ…」やら「はぁ…っ」やら妙に艶かしい吐息が聞こえてきて、俺の頭の中は、

    はわわ~、どうしよ~!!
    ドエロすぎ!!!!ドエロボイスすぎ!!!!!あと、砂漠で戦う姿もエロかっこかわいすぎ!!!!!!!

    と大絶賛祭り状態だった。俺の疲労は砂漠より、興奮しすぎが原因かもしれない…。

    この調子で1日が終わり…。
    夜は、以前スメールの草神を共に力を合わせて助けたという仲間たち、アルハイゼンさんやセノさん、ティナリさんやデイシアさんそれにニィロウさん達と久しぶりに集まって共に食事をとる。
    蛍さんの話によると、たまにこうやって縁の出来た仲間同士で集まってバザールで食事を共にとり、その後彼らの中で大ブームである七聖召喚大会と洒落込むんだそうだ。

    もちろん数週間前に加入した俺は彼らと面識はない。フォンテーヌで加入したというリオセスリさんとシグウィンさんも面識はないそうだ。

    セノさんが楽しそうにカードの準備をしている。既にだいぶ夜も更けているのだが、皆何気にこのために集まって来てるのか、ここからが本番だぜ!!という生き生きとした顔をしている。

    七聖召喚かー。嫌いじゃないんだけど、結構頭使うし、この疲れた頭じゃ何も考えられない。みんな元気だなー。俺は眠い……。
    それに、スメールの皆さんはみんな良い人だというのは伝わって来るのだが、わいわいしたノリが苦手な自称クール系の俺(笑)にはこの雰囲気は少ししんどかった。

    そうだ、リオセスリさんはどうなんだろう。
    無口という訳でもないが、どちらかというと聞き役にまわっている事が多い彼は、ここではどんな立ち位置なんだろう。
    と、ふと彼を探すと、

    「蛍ちゃんから突然キャッツテールに呼び出されて、どうしても今やりたいなんて言われた日にはびっくりしたよ。あの日は準備不足で手痛い負けを喫してしまったが、今日はしっかり研究して来たんだ。お手合わせ願おうか!」

    なんて、めちゃくちゃノリ気である。
    意外と勝負事でアツくなるタイプなんだな!!かわいい!!
    彼の勇姿をずっと見ていたい気もするが、眠気には勝てない…と少し離れたところに座りウトウトしていると…。

    ちょんちょんと小さな振動が肩の辺りに伝わってきた。横を見ると、シグウィンさんがこちらを見つめていた。

    「〇〇くん、今日もとても頑張って偉かったのよ!疲れた時はゆっくり休むのが大事なの。さ、ウチと一緒に帰りましょ!みんなには伝えてるから安心してね」

    今日は夜遅くまで羽目を外す事が確定している日という事で、スメールシティの宿を予約してあるのだ。
    シグウィンさんの言葉に完全同意の俺は、彼女と一緒に宿まで帰るために歩きはじめた。楽しそうにカードゲームに興じているリオセスリさんをちらっと一瞥しながら。
    今度こそは勝てそうなのか、超良い笑顔を浮かべている。かわいい。


    宿屋への長い坂をシグウィンさんと一緒に歩いている。
    よく考えたらまだ彼女とあまり個人的に話したことは無いな。たまに聞こえてくる発言内容がやたらと個性的でリオセスリさんとはまた違った怖さを感じていた…。

    「…あの子のこと、好きなの?」

    2人きりになったらこれが聞きたかった!とばかりに、突然、シグウィンさんが食い気味に尋ねてきた。

    あの子…?
    誰だ?蛍さん?閑雲さん?まさかのパイモン?

    皆俺に良くしてくれ好感度はそれなりに高いが、そういう【好き】かと言われると違う気がした。
    「あの子がね、最近ウチによくキミのこと話してくれるのよ。外見だけで怖がられてるんじゃないかと心配だったけど、仲良くなれそうで嬉しいって。若い頃の自分に似てるから応援したいそうなのよ」

    よくシグウィンさんと話してて、少し外見の怖い……。
    思い浮かべるのは「彼」だけだった。

    「シグウィンさんってリオセスリさんの知り合いなんですか?」
    確かに2人ともフォンテーヌ出身と聞いていたが、知り合いという発想はなかった。
    間の抜けた声で質問に質問で答えてしまったが、シグウィンさんは、

    2人はフォンテーヌのメロピデ要塞の所属だと言うこと。訳あって今は旅人に同行しているが、本来のリオセスリさんは「公爵」の爵位持ちであり、かの要塞の管理者であるということ。シグウィンさんは看護師長として彼の下で働いていること(口ぶりからして年齢は彼女のほうがずっと上なのだろう…)

    などをかいつまんで話してくれた。

    メロピデ要塞、聞いた事がある。フォンテーヌの法廷で有罪判決を受けた罪人は皆ここに収監されるのだとか。水の下にあり、罪を償うまでは太陽の光を拝むことは出来ないという…。

    そんなところのトップならそりゃ威圧感もカリスマもあるわけだ。
    何でそんなやばいところの管理人なんて仕事を好きこのんでやってるのかはわからないが、とりあえずすごい人なんだなと再認識した。

    「…あの子もウチももう長いこと水の下にいたから、外国の景色は初めてなのよ。あんなにワクワクした表情を見せてくれるのも初めてなの。あの子、笑ってると本当にかわいいのよ~!!」

    璃月の長い階段を歩幅を合わせて登っていた時、お茶の葉を自分で買えたと嬉しそうに笑っていた、あの時の上気した彼の顔を思い出した…。
    あれはそういう気持ちのこもった、笑顔だったのか。

    でも待てよ、仕事で要塞の管理人してるからって、休みの日に旅行ぐらいできるのでは?
    …まだ何か事情がある……のだろうか。
    ほんのりとした形の定かでない薄暗い
    ものを彼らの後ろに感じた気がした。

    俺の気持ちを察したのか、

    「……キミの知らないあの子のこと、いつかあの子がキミに直接教えてくれるって信じてるのよ。キミにとっては辛い話かもしれないけど…、その時はちゃんと受け止めてあげて…ね?」
    シグウィンさんの紅い目が俺をじっと見つめていた。それは彼にとっての母親のような、姉のような…、彼への慈愛と俺に対する期待のこもった瞳だった。

    「もちろん!!!!!リオセスリさんは俺が幸せにしますよ!!!!!!!!!どんな事情があったとしても!!!!シグウィン先輩、貴重なお話ありがとうございました!!!!!!」

    少し距離のあったシグウィンさんとの仲がリオセスリさんを介して急に近づいた気がした。シグウィン先輩、これからもよろしくお願いします!!!!!!

    シグウィン先輩の最初の質問にはまだはっきりとした答えを出せないけど、これだけは断言出来る!
    …リオセスリさんは俺が守護る!!!!

    そう心の中で叫んだ時、自分の中で何かが燃え上がった。
    例えるなら、無凸から2枚抜きして2凸になり、各種ステータスが大幅upしたような心持ちであった……。
    めっちゃ強くなった気がする!!

    俺は正しいことのためにこの力を使う!もう迷わない!

    to be continued






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