かみさまおねがい俺たちが神様だって。世も末だよね。
その世、がどのようなものなのか次第だね。
かつて僕たちは、旅人の帽子についた羽だったかもしれない。
果物の片割れだったかもしれないし、そんないいものではなくて、地球の全く違う所で燃えた家の柱だったかもしれない。
光栄でしたと申し上げましょう。自分の目が濁っていなかった事と、あなたの傍らに立ち続けた事を。
嬉しかったです。僕が負けても勝っても傍にいてくれて。
どちらが先に死んだのかはもう覚えていない。
百年前に死んだのかもしれないし、さっきふたりで食べていたような気がする天ぷらを喉に詰めて死んだのかもしれない。
君たちは次はどうなりたいの?
君たちは次はどうなりたいの?
なんだって叶えてあげる。正か邪か、嘘か誠か、そんなものは些細な事だよ。
世界は五分前に作られたかもしれない。私たちですら、それを否定も、肯定もできないんだ。
二人は顔を見合わせる。
いつ死んだのかも、直前に何をしていたのかも思いだせない。
けど隣にいる人がどんな人で、この人とどうなりたいのかはずっと覚えている。
「願わくば…」
「できるなら…」
*
「梶様。カードをオープンしてください」
「…?」
「どうかされましたか?」
「あ…いえ…」
開けたカードは最高の役。
「この勝負の勝者は…梶様です」
羽が、一枚地面に落ちる。