Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    のーらん

    @achaacha1607ss

    創作倉庫
    絵も小説も書く。
    🐑右にしがち

    リクやお題、感想なんかはお気軽にこっちにどうぞ!→ https://marshmallow-qa.com/achaacha1607ss?utm_medium=url_text&utm_source=promotion

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 33

    のーらん

    ☆quiet follow

    👹×🐑
    👹🐑
    スパダリ系🐑くんに誕生日のお願いごとをする👹さんの話。かっこいい👹さんはいません。

    👹さん誕生日おめでとう!!長い年月を生きてきたあなたが今幸せを感じていることを祈っています。

    #Cybussy
    #Akumasutra
    #Fukuma

    結果、犬も食わないということで。「かわいく照れるファルガーが見たい。」
    「病院なら予約してやるぞ。」

    ダイニングテーブルの上で両手を組んで真剣なトーンで告げるヴォックスを、ファルガーは見やることも無く言葉で一蹴した。

    もう日も高く昇り、ファルガーの愛でている観葉植物が穏やかな光で照らされている。その植物も主人自らの手で注がれる水に生命力を増したように見えた。
    遅めの朝食を食べ終わって、少し微睡むようなその時間。
    そしてそこへため息をつきたくなるような戯言が放り込まれて、ファルガーはそのまま気持ちに抗うことなく息を吐き出した。

    「今日俺は誕生日だぞ?俺の頼みは聞いてくれないのか。」
    「朝起きた時におめでとうも言ってやったし、プレゼントも渡しただろう。あんなにkindred達にも祝われていた癖に。」

    ファルガーが窘めるように言うと、ヴォックスは組んでいた腕を伸ばして、一目惚れして買ったというそのマホガニー色の机に頬をぺたりとつけた。

    「そもそもお前がカッコよすぎるんだ。」
    「はぁ?」
    「朝起きたらすでに出来合いだったとはいえ、朝食が用意されていて、枕元には包装されたプレゼント。なんなんだ。惚れ直すなという方が無理だろ。」
    「……何に怒っているのかさっぱりだが喜んで貰えたと認識していいか?」
    「当たり前だふざけてるのか。」
    「情緒どうなってるんだ。」

    全く、と言いながら持っていたじょうろをおいてファルガーが向かいの席に座る。
    ヴォックスは不貞腐れたようなその姿勢のままつい、と視線だけ動かした。

    「まぁつまり、fanficで書かれているような、すぐに赤面してツンデレっぽい俺が見たいって事か?」
    「そうだ。」
    「んー……分かった。」
    「は、」

    ファルガーは机の上に投げ出されたヴォックスの左手を取って、恭しく薬指に口付ける。

    「これは俺の機密事項なんだが、俺は存外恋人に尽くすタイプでな、」

    今日ぐらいお前好みに変わってやるよ、Darling?
    と、愉悦の笑みを浮かべてヴォックスの瞳を見つめる。
    恋人の本気の口説きを目の当たりにした当の本人はと言うと、目を瞬かせたあとゆっくりと手を引き抜いて口元を隠すしかなくなった。

    「……俺はお前になら時々抱かれてもいいと思う時がある。」
    「何を言ってるんだ抱くのはお前だ馬鹿。」

    という訳で今日限りのかわいく、照れるファルガーがここに生まれたわけだ。



    「なぁ、夕飯はどうする?……別にお前の料理がいいなんて一言も言ってないだろ!」

    「なんだ?電話か?今日はやたらと多いな……別に寂しいとは思ってない!どうせ夜は2人で過ごすんだし、あ、いや、なんでもない。」

    「はぁ!?昼間っから何言ってるんだ!馬鹿じゃないのか!この変態悪魔!」

    などと、こんな感じか?、それともこんな感じか?とノリノリで演じるファルガーとそれに感動するヴォックスという傍から見ると謎の光景。

    最初こそ戸惑っていたもののキャラクターが板に付いてきたのかファルガーから仕掛けてくることもあった。
    家で2人でただただ普通に過ごすはずだったその1日はファルガーの献身によって至高のイレギュラーになって、それをヴォックスは心の底から楽しんでいた。


    色々な人物からの電話やメッセージ、そして愛する恋人と過ごした1日。
    それらを思い返して噛み締めながら、ヴォックスは今朝共にベッドの上で目覚めた赤ワインとグラスを持って、夜空を眺めるファルガーの元へとベランダへの窓を開けた。

    「丁度それが飲みたい気分だった。なんで分かったんだ?」
    「お前の恋人だからだろうな。」
    「……当たり前のことを聞いたな。悪かった。」

    一瞬、間が空いたのは"どちら"で答えようか迷ったからだろうか。
    一縷の隙もなくさらり、とボトルとグラスを手から奪ってとくとくと注いでいく。

    その面倒見と手際の良さに普段のファルガーだと確信して、その手からグラスとボトルを奪い返して、側で静かに音を立てる室外機の上に置いた。
    月明かりに照らされるその顔に自分のそれを寄せようとすると、夜風で冷えきった機械の手のひらが受け止めた。

    「ストップ」
    「……今はツンデレファルガーなのか?」
    「そうじゃない。」
    「?」

    「1つ、実は今俺は少し不機嫌だ。」
    「2つ、それはお前のせいでもあるし俺のせいでもある。」
    「3つ、俺はそれに気づいて貰えずそれも少し寂しいと感じてる。」

    それに気づいたらキスしてやる。

    と順番に指を立てながら教えてくれるファルガー。
    特にこれといった思い当たりもなく、あるとすれば誕生日だからと押し付けたわがままだ。
    コイツもまぁまぁノリノリだったよな、と思いつつ、それしか考えられることは無い。

    「今日、俺がお前のかわいく照れるところが見たいと頼んだことか。」
    「んー、まぁな。」
    「なんだその煮え切らない返事は。」
    「いや、実はな、俺もやってて楽しくなかったわけじゃない。でもお前相手に嘘をつくつもりもない。」

    ファルガーは置かれたワインを手に取って、少し口に含んだ。
    夜景の方に目を向けて、ベランダのアイボリー色の手すりに肘をつく。


    「今の自分が否定されたのかと、もっと可愛げのあるやつがいいのかと、思った。」


    ぼそぼそ、と小さく吐き出されたそれ。
    瞬間、弾かれたようにヴォックスが口を開く。

    「そんな」
    「つもりじゃない、だろ?知ってる。そういう意味じゃないのも知っているが、」

    ちょっとだけ、本当に少しだけ、俺が勝手に傷ついたんだ。

    切なげにはにかんで、グラスの赤ワインをぐっ、と飲み干したファルガーをヴォックスはその衝動のまま勢いよくその腕に抱きしめた。

    「おわ、お前あぶな、」
    「違う、違うんだ。悪かった。お前にそんなことを思わせてたなんて微塵も気づかなかった。」
    「……正直、ついにお前に、飽きられたかと。」
    「そんなわけないだろう。」

    ヴォックスが、空になったグラスを取り上げて室外機の上のワインと並べる。
    ボトルとグラスに月が反射してまるで溶け込んでいるようにみえた。

    「400年あまり生きてきて、誰か特定の人間を愛してこなかった俺が、今お前を選んでるんだ。」

    飽きるわけがない。
    手放してやる気も、毛頭ない。
    そんな意味も込めて、またぎゅうと力の限りその少ない生身の体を抱きしめる。

    「好きだ。愛してる。これからも毎年この日を一緒に過ごして欲しい。お前と、一緒にこの数えるのも退屈な年月を重ねたい。」
    「ちょ、ちょっと」
    「かわいいお前も、かっこよくて頼りがいのあるお前も、お前が好きだから好きなんだ。お前じゃなきゃ意味が無い。」
    「わかった!、わかったからっ……!一旦ストップだ、待ってくれ。」

    口をもごもごとさせながら、顔を見せたくないからか、ファルガーはヴォックスの肩に顔をうずめる。

    「〜〜っ!かわいい、すごくかわいいぞファルガー。顔を見せろ!」
    「いい!今ので照れないわけがないだろ。もういい。充分だ。」
    「気づいたらキスしていいって言っただろう。」
    「言ってない。」
    「はあ?」

    勢いよくあげられたファルガーの顔は、闇夜でも分かるぐらいに紅潮しきっていて、その灰紫がきっ、とこちらを睨みつける。

    「してやるって言ったんだ。」

    ヴォックスの顎を持ち上げて、唇を重ね合わせる。
    ファルガーの舌がヴォックスの唇を割り開いて、その少し残った赤ワインの味を分け合うように、お互いの唾液を混ぜ合わせた。
    灯りに透ける銀糸と絹のような黒髪が澄んだ風になびいていた。

    「今日の夜は?」
    「お前ならなんだっていい。」
    「そうか、じゃあたまには下をやるか?」
    「……やらなきゃ別れるというなら、」
    「ははっ!じゃあお前を組み敷くのは一生かかっても無理そうだ。」


    翌朝、ベランダでぽつんと置き去りにされた赤ワインを見つけて2人で笑いあうまであと、
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    ☺😭🙏😭🙏❤🍷🍷💖😭💘😭💘💖😍💴💯💖😍💯🍷☺👏👏👏👏👏💯❤🍷💖💖💖💖💘❤👏👏👏❤😍💒💒💒💒💒💒💒💒💒💒❤😍😍😍💖💒💖💒
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    related works

    recommended works

    Gabriel_ishere

    PROGRESS主Luxiem(略偏Shu) / 友情&耽美曖昧向 / 微OOC

    增設:
    * 哨兵與向導之間並無主從關係或體質強弱限制,更與攻受定位無關;
    * 擁有精神體的他們均可自由根據自己的喜好成為哨兵或向導,與其精神體是否肉食性/雜食性/食草性無關;
    * 體質轉換為哨兵/向導後將失去繁衍可能,因此其結合行為只與愛相關。
    小滿未滿02 同居

    在Shu的協調下,五人很快便商議好公共區域注意事項及劃分好各自負責的家務內容。因此在同住的這一週裡,雖也有不少需要磨合的地方,但總體來說彼此相處也算融洽。

    或者,說是因其他哨兵向導未完全匹配成隊,塔未有相關任務安排,致使他們五人未有過多交集而相處融洽可能更準確一點。

    Shu發現在五人中,Luca的作息最為規律,早睡早起之餘,幾乎每天早上都會出門長跑運動一下。平日看到家裏有需要整理的地方也十分主動地收拾好。而Vox,則是五人中最會享受到一個。這段時間,他沒事就會為大家做點精緻小餐食,或待在客廳內看自己感興趣的書,享受悠閒時光。

    作為可提供群體性治療向導的Ike,與三位休長假中的哨兵不同,即便未正式入隊也得配合塔為新人哨兵們提供精神梳理協助,忙碌得很。因此他出任務回來後,總會選擇吃幾口自己心愛的魚子醬吐司便回房睡覺,基本上天塌不下來都不會醒。
    5619