気になるアイツそれは急に湧いて出た。自分でも何でか分からねぇ。でもどうしても抑えきれなかったんだ…この疑問を……
そんな俺の疑問から、今の現状に至るわけだが…
「なッ…なッ……」
俺の目の前で目を見開いて狼狽えてんのは、上弦の陸。名は妓夫太郎って言ってたな。俺ら鬼殺隊の宿敵だ。そんな宿敵相手に俺は今、コイツのズボンらしき下衣の中に手を突っ込んで尻を揉んでいる。何でかって?
履 い て る か 気 に な っ た か ら だ 。
最初はそのよく分かんねえ下衣がどうなってんのか気になって、ジロジロ見ながら斬り合いしてたんだが、コイツ結構ギリギリのとこで下衣履いてんだよなぁ。それ簡単に落っこちねぇか?て疑問に思って「まぁどうせ褌締めてっから大丈夫なんだろ」と思ったが、よく見たら腰回りが腸骨辺りまで出てんのに、布っきれが見当たらねぇ。もしかして、あの妹鬼みてぇな際どいの履いてんのか?って想像した。何かムラッときた。俺女房三人もいんのに、目の前の鬼、しかも男にムラッときた。もう一回言うぞ。
ム ラ ッ と き た。
そっからは行動が早かった。俺は俺の情欲…じゃなく、追求心に動かされ、自分で動ける最大の素早さの限界を超えてコイツの目の前に移動した。俺の突然の速さに、コイツは目を見開いて驚き身構えたが、俺がそのまま手を後ろへ回し、下衣に手を突っ込むと、ビクゥゥッて身体を震わせてた。一瞬可愛いと思っちまった。
まぁ結論を言うと……
履 い て な か っ た 。
そんなわけで、俺は今、直にコイツの尻を揉んでる。
「なッ…何してんだぁぁテメェぇぇッ!」
「いや。お前が下着か何か履いてんのか気になって」
「それが何で俺の尻を揉んでんだよぉぉッ!な"ぁぁあッ!?」
「何でだろうな。俺もよく分からねぇ」
「だったらさっさと手ぇ離せやぁぁぁッ!」
「いや何か…このまま揉んでてぇなぁ思って」
「真顔で何言ってんだッテメェはよぉぉぉッ!」
「ぶっちゃけると……お前にムラッときた」
「……は?」
「お前にムラッときた」
「…俺の耳、おかしくなったかぁぁ?」
「お前にムラッときた」
「3回も言わなくていいわぁぁぁぁッ!!」
聞こえてなさそうだったから繰り返したんだが…解せねぇな何か。
「テメェが変態なのがよぉぉく分かった!!」
それこそ解せねぇんだが!?んなエロい格好してる奴に言われたくねぇな!つかコイツ、妹から出てきた時絶対ぇ全裸だったろ!!あん時無理矢理引っ張り出して確かめりゃ良かった!!
「俺みてぇな醜男に盛るとかとんでもねぇ変態……ッ!」
「いやお前、結構顔整ってるからな」
「医者に目と頭見てもらえやぁぁぁッ!!」
「いやいや。お前鼻筋通ってっし、目もデケェ方だし、顔も丸顔で可愛いし」
「ちょっとまて。最後にまた変な単語が出てきたぞテメェ」
「可愛いし」
「繰り返すなぁぁぁッ!!俺のどこが可愛いんだよぉぉッ!!脳ミソ腐りすぎてんだろうがぁぁぁッ!!」
コイツ自分を卑下しすぎじゃね?見た目は結構イケてるだろ。後、中身。そんなに俺を離してぇなら、例の飛び血鎌すりゃいいのにしてこねぇんだぞ。俺の言葉に動揺してんじゃねぇか。可愛過ぎね?
「つかさっきから何なんだよテメェはよぉぉぉッ!尻もずっと揉み続けてっし!!俺に気があんのか!?あ"ぁッ!?」
ん?俺が?コイツに?気がある??
…何言ってんだコイツ……そんなもん決まってんだろ。
「おう認めるわ。俺はお前に惚れた」
「………は?」
惚れてねぇ男の尻なんざ揉まねぇわな普通。因みに俺は、嫁以外の奴の肌に直に触れる事はしねぇ。つまり…
「だから俺の嫁になれ」
「……いや意味分かんねぇんだがぁ?俺、鬼。上弦の陸。お前、鬼狩り。柱。分かってるかぁ?」
「純愛にそんなもん関係なくね?」
「これが純愛なわけあるかぁぁぁぁッ!これだからモテる色男はぁぁぁぁぁッ!!」
「そのモテる色男を虜にしてんだぞお前」
「あ"あァァァァァァッ!耳元で囁くな"ァァァァァッ!!」
耳が弱点かッ!そりゃ朗報だわ!確かにブルって震えたし、耳が赤くなってんな!よし!!ここで落とす!!!
その後、耳責めして落ちる手前までいけたってぇのに、突然何処かに消えちまったアイツ……妹鬼もいねぇし。何処に行ったんだ一体…
まぁ今度会ったら絶対ぇ落とすけどな!!