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    Shsyamo🐟

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    ❤🔴 暗いです。
    🔴が全身サイボーグ

    ふたりとも、少し長く生き過ぎたようです。
    そこに芽生えた気持ちは、なんと呼ぶのか。

    A_Iファルガーは、未来からやってきたサイボーグである。

    過去へやってきた彼は、鬼であるヴォックスと出会った。
    ヴォックスは生意気なファルガーと最初は対立していたものの、何年も彼と人間の真似事をしているうちに段々と心を開いた。

    ヴォックスは昔は人を愛したこともあったが、鬼と人間では命の長さがあまりにも違いすぎた。
    何度も何度も別れを繰り返し、ヴォックスは人を愛すること、添い遂げたいと思う気持ちに蓋をした。

    そこにファルガーが現れた。

    彼はヒトではなかったため、人間以上に長い時間を過ごすことができた。
    プログラミングで喜怒哀楽を表現していたので、ヒトと差異のない程度に意思疎通することができた。

    それに慣れすぎたせいで、感覚が麻痺していたのだろう。
    彼となら、ずっと側にいられるかもしれない、と錯覚したのが間違いだった。

    ファルガーもまた、鬼の半永久的な寿命に勝つことはできなかった。


    初めて彼と出会ってからどれほど経ったであろうか。
    数百年はとっくに過ぎているかもしれない。

    お互いの仲良くなった人間たちも皆早くに寿命を迎え、機械に囲まれた日常も廃れ果て、世界が静寂に包まれ始めていた。

    最近ファルガーの動きが少しずつ、鈍くなってきた。
    動く度にギシギシと音が鳴り、フリーズすることも多くなった。


    何もない世界で、2人はやることもなく、ただ隣に座っていつものように過ごす。

    ヴォックスはただそれだけでもよかった。
    誰かと長い間一緒にいられるのがこんなに心地の良い物だとは。

    そう思った最中、隣から声が聞こえる。

    「なぁ、ヴォック_ス」
    「なんだ、ファルガー」

    「お前、は、愛を、知っているか」

    ヴォックスは目を見開いてファルガーを見つめる。
    まさか彼からそんな言葉が出てくるとは思わなかったからだ。

    「_愛なんて、とっくの昔に置いてきたよ」
    事実である。
    ヴォックスはもう誰も愛さないと、自身に誓ったのである。

    「そう、か。俺は、生まれた時からサイボーグだ_から
     愛とは_なにか、しらな、い
     しかしお前と、こう・してすごしている、と。
     胸のアタりが、故。障した ように、熱をもつのは、
     ど、う_して、だろう、ナ」
     
    エラー音のような、ノイズの混じった声。

    あぁ。お前も知ってしまったのだな。
    ヴォックスはそっとファルガーを抱きしめる。

    「さぁ・・・それはきっと故障じゃないか。
    俺には修理できないよ・・・。さぁ、ゆっくりおやすみ。」



    ファルガーの瞳からだんだんと光が消えていく。



    周りは今にも崩れそうな瓦礫に囲まれ、一つの影は腐敗したソファに座っていた。
    膝には冷たい鉄の塊が置かれている。

    影は鉄の塊に手をのばし愛しむように撫でる。

    「愛しているよ、ファルガー_」
    今にも消えてしまいそうな吐息は虚空に溶けていった。


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