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    Shsyamo🐟

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    🔴💜 ただの健全イチャイチャ

    お題主<m様>

    sweet×sweet「ファルガー。そろそろ休憩したら?」
    リビングでカタカタとパソコンに向かって創作活動をする彼は、もう2時間程そこに居座っていた。

    洗濯と洗い物を終えてから、溜まっていた未視聴の動画をいくつか楽しんだシュウがリビングへと戻ると、自分がそれを始める前から変わらない体勢をしているファルガーにため息をつく。

    彼はいつもそうなのだ。
    集中し始めるとこちらから止めない限り体勢は崩れないし、飲食さえも後回しにする。
    ・・・かといって自分も人のことはあまり言えないのだが。
    まぁそれはそれとして。
    大切な人の体調は、自分よりも気になってしまうものである。

    自分の予定も一段落ついたし、そろそろ彼にも一息ついてもらうかな。
    そう思って声をかけた。

    「・・・あぁ・・・。」
    自分の声に、上の空で返事をするファルガー。

    これは何度か声をかけないと気づかないパターンだ。
    とりあえず休憩の準備をしてからもう一度声をかけてみよう。

    お湯を沸かしてコーヒーをいれる。
    冷蔵庫から、昨日作っておいたチョコレートガトーを取り出す。

    そうだ。とシュウは何かを閃き、少し大きめにカットしたそれを一つの皿にのせた。

    コトリ、とお揃いのコーヒーカップを机に置く。
    そのままもう一度キッチンへ戻りケーキののった皿を運ぶ。


    ファルガーの向かい側に座るシュウは、黙ってじぃ、と彼を見つめる。
    集中している彼はこちらの視線には気づかないようだった。
    少しつまらなくなり、ぷぅ、と頬を膨らませる。

    「ファルガー、くん」
    す、とパソコンの上から手を伸ばして画面を隠す。
    「おわっ、え、あ。シュウ。」
    ビクリと肩を跳ねさせて驚くファルガー。
    「ほら、休憩、しよ?」
    コーヒーあるよ、と指をさす。

    「あぁ・・・いつもすまない。ありがとう。」
    ファルガーはパタンとパソコンを閉じ、ぐりぐりと目頭を抑えた。

    ズズ、とふたりでコーヒーを啜る。
    シュウはチョコレートガトーにフォークを差し込む。
    うん、柔らかさもいい感じ。

    ぱくりと一口。

    甘さもバッチリ。
    コーヒーとの相性も抜群。
    「ん〜」
    思わず口角が上がり、幸せな声が漏れる。

    「・・・」
    その光景をじぃと見つめていたファルガー。
    ぱちりと目が合う。

    「んふ、なんでひとつしかないのって顔してる」
    シュウはイタズラに笑う。
    「俺の分はないのか?」
    少し寂しそうにコーヒーを啜る彼に、またシュウは笑ってケーキにフォークを差し込む。

    「はい、あーん」
    「・・・は?」


    フォークにのった一口サイズのチョコレートガトーは、ファルガーの口元に向けられている。

    そのフォークはシュウに握られたままで。
    こちらを見つめる彼の顔が、あまりにも幸せそうに笑うもので。

    そう簡単に口を開けるのもなんだか恥ずかしくなって、ファルガーは黙り込む。
    きっと顔が赤くなってるんだろうな、と自分でもわかるくらいに火照っている。

    「いらないの?」
    そう言ってシュウはスッと自分の口元へそれを戻してしまう。
    「あっ」
    「あーん。」
    ぱくり。
    セルフあーんを一人でしてしまう目の前の可愛らしい彼に、はぁ、と頭を抱える。

    「んへへ」
    もぐもぐと咀嚼しながら笑うシュウ。
    ごくん、と飲み込んで、また一口をフォークにのせる。

    ちら、とシュウがこっちを横目で確認するので、恥を捨ててあ、と口をあける。
    「あーん」
    「あーん」
    ぱく。
    ケーキを含むと、するりとフォークだけが口から抜かれる。

    甘すぎない、優しい味が口に広がる。
    お菓子づくりも上手なシュウは、本当に良い嫁になるな。もちろん自分の。

    「んまい。」
    美味しいと感想を伝えれば、嬉しそうに微笑むシュウ。
    「ありがと。」

    ゴクリとそれを飲み込んで、もう一度口を開ける。
    「あー。」
    「もう、しょーがないなぁ。」

    そう言いながらも、最初からそのつもりでケーキもフォークも一つしか用意しなかったんだろう?

    この休憩が終わったら、執筆活動は夜まで中止だな。
    そう頭の片隅で考えながら、ファルガーは甘くて幸せな味をもう一口運んでもらうのだった。

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