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    置き場

    すべて妄想です/年齢制限付きは自己責任にてお願い致します。

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    置き場

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    ka
    奥さん未練たらたらk←a

    羨望「結婚式の前日だな、元妻がマリッジブルー?で急に泣き始めて
     仕方なく泣き止むのを待ってたら当日の朝方までずっと泣いて大変だったんだよ。
     最後は疲れ切って2人でベランダで膝抱えて座って空見てさ、笑いながら式場向かったが
     今思うと若いよなぁ。
     …こんな朝焼けが眩しい日だったからか、思いだしちまった」

    ははは、と彼は笑うが
    朝日が照らすその瞳は、少し水を帯びていた気がする


    今日は山を管理する人から、得体の知れない者が山の中にいると相談があり
    僕とKKは夜から調査で山に入っていた。

    案の定マレビトが数体居座っており、人が近づけない状態となっていた。  
    ただ、幸いにも力がそこまで強いマレビトではなかったため、半日程で山の中にいたマレビトは排除できた。

    大きな怪我もなく、安心したのも束の間
    やはり慣れない山の中を動き回った身体は悲鳴を上げ、
    2人はとりあえず休憩がてら少し開けた場所に座り
    朝焼けに照らされる街を見ていた

    そんな中。ふとKKが話し始めたのは冒頭の内容だった。

    最近、仲が良くなりつつあるのか
    彼の口からたまに元奥さんの話が上がる
    笑いながらだったり、寂しそうだったり、今みたいに涙目だったり

    僕がただの相棒だったら
    笑いながら励ましたりするのだろう
    本当はそうなるべきだし、そうするべきだと思う
    でもできない

    朝焼けを見つめる彼を見つめる僕は
    相棒以上の感情を彼に抱いている
    悩みに悩んだが、どう繋ぎ合わせても
    僕は彼が好きだった

    奥さんの話を聞くたび、湧き上がる感情がそれを証明する
    聞きたくない、知りたくない、彼をそこまで愛させてしまうのが羨ましい、憎い、苦しい
    そんな言葉が湧水のように溢れ出す

    最初こそ、良くない事だと思い
    感情を押し殺して、彼の話を聞いてはいたが
    聞けば聞くたびに本当の気持ちが声を上げる
    彼の側にいたいのに、いるたびに奥さんが見えてしまうのが酷く辛くなり
    彼に会うのを極力避けた時期もあった。

    ただ、避けた時は心配して会いに来てくれたり
    人伝に心配している旨を聞くともうダメだった

    彼が好きでたまらない
    これが僕の気持ちだ

    改めて感情を認めて、受け止めていこうと決めた
    決めたと同時に、この恋を諦めたくなくなった。

    だから、奥さんの話を聞くたびに
    僕の記憶に変えてしまおうと、次思い出す時は僕であってほしいと
    そう考えるようになった



    だから



    「今この朝焼けを見ている時
     隣にいるのは僕だから、もう次思い出す時は僕だよ」
    「あ?」
    「だから、もう、大丈夫だよ」

    少し早口に、だけど強く
    子供っぽいと揶揄われそうだが、どうしてもそうなってほしいと願ってしまう。


    短い沈黙は彼の笑い声で終了した

    「あはは、なんだそれ」
    「なんだろね」
    「いや、まぁ、そうだな」



    「そうなればいいな」





    先程より明るい世界
    僕がまたKKを見ると、何か吹っ切れたような顔で街を見下ろしていた。

    彼にとってはきっと、なんて事ない会話だったろう。
    けど、僕はその言葉があまりにも嬉しくて
    光ゆく街へどうにか視線をそらし、醜い僕の感情を表に出さないよう
    ただじっとその時間を静かに噛み締めていた。
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